ドカティモンスターとホンダVTR250って似てるよな~

2015年1月からスタートしました。

ご訪問ありがとうございます

<(_ _*)>

25年ぶりにリターンライダーになるきっかけとなったのが5年前(2011年)に埼玉県の桶川レインボー交通教育センターホンダのVTR250に乗ったことでした。

VTRで25年の眠りから目覚めました。

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桶川2輪スキルアップ講習会に参加

最近になってツーリング仲間さんが大型免許に限定解除KTM DUKEを手放してドカティーモンスターを購入するつもりという話を聞きました。(2016年の4月頃の予定?)

ならば!と、以前から気になっていたドカティとVTR両車の類似点と相違点について調べてみました。

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似てますね~

初代モンスターは梯子のようなパイプフレームの形がもっと似ています。

初代モンスター(復刻版)

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【実はデザイナーが同じ人】

ミゲール・A・ガルーツィ氏

一目見てフレームが似てますよね。

タンク形状やシートも似ています。

MONSTERが生まれたのは1993年でVTRは1998年と5年後なので「ホンダがデザインをパクッた!」と思われているかも知れません。

実はデザイナーが同じ人だからです。

ミゲール・A・ガルーツィというアルゼンチン生まれの人で、彼はホンダのデザインに関わっていました。

アメリカでエンジニアリングを学んだ後、デザインの専門学校を卒業し、1988年にホンダに入社しています。

人の良さそうなおじさんです。(こんなおじさんになりたいな!・・・独り言です)

そしてホンダで全く新しい斬新なフレームのデザインをしました。

しかし、「こんな奇抜なのダメです!売れませんよ!」 って当時の朝霞研究所(ホンダ社員はHGAというらしい)の評価会でボツになったそうです。

その後ミゲールさんは当時はカジバというDUCATIの親会社に転職しました。

車もそうですが、デザイナーの世界は兵隊のサラリーマンではなく個人の実力とネームバリューが幅を利かせるらしいです。

いわゆる一匹狼の厳しい世界です。

「この奇抜なデザイン・・・よし、やってみよう!」とDUCATIではデザインがOKになりました。

そして93年、DUCATI MONSTERが世に登場!

当初は「ナンダコレー!と反発やこんなのドカじゃない!」など世間の評判はボロクソでしたが結果はバカ売れ

どんどん排気量や水冷・空冷などのバリエーションも出て大当たりになりました。

それを見たホンダは「そういえば・・・昔、ミゲールさんがラフデザインとか残していったなぁ」ってつぶやいたらしい。

小排気量にして取り回しもとてもラク、乗りやすくて軽快なバイクとして再設計し、大衆をターゲットに(大量生産)するホンダVTRを売り出しました。

ヨーロッパのバイクメーカーは小規模な会社が多く冒険ができます。なので潰れる会社や統廃合も頻繁です。

一方、日本のバイクメーカーは昔はたくさんありましたが現在は数が絞られ、大規模なので量産設備などの投資も大きく確実に売れるものしか開発しにくい環境だと言われています。

要するに斬新なデザインが世間で受け入れられたのを確認した後、ミゲール氏がホンダ在籍時に残したデザインを元に別のデザイナーが図面を描きおこしてVTRを発売しました。

世に出したのはホンダがですが、基本デザインについてはホンダの方がに所有していました。

ですので厳密には同じデザイナーではありませんが両デザインには密接な関係、同じ遺伝子があると言えます。

なので似ているのは当たり前なのです。

余談ですが、ミゲールさんが自分のアイデアをボツにしたホンダを恨んでいるかというとそうでもないらしいです。

ミゲールさんは「わー!僕のデザインを覚えていてくれたんだ~。自分のデザインがベースになって世界のHONDAからも生まれたなんてうれしいなぁ!」

とおっしゃって(たぶん?)ご自宅にVTRも1台所有しているそうです。

なんか、よかった!

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【フレーム構造の微妙な違い】

ホンダではパイプを溶接したフレームをトラスと呼んでいますが、まちがいではありませんが厳密にはトラスの定義とはやや異なります。

特に橋など建築関係を勉強した人には違和感を感じるかも知れません。

なぜなら三角形の集まった交点がヒンジで繋がっていて自由に動き、純粋に引っ張りと圧縮しか受けないものをトラスとよび、曲げまで拘束するものはラーメン構造と呼びます。

パナホームの家などでもシステムラーメン構造といいます。

バイクのフレームにラーメンは似合わないからかも!

