チェンジ・リーダーたろうとする組織が、容易におかすタブーが三つある。
第一のタブーは、現実と平仄の合わないイノベーションを手掛けることである。
第二のタブーは、真のイノベーションと単なる新奇さを混同することである。
第三のタブーは、行動と動作を混同することである。
これら三つのタブーは、あまりに魅力的である。チェンジ・リーダーたろうとする組織が再三つかまる罠である。これらを避け、あるいは逃れる方法は一つしかない。つまるところ、変化の初期段階を組織化すること、すなわちパイロットすることである。(p96)
第1に挙げられている現実とは、第2章で論じられた経営環境の前提(少子化から政治との乖離まで)のことを指しています。これらの現実と不整合なものは実を結ばないが、魅力的に見えることが少なくないため、資金と時間の浪費をしやすいとしたものです。
第二に挙げられている過ちは、「多くの組織が、毎日同じことを行い、毎日同じものを作るのに飽きたというだけで、新奇なものに取り組む」という表現で戒めています。
また、三つ目のタブーの例としては、組織改革を挙げています。組織改革が必要となることは多いが、その前に何をいかに行うかという問題に取り組んだ後に行うべきものであって、それを伴わない組織改革は単なる動作であって意味ある行動とはいえないとしているのです。
There are Three Traps to avoid into which change leaders fall again and again.
The first trap is an innovation opportunity that is not in tune with the strategic realities.
The second trap is to confuse “novelty” with “innovation.”
And the third trap: confusing motion with action.
These three traps are so attractive that every change leader can expect to fall into one of them—or into all three—again and again. There is only one way to avoid them, or to extricate oneself if one has stumbled into them: to organize the Introduction of Change, that is, to PILOT.
2014/7/16