自らの果たすべき貢献を考えることは、知識の段階から行動の段階への起点となる。問題は何に貢献したいと思うかではない。何に貢献せよと言われたかでもない。何に貢献すべきかである。
1950年代、60年代、新しく現れた知識労働者は組織人間としてとらえられ、とくに大企業では人事部が人材開発として取り組むべきものとされた。
今なお日本では知識労働者をそのようにとらえている。だが長期継続雇用は難しくなっている。日本でも個々の人間の方が組織よりも長生きすると考えた方がよくなっている。(p213)
「何に貢献すべきか」を理解するためには、人に聞いてみるのが手っ取り早いですが、注意すべきは「何に貢献せよと言われたかではない」という部分です。
ナレッジワーカーの仕事は一人で完結することは少なく、多数の人が関わって成果となっていきます。自分の仕事の前工程、後工程、横工程を高い所から俯瞰してみたときに、自分の貢献はどうあるべきかを考え、実行していくことが大事だということです。
誰かひとりに「あなたにはこれをやってほしい」と言われたとき確かに期待と貢献すべき内容を伝えてはいますので、ある場面ではそれに従うことも必要です。しかし単にそれをこなすだけではなく、その期待はどこから来ているのか、その背景まで遡って考えることで自らの貢献すべきことが見えてくるのではないでしょうか。
「自分の強みに合っているか」「自分のやりたいことか」などは、その後に考えるべきことだとドラッカーは述べています。
To ask “What is my contribution?” means moving from knowledge to action. The question is not: “What do I want to contribute?” It is not: “What am I told to contribute?” It is: “What should I contribute?”
“Career Planning” is what the Personnel Department—especially of the large organization—was supposed to do in the 1950s and 1960s, for the “Organization Man,” the new knowledge worker employee.
In Japan it is still the way knowledge workers are being managed. But even in Japan the knowledge worker can increasingly expect to outlive the employing organization.
2014/9/8