【緊急対応】立ちごけした時の処置と予防方法

2015年1月からスタートしました。

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ライダーの多くは立ちごけを経験し自己嫌悪に陥っていることはネット上に氾濫する川柳からも容易に想像できます。

「立ちごけは忘れたころにやってくる」

「立ちゴケや あぁ立ちゴケや 立ちゴケや」

「おかしいな サイドスタンド 出したはず」

「買ってから 二日で立ちゴケ カウル割る」

「立ちゴケはバイクだけかと問われた夜」←オヤジしかわからない下ネタか?

「ギリギリで 立ちゴケ阻止し 腰(こし)傷め」

ベテランライダーでも油断すると立ちごけすることは珍しくないと思います。

ここでは立ちごけとはバイクの停止中や極低速での走行中や停止時にバイクを倒してしまうことを言います。

なんでここで倒れるの?という停止状態での立ちごけや、

傾いた道路でのUターン、砂利道でのカーブ、濡れたマンホールで後輪が滑るなど予期せぬことで低速走行中に転んでしまうことがあります。

そんな時に大切なのはパニックにならずに冷静に対応することです。

その為にも普段から立ちごけした時を想定しておくことが重要だと思いこの記事を書いています。

私もベテランでは有りませんが今年(2015年)の正月三日に砂利道のUターンで立ちごけをして足首を痛めてしまいました。

⇒医者が開く5日まで待って病院に行き松葉杖で出勤

レントゲンで骨折していないことは確認しましたが半年以上すぎてもまだ時々足首が痛みます。

【まずは周囲の安全確認と怪我のチェック】

立ちごけをしてしまったときの対応方法です。

①エンジンがかかっていたらまずはキルスイッチを切ります

漏れたガソリンに引火することはまずないと思いますが、何かの拍子にアクセルが開いてしまい過回転になったり、熱くなり続ける排気管で火傷をしないためにもエンジンを止めましょう。

②バイクの下敷きになっていたら注意深く足を抜き怪我の程度をチェックします

こけ方が悪いと骨折したり、捻挫していることがあります。

とくに砂利道だったりすると石が骨にあたって思いがけず足首を痛めていることがあります。

同僚で2年ぐらい前に携帯の電波の届かない有馬ダムの上流の林道で骨折し、電波の届く人里まで自力で押して降りたという例がありますが、普通は骨折してたら助けを待ちましょう。

