岩手県 1,124m 2002年9月1日、2014年3月15&16日
日本二百名山
335
日差しがちょっと優しくなって
ひんやりした風も吹いて
見上げると秋の空
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(2002年9月)
例の石川啄木の村に着き、登山口へ向かう。雲で山頂が隠れ気味。駐車場にはもう車が何台も入っている。杉林の中。ざんげ坂という急坂を登り切ると北西尾根の上に出て、そこからは尾根登り。
たどり着いた姫神山の頂上には簡素な頂上標識と鎖で囲われた一等三角点があった。
下山後、姫神山を見る。雲のためその姿は霞んでいたが、その美しい山影は見とれるほどに美しい。「男性的な岩手山と女性的な姫神山に見とれた」とは深田久弥の表現だった。この日は岩手山は見えていなかったが、左右に末広がりの稜線を伸ばす姫神は均整のとれた美しさをもっている。
(2014年3月)
3月中旬の週末、雪の姫神山に登る。
3月15日は、昔、安比のペンションで見た岳人に記載の大平地区からの林道・牧場経由のバリエーションルート。3時間かけて林道と牧場を登り、牧場ピークに達したが、姫神山は見えず、雪は止まないので、諦めて下山する。
この日に夏道を下見に行くと、夏道を登っている人が大勢いた。午後には晴れて、姫神山が姿を見せる。杉の山肌に雪をまぶし、岩場の頂上は真っ白。均整のとれた美しい山影は冬の冷たい空気のなかで輝いていた。ユートランド姫神温泉からは、姫神とその南の、その日に登った牧場ピークが良く見えた。もうあとわずかだった。
翌日、また雪だったが、12年前、9月に登った一本杉ルートをスキーで登り、吹雪の姫神山頂上に立つ。金属製の一等三角点に古い石の祠。滑りにくい潅木の斜面を下っていくと、吹雪の中を登ってくるパーティに会った。人気のある山なのだ。
HHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH
(2002年9月1日)
薄暗がりの中を高速を行く。ぼんやりと岩手山の輪郭が見えている。例の石川啄木の村に着き、登山口へ向かう。雲で山頂が隠れ気味。駐車場にはもう車が何台も入っている。一本杉登山口から、比較的ぬかるんだ道を登っていく。杉林の中。ざんげ坂という急坂を登り切ると北西尾根の上に出て、そこからは尾根登り。
頂上近くから岩場となり、大きな石の上を渡りながら進む。雲のため、岩手山は見えない。たどり着いた姫神山の頂上には簡素な頂上標識と鎖で囲われた一等三角点があった。山頂は例によって混雑。場所を見つけて火をつけラーメンを食べる。風があり寒い。ときおり雲が切れて岩手山が断片的に見える。
下山後、R4を盛岡の方に少し南下し、そこから姫神山を見る。雲のためその姿は霞んでいたが、その美しい山影は見とれるほどに美しい。「男性的な岩手山と女性的な姫神山に見とれた」とは深田久弥の表現だった。この日は岩手山は見えていなかったが、左右に末広がりの稜線を伸ばす姫神は均整のとれた美しさをもっている。
(2014年3月15日)
この日に向かった登山口は、2004年の安比、アルペジオで見た岳人597(1997)の特集「大平集落(120分)山谷川目牧野稜線(75分)山頂」で、夏道ではなく、南側の林道と牧場を伝って姫神に登るもの。その大平集落に向かう途中に常光寺というのがあり、石川啄木生誕地の石碑があった。岩手山を愛した詩人。あらかじめ慎重に調べておいたマップとカーナビを照合し、マーキングしておいた林道に向かう。山間の集落の外れでマップに記載のない立派な広域農道に入り、少し北に進んで右折。最終人家手前の林道入口のスペースに駐車。
