バイクチェーンでタイヤチェーン!って何? 「究極のバイク用自作タイヤチェーン」

2015年1月からスタートしました。

ご訪問ありがとうございます

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タイヤチェーンは2輪ライダーにとって冬の必需品です。

なんだこりゃ!まさにチェーンでチェーンやないの?!」と気づいた方は是非最後までお読みください。

ひとことで言えば空気を抜いたタイヤにチェーンをはめて、電動ポンプで空気圧を上げてタイヤにシッカリと食い込ませるという原理の古いドライブチェーンを有効活用したタイヤチェーンです。

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ところで、関東周辺では冬はビーナスライン、メルヘン街道(麦草峠)、日光金精道路、志賀草津高原道路、奥只見樹海ライン、中津川林道、ぶどう峠といったメジャーなところも軒並み冬季閉鎖で通行止めとなります。→冬期閉鎖による通行規制

また、通行可能な道路でも突然に雪道や凍結路面に変わることがしばしばあります。

雪道が大好きなライダーの為にそんな時に便利な斬新・新型・格安・持ち運び性良好・抜群のグリップ性能を持つバイク専用スノーチェーン(タイヤチェーン)を自作してみました。

バイクの特性にマッチした、しかも裏庭の片隅に転がっている古い(ドライブ)チェーンを利用して自分で簡単に作れるものです。

必要なのは寿命の尽きた古いチェーンチェーンカッターだけ。

思い立ったのは先週の大雪です。

2018年1月22日関東地方も4年ぶりに大雪に見舞われ、東京でも積雪量が23センチにもなりました。

同僚のA井さんは川越街道がハンパない渋滞で職場から帰宅まで7時間半もかかってしまったそうです。

さらに翌週の金曜日も再び雪が降りました。

自宅(埼玉県和光市)の前も朝からこんな様子でした。

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こんな時こそバイクでしょ?とまずはバイク用のタイヤチェーンをネットで調べてみました。

昔の自動車用のような金属の鎖をタイヤに巻くものから、樹脂製スパイクをタイヤに打ち込むもの、自作ではをタイヤに巻き付けるものなど様々です。

北海道では郵便配達のスーパーカブがチェーンを巻いて活躍していることはよく知られています。

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【何故(ドライブ)チェーン?】

4輪は横倒しになりにくいのでタイヤチェーンは主に駆動力とブレーキ力の伝達がメインの目的だと思われます。

しかし、2輪の場合は体験上横滑り、特に前輪の横滑りが転倒に直結し大けがにも繋がります。

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駆動力も横滑り防止も両方を網羅するのが鎖を亀甲に編んだチェーンでしょう。

しかしバイクの場合のタイヤの設置面積は名刺大と言われていますので、完全な鎖チェーンは名刺大より細かい網目でないといけないと想像できます。

また、車種ごとの専用品なので種類も少なく値段も高価です。

チェーンでチェーン装着方法はタイヤの空気を抜いてタイヤをふにゃふにゃにしてから少しだけ短めのチェーンを巻き、両先端にピンを差し込んで連結します。

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ピンとしてはたまたま工具箱に入っていた5寸釘をカットしました。

藁人形を使ってだれかを呪うときの必需品ですので、大工さんでなくてもどなたの工具箱にも入っているかと思います。

ちなみに5寸釘の直径はφ4.2mmで、せん断応力は約13.8kg/mm2ですので2か所のせん断で299kgの引張りに堪えることができます。

またチェーンに空気圧をかけた際、幅3cm、直径はタイヤ径18inchの円筒に内圧1.5jgf/cm2がかかると仮定すると103kgfの引張り力が発生します。

なので破断に対する安全率は約3です。

心配なかたは五寸釘をあきらめて折れたドリルの刃などの高強度材を使うのも良いかと思います。

次にチェーンがタイヤのセンターに沿っていることを確認してから、電動ポンプで空気圧を高めます。

これによりタイヤとチェーンは一体化しちょっとやそっとでは外れないという仕組みです。

チェーンの長さは1本ではわずかに足りませんので、チェーン購入時に余った端切れを繋ぎました。

また折りたたむというかグルグル巻きにすることでコンパクトになり小脇に抱えて持ち運ぶこともでき、収納・携帯性が抜群です。

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リアタイヤはボディーとの間に大きな隙間があり、簡単にチェーンを巻き付けることができますが、フロント側はフェンダーとタイヤの隙間が狭く巻き付けるのが厄介です。

