謎のブレーキディスク接触による発熱

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3カ月ほど前に5年目の車検を受けた時にメカニックから原因不明のブレーキディスクの接触があると指摘を受けました。

そういえば最近ブレーキが鳴くなと思っていました。

一般的なブレーキの鳴きはすり減ったローターのエッジにブレーキパッドの角が乗り上げることだと言われています。

なのでブレーキパッドの交換時には角を面取りするのが一般的です。

そして普通に走れるのでそのまま走り続けていたところ、今からおよそ1か月前に同じバイク屋でリアタイヤの交換をしてもらった際に再び指摘を受けました。

今度はブレーキパッドをキャリパーごと外しても接触するので、どうも車体に固定されているキャリパーステーと接触しているとのこと。

確かにブレーキディスクの小径部分に接触痕がついていました。

でも構造上あり得ないことなので正規のホンダのディーラーで車種特有の現象か聞いてみてくださいと言われてしまいました。

確かにセンタースタンドを立ててリアタイヤを手で回そうとするとかなりの抵抗がありました。

チェーンの張り調整の要領でアクスルナットを緩めて調整したりしましたが微妙に抵抗値は減るものの根本的な解決には至りません。

最後にナットを一締めすると急にタイヤが廻らなくなる感じです。

プロのメカニックお手上げだと宣言したのであきらめてそのまま乗り続けることにしました。

すると先日最悪の事態が発生しました。

高速をしばらく走っていたらリアのブレーキペダルがふわふわと沈み込んでしまい全くリアブレーキが効きません。

これがかの有名なベーパーロックだな!と思いPAでセンタースタンドを立ててみるとリアタイヤは手では全く回らないほど固く接触している状態でした。

これなら高速走行ではベーパーロックを起こしてもしょうがないと。

ベーパーロックとは昔は車でも長い下り坂をエンジンブレーキを使わずに降りた場合などに頻繁におこり、ブレーキの発熱でブレーキオイルが気化してしまう現象です。

ブレーキオイルの沸点はDOT4の場合230度以上ですが、古くなって水分が混ざると140℃程度まで下がってくるといわれています。

キャリパーステーとディスクの摩擦熱がキャリパーに伝わりオイルが沸騰したのだと考えました。

さすがにこのままではいかんと、帰宅してからパーツリストとにらめっこして構造の理解です。

とはいっても非常に簡単な構造なぜディスクとキャリパーが接触するのかわかりません。

バイクに詳しい友人も一緒に悩んでくれました。

現象としてはブレーキディスクと一体化されたリアタイヤが後方からみて右に僅かにずれてしまっているのですが、単純な構造上から部品も少なく誤差の集積によるものとも思われません。

最初は左右のカラーを反対に組んでしまった誤組を疑いましたが正しいことを確認しました。

そこで結局、図中番号5のリヤブレーキサイドカラー座屈によって長さ方向の寸法が縮んだという仮説を立てました。

アクスルナットをトルク11.5kg・mで締め付ける際に強く締めすぎた可能性が否めません。

なにせそんな巨大なトルクレンチを持っているはずもなく、いつも手感で締めているからです。

そこで縮んだ寸法を補う為にアルミ板を加工し厚さ約0.6ミリのシムを作りカラーとキャリパーステーの間に挟んでみました。

ちなみに外径はカラーと同じφ40、内径はシャフトより少し大きめのφ26です。

実は最初に1mmの厚さのシムを挟んでみたのですが、接触はなくなったもののABSセンサーのプレートとの距離が離れて作動しなくなり警告灯がつきました。

お手製のシムのお蔭でリアタイヤはキャリパーステーに対して0.6mmほど左に動き、ブレーキディスクとキャリパーステーとの接触はなくなりスルスルと手でタイヤを回せるようになりました。

この厚みのシムだとABSも正常に作動します。

やりすぎるとABSセンサーが働かなくなるなど微妙な調整で成り立つ高精度が必要な部位であることがよくわかりました。

高価だけどトルクレンチ買おうかな?!