除雪されていない林道入口であることを確認し、準備をして出発。スキー(K2)にシールを貼り、にアドレナリン・ブーツを履き、ピッケルも持っていく。雪が降っているのでネックウォーマーを巻いていったが、気温は低くなく、すぐに外す。ゴーグルを時々外して曇りを取る。どこかで林道を外れないといけないのだが、姫神山が見えないので、とにかく林道を進む。林道は南や東にも曲がっていくが、確実に高度は上がり、北東に向かっている。コンパスを出して方角を確認。タフのコンパスの使い方が分かったので(スイッチが切れた状態で、十字ボタンの上を押す)、それで方角を確認。林道は概ね北に向かっていた。牧場に入ってからも林道は続き、それを辿るが、林道が大きく北から東に方角を変えたところで北側の牧場の中の尾根に取付く。鉄条網の切れ目を通過。
西に見えるのはマップにある鳶頭山というピークだろうか、と思ったが、もっとずっと手前だったようだ。マップにある姫神の南の大きな丸いピークは、ユートランドから黒く見えており、牧場ではない(小姫神?)。牧場の雪斜面をジグザグに登り、真っ白な丸い斜面の頂上に達すると、そこは狭い岩場になっていた。牧場ピーク(900m峰)を認定。この時、雪が激しく降り出し、先に進むのを諦める。シールを外し、腰を下ろしてホットレモンを飲む。左手(南東)にこちらよりも高いピークが見えている(915m峰?)。帰ろうとして立ちあがったとき、再度周囲を見渡すが、もしこの時、姫神が見えていたら、先に進んだだろう。しかし、全く見えなかった。
新雪だが、もなか雪の上の新雪なので、ひっかかって滑りにくい。広い雪原から途中の林道に入る時、鉄条網が埋まったところを通過したが、ちょうど柵の頭が雪に隠れていてひっかかり、転ぶ。いやはや。牧場内の林道はビンディングを外して歩き、その先の急傾斜もそのままターン滑走。尾根取付のところの鉄条網は問題なく通過し、林道に戻る。ここでスキー手袋に替える。気温は低くないが、手袋が濡れて指先が冷たい。林道は傾斜が緩いのでほとんど歩いて進むが、集落に降りるあたりは傾斜があり、かなりの距離を滑る。林道からは駐車地点の集落は見えず。たぶん谷の奥まったところなのだろう。狭い谷に入り、左右にカーブし、集落が見えてくる。駐車地点に帰着した後、翌日もここを再度登るか考えるが、まだ時間があるので姫神の夏道登山口を下見に行く。
広域農道を北上し、カーナビ入力した姫神登山口の前に、「姫神山・城内登山口」の表示があり、そっちに右折。それは石切り場とハウス農場のある道だったが、最奥に登山者用駐車場があり、なんと除雪されていて、しかも車が一台。下山してきたらしい男性が車の中にいた。徒歩の踏跡が雪の上についていた。よし、明日はここから登ろう、と決め、駐車場を下る。どんどん晴れてきて、なんと、姫神の頂上までが見えている。あのまま登り続けていればよかったのかなあ。西側から北側に回り込んで一本杉登山口に向かう途上、正面に姫神を見ながら進む。こっちの登山道もどうやら駐車場まで除雪されているようだ。タイヤの跡もあり、降りてきた一台とすれ違う。
一本杉登山口の駐車場は二つあり、上の駐車場には、なんと、何台もの車があり、これから登ろうとしている人もいた。スキーで登っている人はいないが、翌日はここから登ることに決める。午後には晴れて、姫神山が姿を見せる。杉の山肌に雪をまぶし、岩場の頂上は真っ白。均整のとれた美しい山影は冬の冷たい空気のなかで輝いていた。ユートランド姫神温泉からは、姫神とその南の、その日に登った牧場ピークが良く見えた。もうあとわずかだった。
(2014年3月16日)
翌朝、起きると、なんと雪が降っている。携帯天気予報を見ると、なんと一日中雪。だが、前日のトレースがあれば山は見えなくても登れるだろう。シールを貼り、ホットレモンを沸かし、出発。更に雪が降ってきた。ユートランドの前を東に進む。登山口表示のあたりで雪空におぼろに太陽が見えている。晴れないかな。一本杉の下の駐車場に車が一台。踏跡が見える。しかし、上の駐車場には誰もおらず。登山口にある案内には一本杉から頂上まで90分(城内から120分)とある。さっさと登ってこよう。トイレに寄り、登山者ノートに記載し、出発。
