チェンジ・リーダーたるための第三の条件が成功の追求である。
ほとんどの月例報告が、その第一ページに期待したほどの成果が上がらなかった分野や、予想した以上に費用のかさんだ分野を列挙している。つまるところ問題に焦点を合わせている。
もちろん、問題を無視してはならない。深刻な問題は真剣に取り上げる必要がある。しかしチェンジ・リーダーたるためには、機会に焦点を合わせなければならない。
そのためには、問題を列挙したこれまでの月例報告の第一ページの前に、新しい第一ページを加える。売上にせよ利益にせよ、予想以上に上がった成果を列挙すればよい。そして、問題の検討に投じていたのと同じだけの時間を、それらの新しい機会の検討に割くのである。(p92)
「機会に焦点を合わせよ」というのは、組織内の問題を見つけて修正していく活動をいかに洗練させようとも、変化の先頭に立つことはできないと考えていたためだと思います。
上記にあるように問題を放置したために組織の存続が危うくなるような事例は良く見かけますから、問題に対しては真摯に取り組まなければなりません。(不祥事の隠蔽が第三者によって公表される事態のようなことです。)
しかし、問題の把握と解決策の検討で疲れきってしまっては、変化を生み出していくことができません。
そこで、問題より先に機会について検討せよと簡単にできることを勧めているのだと思います。
組織によっては、問題点を洗い出すのは得意だが成功を取り上げることはやったことがないということもあるでしょう。ドラッカーは、継続して行うことで少しずつできるようになるようから努力せよと言っているのではないでしょうか。
The next policy that the change leader needs to develop is the exploitation of success.
Almost without exception this report, on its first page, presents the areas in which results fall below expectations, or in which expenditures exceed budget. It focuses on problems.
Problems cannot be ignored. And serious problems have to be taken care of. But to be change leaders, enterprises have to focus on opportunities.
This requires a small but fundamental procedural change: an additional “first page” to the monthly report, and one that should precede the page that shows the problems. It requires a page that focuses on where results are better than expected, whether in terms of sales, revenues, profits or volume. As much time then should be spent on this new first page as has traditionally been spent on the problem page.
2014/7/14