ほとんどの人は、他の人とともに働き、他の人の力をかりて成果をあげる。
自らが成果を上げるためには、ともに働く人の強み、仕事の仕方、価値観を知らなければならない。
最初の上司が読み手だったとする。当然書くことに慣れてくる。次の上司が聞き手だったとする。ところが、相も変わらず報告書を書き続ける。
上司を観察し、仕事の仕方を理解し、上司が成果を上げられるようにすることは、部下たる者の責務である。(p219)
ここでは、上司と部下との関係について記述を抽出しました。
「上司に成果を上げさせるのは部下の責務」というのは、上司の顔色をうかがいごまをする部下になれと言っているのではありません。
上記のように、聞き手の上司に書き物をせっせと提出しても上司は成果を上げることができない、つまりチームが成果を出せなくなってしまうので、上司の得意な方法で伝えなければならないということを述べたのでしょう。
一人で完結する仕事が少ない組織社会では、上司に限らず、部下、同僚、取引先、顧客、など関係するひと一人ひとりについて、彼らの強み、仕事の仕方、価値観を知り、それに合った方法で自らの成果を渡す(伝える)必要があります。
「自分の仕事はこの方法でしかやりません」という頑な姿勢ではなく、「相手に合わせて柔軟に手段を変える」ことが求められています。
Most people work with other people and are effective through other people.
To be effective, one therefore has to know the strengths, the performance modes and the values of the people one works with.
Typical are people who, in their first assignment, worked for a man who is a reader. They therefore were trained in writing reports. Their next boss is a listener. But these people keep on writing reports to the new boss.
It is incumbent on the people who work with them to observe them, to find out how they work and to adapt themselves to the way the bosses are effective.
2014/9/10