最初は徒歩のトレースを辿らず、雪原を横断して右手の林に向かう。そこに古いトイレの建物があったが、ルートは林の左。そこには登山道入口の表示があり、そこからトレースに戻る。杉林の中のトレースは、沢が開きかけたところの先で急傾斜にかかる。ザンゲ坂の表示。キックターンせずに直登していく。傾斜は次第に緩くなり、また急になり、左右に曲がり、北西尾根に到着。五合目の表示。あと1,360mとあるが、ここからが長かった。北西尾根はまっすぐだったが、だんだん急になり、メガネも曇ってきてトレースが良く見えず、キックターンを交える。丸いテラス部分に達し、すぐにまた急斜面。斜面を右にトラバースするところに七合目の表示。
新雪が深く積もった傾斜でトレースが分からなくなり、キックターンで左に登ると、スキーで踏んだ雪のかたまりが層の切れ目から滑り落ちる。小さいけど表層雪崩だな。慎重にやりすごして右にターンすると、男性が降りてきた。下の駐車場に停めてあった車の主だろう。挨拶をして斜面の上に上がると、そこは北西尾根だった。雪に埋まった標識が二つ。一つは石標。北西尾根から風が吹き出し、ネックウォーマーをかぶり、スキーグローブに替える(そこからまだ時間がかかったので、これは正解)。トレースは消えがちとなる。割に広い尾根なので、途絶えがちのトレースを探しながら進む。急なのでキックターンが多くなる。一旦、平坦になり、横になった木の枝を乗り越える。帰りの滑走時に危ないな、と思う。
すぐに急斜面となり、背の低い潅木帯を登る。もうトレースは見えず、潅木の合間を登る。12年前に岩手山を見た岩場のあたりだろう。今回は吹雪。そして上に岩場が見え、姫神山の頂上に到達。手前(南)に石の祠があり、奥(北)に頂上標識。頂上標識の近くに金属製の一等三角点があった。12年前の写真は残っていないが、一等三角点というメモが残っている。確認できて良かった。今回も視界はなく、吹雪きなので、シールを外してすぐに帰途につく。
急斜面を右にターンして林に滑り込むところが平坦地で、あの木の枝があった。気付いてすぐに停止したが、右スキーが木の枝の下にはまっていて抜けない。結局、両スキーを外し、木の枝を掘りだし、スキーを抜く。やれやれ。北西尾根は潅木が密生した急斜面で、極めて滑りにくい。潅木を避け、ストップ・アンド・ゴーで下る。北西尾根の途中で、間違った方向(右)に下ろうとしているのに気付き、トレースを見つけて正しい方角(左)に下る。経験の賜物。大きな岩の横を滑って北西尾根からの下降点の石標のところに到着。
北西尾根下降点(五合目)からはやや右への斜滑降だが、登りトレースを滑っていると、登ってくる人が見えたので、左の斜面に滑り込み、少し登り返してトレースに戻る。その先で、真下に下るトレースを登ってくるパーティが見えたので、また左の斜面に滑り込む。真横のあたりで停止して挨拶。「楽そうですね」と言われ、「登りはしんどかった」と答える。こんな吹雪なのに良く登るなあ。トレースに戻り、丸いテラス部分に達し、次第に傾斜が緩くなり、トレースの真横を滑る。730m地点からはザンゲ坂の下降だが、まずトレースの右(東)にある林のスペースをショートターン滑走。次にトレースを横断し、左(西)のスペースをショートターン滑走。本日のハイライト。一応、パウダー滑走。
ザンゲ坂の起点には、沢が開きかけた部分があり、そのまま左斜面をトラバースしていくと行き詰まる恐れがあったので、開きかけの沢の手前でトレースに戻る。トレースの左右が狭まった部分はトレースを滑るしかなかったが、広くなってからはトレースの横を滑り、登山道入口表示のところから往路のスキートレースを辿り、古いトイレの前を通って登山口に戻る。また一人、男性が登っていく。登山口に到着し、トイレに寄り、登山者ノートに下山時刻を記載。登って行った3パーティの記載は無かった。
上だけ着替え、車を駐車場の奥に動かし、そこで昼食。ホットレモンを飲む。着替えていないところがだいぶ濡れていて気になる。汗もあるが、融けた雪で、ザックやウェストバッグも湿っている。この日もユートランド姫神へ。日曜のためか、500円。やはり姫神は見えていない。また野菜を購入。