④後方から車両が迫っていないか確認します。

後ろから車が迫っていたら両手を挙げるなどして知らせます。

万一相手が気づいていなかったら引かれないようにとにかく逃げます

2次災害を防ぐことが第一です。

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【安全を確保してからバイクを引き起こします。】

骨も折れていない、後続車もいないか止まってくれているという安全を確認してからバイクの引き起こしにかかります。

もしも仲間がいたり後続車や対向車から親切な方が降りてくださったらバイクの引き起こしを手伝ってくれるように頼んでみましょう。

日本人は親切というか「他人が喜ぶのを自分の喜びと感じる力がある」のか赤の他人でも頼まれて拒否する人はめったにいません。

もちろんこちらがツーリング中に立ちごけをしている方を見かけたら迷わず助けが必要か聞いて差し上げましょう。

相手が若い女性でなくてもです。

良識ある紳士淑女のリターンライダーとしての心構えですから。

【バイクの引き起こし方】

怪我を負った状態でバイクを引き起こすのは予想外に苦戦します。

普段からバイクの引き起こしを練習しておくことをお勧めします。

エンジンが止まっている状態でもしもギアがニュートラルの位置であるときはチェンジレバーを操作して1速か2速に入れてます。

こうすることでタイヤが動かなくなり、引き起こしやすくなります。

チェンジレバーに手足が届かなければ前輪ブレーキを輪ゴムか何かの紐で軽く縛ります。

普段から丈夫な輪ゴムを持ち歩く人は滅多にいないと思いますので荷物をしばる紐でもなんでも良いです。

コンビニの袋でも紐代わりになります。

靴紐でも代用できます。

女性のヘアバンドでも。

バイクを起こすコツは足を曲げきらずに片足を少し延ばした状態で斜め上に力をかけます。

曲げきらずに少し延ばした状態のときに脚力は最大の力を発生できるからです。

胸と腹をバイクに押し付けて両手は伸ばしきった状態で腕力ではなく脚力で斜め上方に引き上げることが重要です。

もし右側に倒れたのであればサイドスタンドを出してから引き起こすと行き過ぎて反対側に倒れることを防止できます。

また慌てて高温のエンジンやマフラーに触れてしまうと火傷を負ってしまうので注意します。

詳しくはこちらのページで⇒【コツ】倒れたバイクの起こし方(動画付)

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【エンジンがかからない時のチェック項目】

次に倒れたバイクを引き起こしたあとの処置です。

JAFを呼んだり、バイク店に連絡するのは最後の手段としてまずは落ち着きましょう。

【セルが回らない場合】

1.キルスイッチの確認

立ちごけの瞬間に腕などがぶつかってしまいキルスイッチがオフになっていることがよく有ります。

昔のバイクにはキルスイッチなど無かったので我々リターンライダーはその存在を忘れがちです

2.ニュートラルスイッチの確認

サイドスタンドが出たままだとギアがニュートラルに入っていないとエンジンがかからない機構のバイクあります。

CB1100もサイドスタンドを立てたままギアを入れるとエンジンストップして走り出せないようになっています。

ギアをニュートラルに入れてからセルを回してみます。

3.バッテリー上がり

特に劣化したバッテリーでは続けて何度かセルを回しているとすぐにバッテリーが上がってしまいます。

セルは連続して回さずに時間を置いて他の原因を疑って対策してから最小限の回数にします。

下り坂などでは押しがけという最終手段もあります。

⇒バッテリーを長く元気に保つために充電器についてはトリクル充電器をお薦めします。

4.ヒューズ切れ、電装系トラブル

立ちごけのショックで接触が悪くなったり電装系のショートでヒューズが飛んでしまっている可能性も考えられます。

どうしてもセルが回らなかったらヒューズボックスを開けて確認します。

【セルが回る場合】

1.転倒直後はエンジンがかかりにくい

バイクを横倒しにしてしまうとガソリンが満たされていない箇所ができてしまうためにセルは回れど始動しないということが起こります。

そんな時は慌ててセルを回し続けてしまいがちですがバッテリー上がりの心配が出てきます。

なので5秒ほど回しても始動しなければ2~3分間じっと待ってからかけ直すこころの余裕が必要です。

その間にバイクの損傷を確認するなり自分の怪我の手当てをするなりします。

とくにキャブレター車ではいちどガソリンを抜いてからリザーブタンクから供給する必要がある場合もあります。

またバイクによってはアングルセンサーが付いていて転倒するとエンジンが停止するものもあります。

そんな時は一度メインスイッチを切ってリセットする必要があります。

2.プラグの状態を確認

取り付けが不十分なプラグで転倒すると接触不良で火花が飛ばない可能性もあります。

一度プラグコードを抜いてしっかりと差し込んでから再トライしてみます。

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【助けを呼ぶ場合】

JAFを呼んだり、バイク店に連絡するのは最後の手段です。

ただし林道などでは携帯の電波が届かないことが多いのでそんな時は対向車か後続車が来るのを待つのもひとつの手です。

事情を話して電波の届くとこからでの連絡を依頼します。

JAFのロードサービスは、バイクも対象です。

さらに、バイクの所有者名は問いません。

レンタルバイクでも利用できます。

平成16年(2005年)4月、ロードサービス対象車種にバイクを加えて以来、バイクに対するロードサービス実施件数は年々増加しており、平成23年(2011年)度は年間67,941件の実施件数となりました。

