【裏技】FMトランスミッターの送信アンテナ増強と電源ノイズ対策

2015年1月からスタートしました。

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【便利】Bluetooth FMトランスミッター(送信アンテナの増強改造)

【最近のFMトランスミッター事情】

携帯電話、キーレス、無線操縦のドローン、無線LAN、電波時計、Bluetooth機器、Wi-Fiなどあたり一面電波で溢れている今日このごろです。

2013年に電波法違反で総務省が名指しで公表した大手BUFFALO等の事件以来、最近の国内製FMトランスミッターは微弱電波に抑えられています。

当時は9割以上が規制値よりも強い電波を出す不法電波だったといわれています。→cacaca - 車の大辞典

そういえば昔携帯電話が存在せずアマチュア無線のハムしかなかったころ派手な外装で違法な無線機を積んだ長距離トラック、いわゆるトラック野郎が全盛のころは近くをデコトラ(電飾トラック)が通るとラジオにへんな声が入ってきました。

菅原文太、愛川欣也さんの「行くかジョナさん! 待ってたホイ!男一匹桃次郎トラック野郎一番星が大人気だったころの話です。

改めて菅原文太さんと愛川欽也さんのご冥福をお祈り致します。

さて、

電波法の規制強化や企業コンプライアンスの意識が高まった為か、現在正規ルートで売られているFMトランスミッターにはほぼELPシールが貼られており微弱電波に抑えられています。

正式には微弱無線適合マーク(微弱無線設備登録制度)と言います。

単純に、このマークが付いている商品は他の無線などに影響を与えない微弱な電波を使用していることを表しています。

そのため少しでも向きや距離が悪いと雑音などが入り音質が極端に悪くなることがあるようです。

また充電しながら使えるタイプのFMトランスミッターにおいては充電器の発する高周波ノイズを増幅してしまい充電器を外さないと使い物にならないという苦情もネット上でよく見ます。

今回のご紹介は電子回路にオイタして発信電波を強めるとかではなく、シロウトでもチョッと工夫してFMトランスミッターの音質を使えるレベルまで高めようというものです。

もしかしたら改良の結果、法定電波強度を少し超えてしまう可能性がないとは言い切れません。

しかし2~3m以上離れると雑音が入ることからも、ようやく聞こえるぐらいまでのわずかな強化です。

おそらく違法範囲は超えないと思いますが自己責任でご判断ください。

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【FMトランスミッターの買い替え】

iPodに貯めこんだお気に入りの音楽をヘルメットに内蔵したFMラジオで聞くために数年前からFMトランスミッターを愛用してきました。

ところが1ヶ月ほど前からデジタルであわせた周波数が電源を切るとリセットされてしまい使えないことも無いという中途半端な故障状態になり毎回起動後に周波数を合わせ直して使用していました。

で、今回新しく購入したのがLogitec FMトランスミッター iPhone4/4S/3GS/3G/iPod対応 オートスキャン機能搭載 コードレス ブラック LAT-FMIS05BKです。

オートスキャンというのは自分の地域で空いている周波数を自動でスキャンするという機能です。

価格は普段4000円のところアマゾンで1500円です。

色違いの白だと900円で売っている店も有りました。

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ドックコネクタという平べったい接続端子を持っているものです。

