バイクのキープレフトって、どのくらいの左寄りがいいか?

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バイクの免許取得の為にに教習所に行ったことがある方なら「キープレフト」は必ず教わった言葉だと思います。

でも教習所で習ったことが実際の交通社会では合っていないことも多々あります。

普通に見かけるキープレフト走行

2013年の12月に道路交通法が改正され路側帯を走るときに自転車などの軽車両進路左側を走らないと違反になります。

世間のバイクに興味の無い方々の中には自転車とオートバイを同じものと思って、区別なさらない人もたくさんいらっしゃいいます。

そんなこんなで特に新米ライダーと思われる諸兄の中には自転車でも原付でもないのにぴったりと左寄りに走っている姿をしばしば見かけます。

しかしリアルワールドのライディングでは間違いなくオートバイの「極端なキープレフトは危険」と言えます。

【法律上はどうか】

まずは道路交通法第3章第18条を見てみましょうか。

道路交通法

車両(トロリーバスを除く)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあっては道路の左側に寄って、軽車両にあつては道路の左側端に寄って、それぞれ当該道路を通行しなければならない。

やっぱりキープレフトだ!と早合点しないでください。

車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き」と非常にわかりにくく書かれていますが、車両通行帯すなわちセンターラインの有る2車線以上の道路は除きます。

つまりキープレフトしなければならないのは、センターラインの無い道路での義務ということなのです。

というよりトロリーバス(架線から電気を取る電気バス)なんて子供のころ見かけたきりで、少なくとも現在の東京都では走っていません。

たしか国内では長野県と富山県を結ぶ立山黒部アルペンルートにのみ唯一残っています。

昔はよく見かけたトロリーバス

そんな昔の昭和35年に制定された道交法では、当時は舗装道路も珍しくセンターラインの無い細い道が多かった時代ですので日本では左側走行が基本ですよ、ということです。

したがって法律上は対向を含めて2車線以上の道路でセンターラインが描かれていたらむやみやたらにキープレフトする必要は全くないと言えます。

尚、アメリカは右側走行で日本は左側走行という意味でのキープレフト・キープライトとここで言っている道路の左端ギリギリを走るとういうキープレフトは意味が異なります。

世界では圧倒的に右側走行が多いですが、日本はおそらくイギリスを見習ったのだと思います。

赤が右側走行、青が左側走行の国

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【安全上はどうか】

次のような理由でキープレフトは危険であると断言できます。

出会いがしらの衝突・・・街中で左側の視界の悪い道路から突然飛び出す車や子供や自転車やボールや猫などをよける距離や時間余裕がありません。

また相手側からしても路肩から離れた中央を走っているバイクの方が走ってきたよというアピール度も高く視界的にもバイクの姿が良く見えます。

いわゆる出会い頭の衝突を防ぐためにもキープレフトはやめましょう。

②車のドライバーにとっては斜め後方はミラーの死角になっていて、ウインカーを出し忘れて急に左折する車に巻き込まれる確率がグーンと上がります。

また急停車されて危うく追突しそうになることもあります。

少なくとも車内のバックミラーにバイクの姿が映る位置を走りましょう。

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また逆にバイクにも死角があります。

キープレフトで左端を走っていて斜め右後方の死角に車がいるのに気付かずに出会いがしらの衝突を避けようと右へ急回避するのは非常に危険です。

レーンを移動する場合もふくめて必ず首を回して自分の目で確認しましょう。

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新潟県警察HPより

ちなみに私は右ミラーの死角を減らすために補助ミラーをつけています。

補助ミラーのおかげで何度か命拾いしました。

また一度などピッタリ死角に張りついて追従している白バイにも気付くことができました。

右ミラーの補助ミラー

③左端を周囲の車速に合わせて適切な車間距離で走っていても、後続の四輪車に右側から無理な追い越しを掛けられることがしばしば発生します。

バイクのことを知らないドライバーの方は原付であろうと大型であろうとバイクは全て左に寄って走るのが当たり前と考えるかたが結構多く、当たり前に追い越すものだと思われています。