あとがき
3月中旬の週末、雪の姫神山に登る。土曜は昔、安比のペンションで見た岳人に記載の大平地区からの林道・牧場経由のバリエーションルート。3時間かけて林道と牧場を登り、牧場ピークに達したが、姫神山は見えず、雪は止まないので、諦めて下山する。この日に夏道を下見に行くと、午後には晴れて姫神が姿を見せる。しかも、夏道を登っている人が大勢いた。翌日、また雪だったが、12年前、9月に登った一本杉ルートをスキーで登り、吹雪の姫神山頂上に立つ。金属製の一等三角点に古い石の祠。滑りにくい潅木の斜面を下っていくと、吹雪の中を登ってくるパーティに会った。人気のある山なのだ。
(2002年9月1日)
姫神山
岩手山
姫神山登山コース案内図
INFORMATION
一本杉登山口
薄暗がりの中を高速を行く。ぼんやりと岩手山の輪郭が見えている。例の石川啄木の村に着き、登山口へ向かう。雲で山頂が隠れ気味。駐車場にはもう車が何台も入っている。一本杉登山口から、比較的ぬかるんだ道を登っていく。杉林の中。ざんげ坂という急坂を登り切ると北西尾根の上に出て、そこからは尾根登り。
ざんげ坂標識
北西尾根
姫神山頂上(頂上標識と三角点)
頂上近くから岩場となり、大きな石の上を渡りながら進む。雲のため、岩手山は見えない。たどり着いた姫神山の頂上には簡素な頂上標識と鎖で囲われた一等三角点があった。山頂は例によって混雑。場所を見つけて火をつけラーメンを食べる。風があり寒い。ときおり雲が切れて岩手山が断片的に見える。
姫神山頂上(頂上標識と三角点)
頭だけの岩手山
姫神山
下山後、R4を盛岡の方に少し南下し、そこから姫神山を見る。雲のためその姿は霞んでいたが、その美しい山影は見とれるほどに美しい。「男性的な岩手山と女性的な姫神山に見とれた」とは深田久弥の表現だった。この日は岩手山は見えていなかったが、左右に末広がりの稜線を伸ばす姫神は均整のとれた美しさをもっている。
七時雨山
(2014年3月15日)
「石川啄木生誕の地」の石碑
この日に向かった登山口は、2004年の安比、アルペジオで見た岳人597(1997)の特集「大平集落(120分)山谷川目牧野稜線(75分)山頂」で、夏道ではなく、南側の林道と牧場を伝って姫神に登るもの。その大平集落に向かう途中に常光寺というのがあり、石川啄木生誕地の石碑があった。岩手山を愛した詩人。あらかじめ慎重に調べておいたマップとカーナビを照合し、マーキングしておいた林道に向かう。山間の集落の外れでマップに記載のない立派な広域農道に入り、少し北に進んで右折。最終人家手前の林道入口のスペースに駐車。
駐車地点
除雪されていない林道入口であることを確認し、準備をして出発。スキー(K2)にシールを貼り、にアドレナリン・ブーツを履き、ピッケルも持っていく。雪が降っているのでネックウォーマーを巻いていったが、気温は低くなく、すぐに外す。ゴーグルを時々外して曇りを取る。どこかで林道を外れないといけないのだが、姫神山が見えないので、とにかく林道を進む。林道は南や東にも曲がっていくが、確実に高度は上がり、北東に向かっている。コンパスを出して方角を確認。タフのコンパスの使い方が分かったので(スイッチが切れた状態で、十字ボタンの上を押す)、それで方角を確認。林道は概ね北に向かっていた。牧場に入ってからも林道は続き、それを辿るが、林道が大きく北から東に方角を変えたところで北側の牧場の中の尾根に取付く。鉄条網の切れ目を通過。
雪の牧場
西に見えるのはマップにある鳶頭山というピークだろうか、と思ったが、もっとずっと手前だったようだ。マップにある姫神の南の大きな丸いピークは、ユートランドから黒く見えており、牧場ではない(小姫神?)。牧場の雪斜面をジグザグに登り、真っ白な丸い斜面の頂上に達すると、そこは狭い岩場になっていた。牧場ピーク(900m峰)を認定。この時、雪が激しく降り出し、先に進むのを諦める。シールを外し、腰を下ろしてホットレモンを飲む。左手(南東)にこちらよりも高いピークが見えている(915m峰?)。帰ろうとして立ちあがったとき、再度周囲を見渡すが、もしこの時、姫神が見えていたら、先に進んだだろう。しかし、全く見えなかった。