カスタマーレビューにはFMなのにAM並みの低音質だとか充電時の雑音がひどくて使えない!という苦情が多数寄せられています。

しかし一方で綺麗に聞こえて満足されている方もいらっしゃいます。

商品ばらつきなどにより微弱電波の規制値よりもさらに弱い電波しか発信していない場合があるのだろうと思います。

ちなみに今まで愛用していたのはバイクメーター回り:ゴテゴテの電装品で紹介したように図で②のiPodの下に合体している③がFMトランスミッターです。

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【改良は2箇所】

バイクからは雑音の原因になるさまざまな電波が出ています。

HIDの発振回路、スターター、発電機、レギュレーター、点火プラグ、イグナイター、ETC車載器 ・・・

物理的な改良に踏み切る前にまず確認してみます。

周波数を変えてみる

3つぐらいの周波数から選べるタイプと76~90MHzで自由に設定できるタイプがありますが、使用環境で他の電波と重なると音質が低下します。

知り合いから聞いた話ですがなるべく低い周波数にしたほうが混信がなくなりやすいとのことでした。

お住まいの地域で使われているFM放送局の周波数とFMトランスミッターの推奨周波数は全国FM周波数一覧などで調べることが出来ます。

バッテリーを新品に換えてみる

以前実際に体験しましたが、バッテリーが弱って内部抵抗が増えてくるとラジオから雑音がでる場合があります。

詳しいことはわかりませんがバッテリーはコンデンサーのように電圧を一定に保つ安定化の機能があり弱るとこの機能が低下するのではないかと思います。

それでもダメなら改良してみましょう。

こんなときはダメもとだという思い切りが必要です。

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①【送信アンテナの延長】

FMの受信では強い電波を受信していれば多少の混信があっても弱い電波は無視されます。

なので一つ目の改良は発信電波を強める方法、内部の短いアンテナ線を延長して外まで引き出すことです。

iPhoneのナビの音声案内Bluetoothで飛ばしてヘルメットのFMラジオで聞くために行った方法です。→【便利】Bluetooth FMトランスミッター(送信アンテナの増強改造)

今回も同じ手法を採用しました。

ケースをバラすのに少し手こずりましたがカッターと鋸歯で少しずつ周囲をカットしました。

金色のアンテナ線にコードを半田付けです。

裏側→表側→完成品(iPod装着)

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【アンテナ長】

それほど厳密に考える必要はありませんが、アンテナ共振を利用して少しでも電波を強めるようにしました。

アンテナの長さの最適値は波長λ(m)=300(定数)÷周波数(MHz)から求めます。

例えば88.1MHzで送信するなら λ=300÷88.1=3.4m=340cm

この2/1波長の170cm、もしくは1/4波長の85cmあたりにしておくのが良いです。

1/2波長のアンテナは長すぎるので1/4波長でよいと思います。

注意点としては延長したアンテナ線の引き回し方によって効果が変わるということです。

バイクの金属部分に巻きつけるよりも広い空間に真っ直ぐに伸ばした方が受信感度が良くなるように思います。

私の場合はウィンドウスクリーンの淵に沿わせて垂直にアンテナ線を配置したときがベストでした。

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②【電源ノイズのローパスフィルター】

2番目の改良は雑音の元になるノイズを減らす改良です。

バイクマニアには全ての電気部品に太いアース線をつけるアーシングにこだわる方もいらっしゃいますが、今回は充電器からの電源供給の配線につけた雑音を減らすためのフェライトコアです。

フェライトコアとはちょっと高級な音響機器の配線などの途中にある円柱形のものです。

電気に詳しい知り合いはエンジンノイズのような低い周波数には効き目は少ないといいますが、いいんです!

気持ちの問題です。

<フェライトコアがノイズを除去する原理村田製作所のホームページより

フェライトコアはほとんどはリング形状となっています。

このリングの穴の中に導線を通すことによって導線とフェライトコアがコイル(インダクタ)を構成します。

このコイル(インダクタ)は電子部品のインダクタと原理は同じですから、図1に示すように高周波になるほど高いインピーダンスを持ちます。

このため高周波電流を阻止するローパスフィルタとして働き高周波ノイズを減衰させることができます。

少しでも効果が高まるようにとグルッと一周巻きつける形でフェライトの中を2回通り抜けるようにしてみました。

フェライトコアは数種類の大きさが売られていました。

選んだのは一番小さいものです。

アンテナ線の延長が効いたのか、ノイズの全くない完璧な音質を実現できました。

【ご参考】

車体の充電系によってノイズが大きい場合には、車やバイクののシガーソケットから出るノイズを除去するノイズレス電源ソケット電源ノイズフィルター サプレッサーを使う手もあります。

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【説明書】

すぐに説明書をなくしてしまうので添付しておきました。

ちなみに届いてみてわかったのですがELPシールはなく2010年製造のmade in Chinaでした。

もしかしたら規制値以上の強い電波ではと期待したのですが微弱電波でした。