まあ形がにているのでトラスでもいいかもしれません。

ドカティもホンダも似ていますがパイプでフレームを構成しようとすると強度上自然と三角形の集合体になります。

上下2本の平行するパイプを直交する短いパイプでつなぐと強度的に斜めのパイプが欲しくなり結果的に三角形になるからです。

ところで、ドカティはトラスではなくトレリス構造と呼んでいます。格子状になっているという意味です。

ホンダの場合はNの1点の直交する1本(エンジンマウントの位置)には4本のパイプが集合していて、これは綺麗な溶接が非常に難しいと言われています。

よ~く見ると初代ドカティのフレームには最大でも3本のパイプしか集合していません。

それでもイタリア人にとってみると驚異的な溶接技術であると世間から高く評価されました。

日本人の技術ってすごいというのがこんなところにも出ています。

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【エンジンの形】

V型(ホンダ)とL型(ドカティ)

どちらもVツインと呼ばれるを小さくスリムにできるエンジン形式です。

ホンダのVTRのVTはVツインから来ていて、横からみると2気筒がピースサインのV型のようにおよそ90度の角度です。

ツーリング仲間のさんが所有しているVT750の名前も同じです。

それに対してドカティはエンジン全体が前に倒れていて片方のシリンダーが水平に近いのでL型と呼ばれます。

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【フロントフォークが逆向き】

ドカティは倒立フォークのダブルディスクブレーキ。

ホンダは正立フォークのシングルディスクになっています。

倒立とは太い側の筒が上にあってタイヤと一緒に動く細い部分が軽くなり路面凹凸への追従性が向上しますが、フロントフォークオイルの交換などのメンテが多少面倒になります。

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【その他】

タイヤホイールのスポークもVTRは5本、初代ドカティは3本になっています。

それと、ドカティといえばトラリスフレーム以外にデスモドロミックという特殊な動弁系を持っていることでも有名です。

通常のバルブ駆動のようにカムで押し開けてスプリングの力でバルブを閉めるのではなく、吸排バルブ共に開けるときも閉めるときもカムのプロフィールによって強制的に動かす構造です。

こうした強制開閉式と呼ばれる動弁系は多少構造が複雑になりますが、エンジンの高回転化にもバルブの動きがしっかりと追従します。

また大きな加速度で素早くバルブを開閉できるので限られた時間内にたくさんの新気を吸い込むことができ出力が向上すると言われています。

いわゆるバルブの有効開孔面積(開け始めから閉じるまでの平均値)が大きくなります。

レースの世界でドカティのバイクが直線でぶっちぎりの加速をするのはそのせいではないかと思います。

【提案です。目くじらたてるのはやめましょう】

ネットサーフィンをすると「ホンダは真似するからずるい」とかいろいろな批判をする方がいらっしゃいます。

でも紳士淑女たるわれわれリターンライダーとしては小さいことにこだわるのはやめたいなって思います。

ホンダのシビックが3ドア(ハッチバック)を出すと世界中のメーカーがみんな真似をしたように、丸目のヘッドライトが売れると世界中がそうなるように、最近では箱形のボディがそうであったように。

そういえば高級車に使われる可変動弁系もホンダの2輪から発祥したVTECを各社が見習ったものと聞いています。

1社が売れると各社がデザインやアイデアや設計思想を真似るのはしごく当たり前の現象です。

つり目のヘッドライトもホンダのバイクでヒットしてからいまやにまで拡がりました。

人間の目の形には本能的に敏感に反応して、対視認性が良くなるとの基礎研究(人間研究)の成果だと聞いたことがあります。

日本伝統の歌舞伎役者も目が印象的で惹きつけられます。

写真のCBR1000RR(ダブルアール)はウィンカー兼用のミラーまでトイレのCMで子菌役のリトルベンのように見えてしまいます。

ガオーと開けた口も含めてフロントビューはまるでです。

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かわいい子役を見たい方の為にCM動画を貼っておきます。

天才子役 寺田心(てらだしん)君

おっと 脱線。

閑話休題

人類はそうして模倣を繰り返しながら文明や文化を作ってきたのですから!

(どこかの国のように完全コピーは別です。)

また、イタリア語はわかりませんがドカティはイタリア読みのドゥカティが正しいとか、いやデュカティだ!とか諸説ありますが、まあ聞こえたように発音すればいいんじゃないでしょうか?

アメリカ人が持ち込んだ食用の粉メリケン粉といわれたりするように、国によって言語が違い(きっと耳の中の構造や舌の長さが違うから?)発音しやすいように変化するからです。

日本人はRとLの区別が苦手ですし、アメリカ人は「」と発音できず日本人の耳には「トゥ」と聞こえます。

BMWだって一昔前はドイツ語読みの「ベーエムベー」が使われていましたが、いつのまにか英語読みの「ビーエムダブリュー」が一般的になっているのと同じだと思います。

蘊蓄が長くなりすみませんです。

最後にホワイトベースの二宮祥平さんのフレーム説明をご紹介します。