組織の構造の中でも、特に研究が必要とされているものが、トップ経営陣の構造である。
いまのところ、企業、大学、病院、協会のいずれについても、トップの構造のあり方を極めたといえる組織はない。
今日では、トップの仕事にはチーム型組織が不可欠であるとの結論があちこちで出されている。
ところが、アメリカに限らずあらゆる国で実際に行っていることは、極端な個人崇拝である。なかば偶像化した個人を崇拝しつつ、後継の選び方については関心さえ払っていない。だが、トップ経営陣そのものにせよ、その構造にせよ、最終的な評価は後継の選び方によって定まる。(p17)
トップマネジメントの仕事と組織については、著書「現代の経営」と「マネジメント」のどちらでも「トップマネジメント・チーム」として組織すべきと結論されています。
トップマネジメントの仕事としては、①組織としてのミッションを考え、②成果の基準を設定し、③組織を作り上げ、維持し、④渉外の役割があり、⑤危機に際しては自ら出動するといったものがあります。
これらを行うには多様な能力を必要としますが、そのような人は滅多にいません。一人にすべてを期待するより、さまざまな強みを持った人たちが集まり場面によって能力を補完し合うチームで行うべきだとしているものです。
上記では、個人崇拝に陥っている状況を嘆くと同時に、評価が後継の選び方によって定まるとされています。
トップマネジメントは就任中の仕事で時々刻々と評価を受けるので、あえて自ら指摘するまでもないとドラッカーは思い、事後の評価だけについて述べたのでしょうか。すこし誤解・曲解を招く表現だと思います。
One area in which research and study are particularly needed is the ORGANIZATION OF TOP MANAGEMENT.
Yet I doubt that anyone would assert that we really know how to organize the top management job, whether in a business, a university, a hospital or even a modern church.
We talk incessantly about “teams”—and every study comes to the conclusion that the top management job does indeed require a team.
Yet we now practice—and not only in American industry—the most extreme “personality cult” of CEO supermen. And no one seems to pay the slightest attention in our present worship of these larger-than-life CEOs to the question of how and by what process they are to be succeeded—and yet, succession has always been the ultimate test of any top management and the ultimate test of any institution.
2014/6/5