チェンジ・リーダーたるための第四の条件がイノベーションである。
ただしそれは、チェンジ・リーダーたるためにイノベーションが不可欠だからではない。体系的なイノベーションの仕組みを必要とするのは、イノベーションそのものよりも、チェンジ・リーダーたらんとする姿勢を組織中に浸透させるためである。組織の隅々にいたるまで、変化を機会と見るようにさせるためである。
イノベーションには常にリスクが伴う。しかしイノベーションを追求することに伴うリスクは、イノベーションを追求しないことに伴うリスクよりもはるかに小さい。(p95)
イノベーションに関しては、「イノベーションと企業家精神」という1985年の著書に詳しく述べられています。
そこに記されている「イノベーションの七つの機会」を列挙すると、①自らと競争相手の予期せぬ成功と予期せぬ失敗、②生産・流通におけるプロセスギャップ、顧客との価値観ギャップ、③プロセス・ニーズ、④産業構造と市場構造の変化、⑤人口構造の変化、⑥認識の変化、⑦新しい知識の獲得、です。
イノベーションの機会が大きい順に1番から並んでいます。
前のセクションで述べられていた「成功の追求」はイノベーションの第一の機会のうち予期せぬ成功について取り上げたものでしょう。
重要なのは「組織の隅々まで浸透させる」ことだとしていますが、それには長い年月がかかります。それでも、組織に根付くまでやり続けなくてはならないということです。
The last policy for the change leader to build into the enterprise is a systematic policy of INNOVATION, that is, a policy to create change.
But the main reason may not even be that change leaders need to innovate. The main reason is that a policy of systematic innovation produces the mindset for an organization to be a change leader. It makes the entire organization see change as an opportunity.
Innovation can never be risk-free. But if innovation is based on exploiting what has already happened it is far less risky than not to innovate by exploiting these opportunities.
2014/7/15