また左に寄っていると「お先にどうぞ」の意味に勘違いされることもあります。

ライダーにとってはヒヤッとする行為です。

友人は幅寄せに頭にきて、ボディを蹴とばしたことがあるそうです。

なので無理な追い越しをさせないためにも、乱暴なドライバーに危険行為を増長させないためにも、公道では車と同様に正々堂々と真ん中を走るべきなのです。

④道路は雨の水はけを良くするように中央が盛り上がって左右は低くかまぼこ状になっていて両端には水を流す溝があります。

このため路側帯に近い所ほど枯葉やゴミ、砂、排水、時には釘や金属片が自然にたまるようになっています。

キープレフトを意識して左に寄りすぎると砂や枯葉、路肩の段差でタイヤを滑らせてしまったり、運が悪ければ落ちていたなどでタイヤをパンクさせてしまう可能性があります。

CB1100に乗り始めたころ、実際に2回後輪がパンクしましたが路肩をなるべく走らないようにしてからは4年以上パンクしていません。

ほとんどの場合、前輪ではなく後輪がパンクしますが、これは寝ていた釘を前輪が跳ねて空中を舞って落下し、運悪く立った釘を後輪が引いてしまうからだと言われています。

このように、一旦公道へ出てしまったら、教習所で教わったことがすべて正しいとは限りません。

教習所では教えなければいけないことが昔のまま根強く残っているように思います。

免許を取ったらキープレフトは忘れよう!です。

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【具体的に道路のどの辺を走るか】

人命の安全を最優先した場合に定量的に(数値で言って)道路のどこを走れば良いのでしょうか?

民間の安全講習会の教官との雑談で聞いた「道路の左端から1mぐらいの内側」が良いかと思います。

一般的な道路の幅が2.5mとすると真ん中よりちょっと(20cm~30cm)左寄りです。

こんな感じかな?(最後尾の1台)

そうすれば左からの急な飛び出しにも対応しやすいし、自転車が左端を走っていても安全に追い抜けるし、後続の車に無理やり割り込まれることもないし、前方の車の死角に入ることもないし、で滑ったり釘でパンクする危険も少ないからです。

道路の真ん中はヒビがはいっていることがよくあるし、動物が引かれた死骸もグロテスクにコンモリと内蔵が飛び出ているのは大抵真ん中あたりにあります。

またわだち(車のタイヤの通った後でへこんでいるところ)は左右に移動すると凸凹していたり、がたまって濡れていたりして滑りやすくなっているところもあります。

なので中央と左側のわだちの間ぐらい、センターより微妙に左側が一番走りやすくて安全と言えます。

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【例外】

原付バイクの場合は制限速度が30km/hなので、制限速度が30km/Hr以上の公道では左に寄らざるをえません。

他の一般車両の走行の邪魔にならないように左を走るしかありません。

・マスツーリングでの配列はチドリが基本です。⇒マススーリングでは千鳥走行

これは集団の列が長すぎて信号で分断されないためにも役立ちます。

でもワインディングではチドリにこだわらず各自のライン取りで走ります。

・特に左右にクネクネするワインディング走行ではあまりセンターラインぎりぎりを走ると万一の対向車との衝突の際に悲惨な大事故になります。

曲がって視界の悪いところに限って対向車が遠心力に負けてセンターラインをはみ出してくることがあります。

なのでワインディングでのライン取りは「向き変え」のテクニックを使い、特に対向車線側への前方視界を広げる走り方をお奨めします。→【実践】安全に早く走るためのライン取り

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・救急車、消防車などの緊急車両がサイレンを鳴らして走っている場合はもちろん路肩によって、必要に応じて停止します。

必要に応じてというのは赤ランプを見たら急停車するのではなく、前後の車の移動のことも考えてという意味です。

落ち葉がいっぱいの秋の林道雪解け時期の林道を走る時

こうした時はたいていワダチの部分が落ち葉も路面凍結も無いことが多いのでワダチを選んで走行します。→2016年最初の奥武蔵グリーンラインと上谷の大クス

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ホワイトベース二宮祥平さんもキープレフトについて考え直しておられます

30分以上の長い雑談の中で話しています。

2:20辺りからです。結論は9:30辺りからです。

武蔵村山市ではタヌキが飛び出してくるそうです。

「俺はキープレフトをやめるぞぉぉおジョジョぉおおお!」

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