特に、センタースタンドを立てて前輪が自由に回せればなんとかなりますが、サイドスタンドでタイヤが接地している時にはチェーンは横方向から巻き付ける必要があります。

そこで作業性を上げるためにちょっとだけフェンダーを持ち上げてタイヤとフェンダーの隙間を拡げました。

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【取り付けのコツと実走テスト結果】

雪がいっぱい残っている所をもとめてネットで調べた秩父方面に向かいました。

有間ダムの手前で「さわらびの湯」に入りたい欲求とぐっと抑えて雪道を目指しました。

通行止めもあり名栗の杜の細い道なら雪が残っているだろうと期待して北上です。

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残念ながら雪はほぼ溶けています。

取り敢えず少しの雪と路面上にシャーベット状の氷が残っている場所でチェーンを装着実走試験を行いました

まずはリアの装着から。

道路にチェーンをまっすぐにおいて、バイクをその上に移動します。

空気を完全に抜いてもタイヤの直径は意外と小さくなりません。

考えてみればゴムの中に金属製の繊維とか入っているので当然かもしれません。

ピンを差し込む時のコツはパンツを履くときのように、女性ならばブラをつけるときのように?、すこしチェーンを横にずらして両端を近づけてからピンでつなぎます。

そのあとで少しずつタイヤの中央に移動させれば問題なくセットできました

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リアのピン挿入とフロントの電動空気入れ

空気圧は電動ポンプで低めの1.5kgf/cmに調整したところシッカリとタイヤとチェーンが一体化しました。

空気圧はCB1100でダートを走る時と同じです。

人気のYoutube動画です

チェーンとチェーンが平行に並ぶリアビューのメカ感スタイリッシュで超カッコいい!?

そう思った方はきっと私と同類の変態ライダーですね。

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実際にシャーベット状の氷の上を走った限りでは全く滑ることなく安心して走れました。

しかし、調子に乗って軽くなったハンドルをくりくり切って楽しく走っていたところ50mぐらいで前輪のチェーンが外れてしまいました。

その原因ですが

①そもそもフロントタイヤの方が断面の半径が小さく、センターからずれやすい。

②リアタイヤはすり減ってゲタ状態でセンターが平らであったのにたいし、フロントは先月新品に代えたばかりで平坦部が無かった。

フロントをぐりぐりすることでタイヤとチェーンに少しずつズレが発生し、一旦センターからずれると張力の為に元の位置にもどるよりもどんどん横にずれていく。

対策が必要です。

・グリスでベトベトのチェーンをしっかりと洗浄脱脂してから使用する。

・路面とチェーンの摩擦力よりも、タイヤとチェーンの摩擦力が大きくなるような何か(両面紙やすりのようなもの)を間に挟みこむ。

・タイヤのセンターの溝に食い込むような突起物をチェーンにつける。→但し横からパンツを履くようにずらすのが困難?

・もっと空気圧を上げてチェーンがタイヤに食い込んで断面形状がお尻のように(もしくは💛の上の形のように)する。

・タイヤと接する面のチェーンを粗目のやすりでこすって摩擦係数を増やす。

などなど・・・

次回、雪が降るまでにシッカリと対策を打っておきたいと思います。

その時はチェーン規制の道でお巡りさんに止められて「えっ! ちゃ~んとチェーンを巻いてますよ!」とドヤ顔で言ってみたい(笑)

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【昔走った雪道の想い出】

ここからは、無謀にもチェーンなしでチェレンジした過去の記録をまとめてみました。

両足を地面に着きながら、フロントブレーキとリアブレーキを同時に制御する魔法のテクニックも何度も命を救ってくれました。

エンジンを切ってエンブレで後輪を制動するテクニックです。

→【実践】万一の緊急事態でのライディングテクニック路面凍結した坂を下るもしくは登坂をバックして安全な所までもどる方法)

凍結道路を楽しむのはあくまで自己責任でお願いします。<(_ _*)>

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2017雪のゼロ磁場(分杭峠)と大鹿村・猟師の宿

雪の中を楽しみながらツーリングできるというメリットの一方で、デメリットも考えられます。

マズはタイヤに無理な変形を強いる為にもしかしたらタイヤ寿命を短くするかもしれないということ。

また雪道や凍結道路以外のアスファルトの上を走ると、チェーンも摩耗するし道路も傷めます。

なので、常時持ち歩いて突然雪や路面凍結に出くわした時の緊急用と考えるのが良いかもしれません。

本方法にTRYして楽しむのは大歓迎ですが、それによる事故などの責任は負えませんので何卒自己責任でお願いします。

尚、リアは私のCB1100の530サイズですが、フロント用の520サイズの小さめのチェーンは友人のK原田さんから譲り受けました。

またブログ表題の「チェーンでチェーンって何?」のキャッチコピーはD井口さんが考えてくれました。

この場を借りての御礼です。 ご協力ありがとうございました。