牧場の滑走(900m峰より)
新雪だが、もなか雪の上の新雪なので、ひっかかって滑りにくい。広い雪原から途中の林道に入る時、鉄条網が埋まったところを通過したが、ちょうど柵の頭が雪に隠れていてひっかかり、転ぶ。いやはや。牧場内の林道はビンディングを外して歩き、その先の急傾斜もそのままターン滑走。尾根取付のところの鉄条網は問題なく通過し、林道に戻る。ここでスキー手袋に替える。気温は低くないが、手袋が濡れて指先が冷たい。林道は傾斜が緩いのでほとんど歩いて進むが、集落に降りるあたりは傾斜があり、かなりの距離を滑る。林道からは駐車地点の集落は見えず。たぶん谷の奥まったところなのだろう。狭い谷に入り、左右にカーブし、集落が見えてくる。駐車地点に帰着した後、翌日もここを再度登るか考えるが、まだ時間があるので姫神の夏道登山口を下見に行く。
姫神山城内登山口の標識
案内図
広域農道を北上し、カーナビ入力した姫神登山口の前に、「姫神山・城内登山口」の表示があり、そっちに右折。それは石切り場とハウス農場のある道だったが、最奥に登山者用駐車場があり、なんと除雪されていて、しかも車が一台。下山してきたらしい男性が車の中にいた。徒歩の踏跡が雪の上についていた。よし、明日はここから登ろう、と決め、駐車場を下る。どんどん晴れてきて、なんと、姫神の頂上までが見えている。あのまま登り続けていればよかったのかなあ。西側から北側に回り込んで一本杉登山口に向かう途上、正面に姫神を見ながら進む。こっちの登山道もどうやら駐車場まで除雪されているようだ。タイヤの跡もあり、降りてきた一台とすれ違う。
姫神山登山口の標識
姫神山
一本杉登山口の駐車場は二つあり、上の駐車場には、なんと、何台もの車があり、これから登ろうとしている人もいた。スキーで登っている人はいないが、翌日はここから登ることに決める。午後には晴れて、姫神山が姿を見せる。杉の山肌に雪をまぶし、岩場の頂上は真っ白。均整のとれた美しい山影は冬の冷たい空気のなかで輝いていた。ユートランド姫神温泉からは、姫神とその南の、その日に登った牧場ピークが良く見えた。もうあとわずかだった。
姫神山と牧場のある南尾根
(2014年3月16日)
一本杉駐車場
翌朝、起きると、なんと雪が降っている。携帯天気予報を見ると、なんと一日中雪。だが、前日のトレースがあれば山は見えなくても登れるだろう。シールを貼り、ホットレモンを沸かし、出発。更に雪が降ってきた。ユートランドの前を東に進む。登山口表示のあたりで雪空におぼろに太陽が見えている。晴れないかな。一本杉の下の駐車場に車が一台。踏跡が見える。しかし、上の駐車場には誰もおらず。登山口にある案内には一本杉から頂上まで90分(城内から120分)とある。さっさと登ってこよう。トイレに寄り、登山者ノートに記載し、出発。
杉林の登り
最初は徒歩のトレースを辿らず、雪原を横断して右手の林に向かう。そこに古いトイレの建物があったが、ルートは林の左。そこには登山道入口の表示があり、そこからトレースに戻る。杉林の中のトレースは、沢が開きかけたところの先で急傾斜にかかる。ザンゲ坂の表示。キックターンせずに直登していく。傾斜は次第に緩くなり、また急になり、左右に曲がり、北西尾根に到着。五合目の表示。あと1,360mとあるが、ここからが長かった。北西尾根はまっすぐだったが、だんだん急になり、メガネも曇ってきてトレースが良く見えず、キックターンを交える。丸いテラス部分に達し、すぐにまた急斜面。斜面を右にトラバースするところに七合目の表示。
精鋭樹の説明
雪のざんげ坂
北西尾根