またトラブルの内容は、多い順から「バッテリー上がり」「タイヤのパンク」「キー閉じ込み」と続き、この順序はクルマの場合と同じです。

イザというときにはJAFの会員でなくても呼びましょう。

その場で会員になればいいのです。

JAFの電話番号は携帯に登録しておきましょう。

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【自力走行で帰宅する場合】

身体は無傷でもバイクが傷を負っている場合がほとんどです。

まずはミラーのズレを修正します。

ときにはミラーの支柱のボルトが緩んでいる場合もありスパナで締めます。

車種により左右のどちらかのねじの方向が逆ねじの場合があるので注意が必要です。

普段のメンテナンスで確認しておくとあわてずに済みます。

車載工具もいざという時には頼りになります。

ブレーキレバーやクラッチレバーが折れている場合にはとりあえず応急処置で折れたレバーを重ねてタイラップや針金で固定します。

折れて短いままのレバーでの運転は指を痛めてしまいます。

ツワモノは予備のレバーを持ち運んでいると聞いています。

ウィンカーがぶらぶらになったり、カウルが割れたりしていたらとりあえずガムテープで留めましょう。

夜間であればヘッドライトの照射向きをチェックします。

ガムテープとタイラップそれに接着剤はツーリングに必須の常備品です。

【立ちごけの被害を最小にするアイテム】

・小さな傷はステッカーでごまかしましょう。

私の愛車のマフラーの傷は凹みを耐熱接着剤で埋めてからステッカーで誤魔化しています。

タンクが無傷なら我慢しましょう。⇒タンクの交換はアップガレージライダーズなどで中古品を探します。

・エンジンを守るためにエンジンガードもつけています。

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たかが立ちごけでも万一クランクケースにひびが入るとオイルが漏れ出て走行できなくなります。

そこでエンジンを守るためにスライダーという保護具を取り付けてあります。

もともとはレースなどでこけたときにバイクが綺麗に滑っていくためのものですが立ちごけ時はエンジンミッションケースの損傷を防いでくれます。

スライダーを取り付けてからも立ちごけしましたが樹脂の先端が少し削れるだけで大事には至っていません。

正月に転んだときもスライダーのおかげで足首の骨が砕けなかったのだと感謝しています。

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【立ちごけを防ぐには】

どんな場合に立ちごけするか、はずかしながらの実体験や小耳に挟んだ様々なこけ方と対策を上げてみます。

バイクはバランスの乗り物です。

よく言われるように「まっすぐ立っているバイクは指1本でも支えられます

逆にいうと何かの原因で一度傾いてしまうと特に重量級の大型バイクでは力で引き起こすのは大変な重労働です。

私のCB1100でも走っているときにはちょっとしたハンドル操作やアクセル操作で簡単に傾きを補正できるのですが、停まっているときには15度も傾くと両手の力では持ちこたえられません。

したがって極低速や停まっているときの立ちごけは最初にバランスを崩さぬようにすることがもっとも重要です。

左側に立って押している場合

これを立ちごけと呼ぶか押しごけというか分かりませんが、最も多いパターンはまたがっている時というよりは左側に立って押して移動したり支えている時に道路のわずかな段差や小石に乗り上げうっかりバランスを崩してそのままドーンと向こう側(右側)に倒してしまうというものです。

防止するひとつの方法は手前に傾けていわゆる人の字で押す方法です。

腰に車重を預けるようにして前や後ろに押します。⇒大型バイクの取り回し

あるいは「停車するまでは跨ったまま」を基本にするのもひとつのやり方かと思います。

前進する場合はエンジンをかけて停止地点まで進みバックする場合でも極力跨ったままバックさせます。

(フロントサスの反動を使えば意外に簡単)

