第一次大戦の頃、このテイラーの科学的管理法が、フォードの組み立てラインとともに、アメリカを変えた。
第二次大戦では、奇しくもドイツとアメリカが、テイラーの原理を教育訓練に適用することによって、大きな成果を上げた。
第二次大戦後に経済発展をとげた日本をはじめとする非西洋諸国は、技術的なイノベーションにはさして力を入れなかった。その代わりに、未熟練のいわば工業改善の労働力の生産性を、ほとんど一夜にして高めた。例えば日本では、1950年にいたってなお、労働力の3分の2近くが農民であって、農耕の技能しかもっていなかった。(p166)
テイラーによる科学的管理法が世の中を変えた事例を次々に記述しています。
第二次大戦のアメリカとドイツでは、適用した分野が違ったそうです。ドイツでは軍事訓練に適用したのに対し、アメリカでは物資を生産する工場労働者に適用し、結果としてアメリカの生産性がヨーロッパを2倍も上回ったと言うことです。
大戦後の日本でも科学的管理法を導入することによって工業の生産性を飛躍的に改善し、しかも、賃金水準が据え置かれたために、先進国並みの製品を安い労働力で大量に生産することができ、発展を遂げたのです。
今の私たちは先人たちがそうして発展を遂げた恩恵のおこぼれに預かっているのかもしれません。今後も先進国であり続けるためには何が必要なのか・・・次に続きます。
In the First World War Scientific Management swept through the United States—together with Ford’s Taylor-based assembly line.
In World War II both the German achievement and the American achievement were squarely based on applying Taylor’s principles to Training.
The non-Western countries that developed after the Second World War, beginning with Japan, eschewed technological innovation. Instead, they used it to make highly productive, almost overnight, a still largely unskilled and preindustrial workforce. (In Japan, for instance, almost two-thirds of the working population were still, in 1950, living on the land and unskilled in any work except cultivating rice.)
2014/8/18