新雪が深く積もった傾斜でトレースが分からなくなり、キックターンで左に登ると、スキーで踏んだ雪のかたまりが層の切れ目から滑り落ちる。小さいけど表層雪崩だな。慎重にやりすごして右にターンすると、男性が降りてきた。下の駐車場に停めてあった車の主だろう。挨拶をして斜面の上に上がると、そこは北西尾根だった。雪に埋まった標識が二つ。一つは石標。北西尾根から風が吹き出し、ネックウォーマーをかぶり、スキーグローブに替える(そこからまだ時間がかかったので、これは正解)。トレースは消えがちとなる。割に広い尾根なので、途絶えがちのトレースを探しながら進む。急なのでキックターンが多くなる。一旦、平坦になり、横になった木の枝を乗り越える。帰りの滑走時に危ないな、と思う。
姫神山頂上
すぐに急斜面となり、背の低い潅木帯を登る。もうトレースは見えず、潅木の合間を登る。12年前に岩手山を見た岩場のあたりだろう。今回は吹雪。そして上に岩場が見え、姫神山の頂上に到達。手前(南)に石の祠があり、奥(北)に頂上標識。頂上標識の近くに金属製の一等三角点があった。12年前の写真は残っていないが、一等三角点というメモが残っている。確認できて良かった。今回も視界はなく、吹雪きなので、シールを外してすぐに帰途につく。
金属製の一等三角点
頂上の祠
急斜面を右にターンして林に滑り込むところが平坦地で、あの木の枝があった。気付いてすぐに停止したが、右スキーが木の枝の下にはまっていて抜けない。結局、両スキーを外し、木の枝を掘りだし、スキーを抜く。やれやれ。北西尾根は潅木が密生した急斜面で、極めて滑りにくい。潅木を避け、ストップ・アンド・ゴーで下る。北西尾根の途中で、間違った方向(右)に下ろうとしているのに気付き、トレースを見つけて正しい方角(左)に下る。経験の賜物。大きな岩の横を滑って北西尾根からの下降点の石標のところに到着。
三角点と頂上標識
北西尾根下降点(五合目)からはやや右への斜滑降だが、登りトレースを滑っていると、登ってくる人が見えたので、左の斜面に滑り込み、少し登り返してトレースに戻る。その先で、真下に下るトレースを登ってくるパーティが見えたので、また左の斜面に滑り込む。真横のあたりで停止して挨拶。「楽そうですね」と言われ、「登りはしんどかった」と答える。こんな吹雪なのに良く登るなあ。トレースに戻り、丸いテラス部分に達し、次第に傾斜が緩くなり、トレースの真横を滑る。730m地点からはザンゲ坂の下降だが、まずトレースの右(東)にある林のスペースをショートターン滑走。次にトレースを横断し、左(西)のスペースをショートターン滑走。本日のハイライト。一応、パウダー滑走。
ザンゲ坂の起点には、沢が開きかけた部分があり、そのまま左斜面をトラバースしていくと行き詰まる恐れがあったので、開きかけの沢の手前でトレースに戻る。トレースの左右が狭まった部分はトレースを滑るしかなかったが、広くなってからはトレースの横を滑り、登山道入口表示のところから往路のスキートレースを辿り、古いトイレの前を通って登山口に戻る。また一人、男性が登っていく。登山口に到着し、トイレに寄り、登山者ノートに下山時刻を記載。登って行った3パーティの記載は無かった。
オープン斜面の滑走
上だけ着替え、車を駐車場の奥に動かし、そこで昼食。ホットレモンを飲む。着替えていないところがだいぶ濡れていて気になる。汗もあるが、融けた雪で、ザックやウェストバッグも湿っている。この日もユートランド姫神へ。日曜のためか、500円。やはり姫神は見えていない。また野菜を購入。
あとがき
3月中旬の週末、雪の姫神山に登る。土曜は昔、安比のペンションで見た岳人に記載の大平地区からの林道・牧場経由のバリエーションルート。3時間かけて林道と牧場を登り、牧場ピークに達したが、姫神山は見えず、雪は止まないので、諦めて下山する。この日に夏道を下見に行くと、午後には晴れて姫神が姿を見せる。しかも、夏道を登っている人が大勢いた。翌日、また雪だったが、12年前、9月に登った一本杉ルートをスキーで登り、吹雪の姫神山頂上に立つ。金属製の一等三角点に古い石の祠。滑りにくい潅木の斜面を下っていくと、吹雪の中を登ってくるパーティに会った。人気のある山なのだ。