知識労働者に取って第二の人生を持つことが重要であることには、もう一つ理由がある。誰でも仕事や人生で挫折することがあるからである。
逆境のとき、単なる趣味を越えた第二の人生、第二の仕事が大きな意味をもつ。
知識社会では、成功が当然のこととされる。だが全員が成功するなどということはありえない。
そこで、一人ひとりの人間およびその家族にとっては、何かに貢献し、意味あることを行い、ひとかどとなることが、決定的に重要な意味をもつ。(p230)
ドラッカーは「成功」とは何かを定義していません。想像するに、それぞれの人が”自分の成功イメージ”に到達した、あるいはそれを越えたと実感できることではないかと思います。
例えば、昇進することであったり、裕福になることであったり、優勝することであったり、子どもを育て上げることだったりと、人それぞれです。
でもその成功イメージに到達できない、挫折とか失敗という逆境に直面したとしても、自分の存在意義を支える何かが残っているべきだということだと思います。
それが上記の最後の文で、「何かに貢献している」「自分は意味ある人物だ」「自分はひとかどの人間だ」と思えるような何かを生活の中に持つためにも、第二の人生の準備が重要なのだということです。
There is another reason that managing yourself will increasingly mean that the knowledge worker develops a second major interest, and develops it early. No one can expect to live very long without experiencing a serious setback in one’s life or in one’s work.
And then a second major interest—and not just another hobby—may make all the difference.
In a knowledge society we expect everyone to be a “success.” But this is clearly an impossibility.
And then it is vitally important for the individual—but equally for the individual’s family—that there be an area in which the individual contributes, makes a difference, and is somebody.
2014/9/15