本章で述べた21世紀の現実を認識しえたからといって、組織が行うべきことが自動的に明らかになる訳ではない。それをいかに行うべきかなどは、さらに明らかにしようがない。
しかしそれらの認識は、それぞれの組織が自らの経営戦略を考えるにあたって答えるべき問いは明らかにする。
それらの問題に対処しえないかぎり、この乱気流の時代、構造変化の時代、経済、社会、政治、技術の転換期にあっては、いかなる組織といえども、繁栄することはもちろん、生き残ることさえできない。(p79)
本章は「経営戦略の前提が変わる」と題して論じられてきました。
少子化と人口構造の変化、支出配分の変化、企業の社会的責任、経済のグローバル化と政治との関係、などです。
これらの経営環境は、戦後日本が高度経済成長を遂げてきた時代とは全く異なる経営環境となってすでに10年以上が経過しています。
「昔は良かった」時代はもう帰ってこない、これからは早く新しい現実に向かって成長していってほしいというドラッカーの願いが厳しい言葉になって表れているのではないかと思います。
The realities discussed in this chapter do not tell an institution what to do, let alone how to do it.
They raise the questions to which strategy has to find the answers for the individual institution.
Unless these challenges can be met successfully, no enterprise can expect to succeed, let alone to prosper, in a period of turbulence, of structural change and of economic, social, political and technological transformation.
2014/7/8