跨っていれば力のある脚力を使えますので少々左右にバランスを崩しても転倒させるまでにはなかなか至りません。

暗闇でサイドスタンドを立てたら細い溝になっていてスタンドが底につかず左にこけたなど

同様にやわらかい土の中にサイドスタンドがめり込んでこける場合もあります。

あるいはサイドスタンドを最後まで立てずに中途半端でやめてしまうアホな場合もあります。

とくにオイルが切れて動きが硬くなっていると立てたつもりがたっていないことがあります。

また落ち葉や石で足が滑ってしまうこともあります。

対策はサイドスタンドの接地面が平らで硬いことを確認ししっかりとスタンドを立て足を確実に地面に着けます。

赤信号などで止まったときにバイクを支えきれずに倒れてしまう場合

原因としては足が地面に着いたあとでバイクがすこし前進して後方に足が着地した姿勢で力が入らないことが考えられます。

対策としては止まるときにはバイクが完全に止まるまでは足を着かずとまってからしっかりと足を前方に出す習慣をつけます。

ガックンと停止してそのまま倒れる場合

原因は前輪ブレーキを強くかけ過ぎたことにより反動で戻るときにバランスを崩してしまうからと思われます。

バイクの前輪は自転車と違って強力にできています。

最初はじんわりと2段階でレバーを引く感覚が必要です。

また止まる瞬間はブレーキをスッと離すことでフロントサスの沈み込みのない綺麗で安定した停止ができます。

フロントブレーキは指2本がけで十分ですし、特にタンデムの場合などは意識して後輪ブレーキを使うようにします。

安全なフロントブレーキの掛け方

上り坂などで小回りのUターンをしようとした場合

いつもの調子で右足が着くと思っていたら右側が低いために足が届かず力が入らなかった場合です。

しかも低い側に向かって倒れているバイクを引き起こすのはそりゃ大変です。

慣れるまでは平らな所でUターンしましょう。

スタンドの出し忘れ

ありえないと思うかも知れませんが疲労困憊で注意力散漫になっている場合や別のことを一生懸命考えていたり気のゆるみが起きている時に笑ってしまうようなこけ方をすることがあります

バイクにウエアやズボンの裾、足が引っかかる場合

バイクを下車する際にバイクの出っ張り部分や積載している荷物にウエアや足が引っかかり、シートを跨ぎきれずにバランスを失って転倒するということがあります。

引っかかりのないズボンをはくとか下車する際も最後まで気を抜かずに十分に注意しましょう

乗り降りのときにバランスを崩してしまう

バイクは走っているときも止まっているときもハンドルを切った方向とは逆方向に倒れやすくなります。

これを忘れていると単純に降りたり跨ったりするときに倒してしまうことがあります。

たとえば左に下りるならばハンドルを右に切っておけば反対側に倒れるという危険性は少なくなります。

景色に見とれて地面のでこぼこを見逃す場合

ダートの林道で急なカーブを曲がっているときに右側に小さな滝を見つけて見とれていたら地面の穴に気づかずにハンドルを取られてコケテしまったことがあります。

景色を見るなら走りながらではなく止まって見るべきと反省しました。

急な上りの曲がり道で1速から2速にあげるときにギアがすっぽ抜けてしまったとき

運悪く曲がって加速している途中で突然ガス欠になったときも同様です。

トラクションが抜けて加速するつもりが失速していまい転んでしまいます。

ガソリン残量は常に意識しましょう。

ギアチェンジは最後まで確実に!

段差のある駐輪場所(自宅)にバックで入れようとしてバランスを崩す場合

2013年4月に新車でCB1100を購入したその日にやってしまいました。

一般的にはあまり発生しない事象です。

左に倒れてクラッチレバーが折れました。当然ながらこころも折れました。

バックギアのない大型バイクを人力で段差を乗り越えるバックは所詮無理です。

対策は電動ウィンチです。

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【まとめ】

立ちごけのひとつの原因は気の緩みというかボーっとしているときではないかと思います。

しかし乗り始めて何年かたち走行距離が伸びてくると段々と立ちごけやこけそうになってヒヤリとする回数が減ってきます。

これは頭で考えなくとも体が条件反射的にバランスをとるように動くということではないでしょうか。

頭で考える前に体が反応するためには繰り返しバイクに乗ってその感覚を身につけることが最善の方法ではないかと思います。

立ちごけを恐れることなくどんどんバイクに乗りましょう!

【おまけ】

・立ちごけを防止するために自動で出てくる補助輪を製作している会社もあります。

バイクショップRPM