【納得】大型バイク・低速での小旋回(小回り)のコツと原理

2015年1月からスタートしました。

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ここでいう低速での小旋回とはいわゆる教習所で苦労したクランク、S字など普通に街中でも見られる状況でのバイクの運転テクニックを対象としています。

レースやダート林道などでの特殊な走行は除外して考えています。

教習所のコースはほとんどが低速での小旋回の練習場だと言えます。つまりとても重要なテクニックなんです。

4輪の車ではどんなに低速でもハンドルを切るだけでその車の構造上幾何学的に決まっている最小回転半径までは誰でも簡単に小回りができます。

一方、2輪のバイクではハンドル操作だけで小回りしようとするとバランスを崩して立ちごけしてしまう可能性があります。

車と違ってバイクの旋回ではハンドル操作に加えて体重の掛け方、視線の持って行き方など身体全体を使う必要があると言えます。

また旋廻中のバイクが傾いた状態での加速・減速操作も挙動に大きく影響を与えます。

ライディングテクニックの習得がバイクの醍醐味のひとつでもありますが、小旋回が苦手な人は多いのではないでしょうか。

天性の運動神経に恵まれていて誰にも教わらずともいとも簡単に出来る人も中にはいるでしょう。

しかし何度か立ちごけしながらコツを覚えていくという方々がほとんどだと思います。

そして立ちごけの恐怖からなかなかトライ&エラーによる習得が難しいのではないかと思っています。

そこでなるべく短時間安全にマスターできるように、巷で言われている低速での小旋回のコツについてなるべくその作動原理から解説していきたいと思います。

私自身もホンダのCB1100で8万7千キロ走った今では、免許取り立ての時よりは多少上手になったとは思いますが、当然のことながら白バイのお巡りさんの境地にはなかなか達することができません。

まだ修行中の身ですので皆さんからのアドバイスをお待ちしています。⇒「いわゆるリターンライダーです」についてのコメント(投稿・閲覧)

【曲がる直前に逆ハンを切る】

自転車での逆ハンの練習

逆ハンなんて言うとプロのレーサーが使うような高度なテクニックのように聞こえるかもしれません。

実は自転車に乗れる皆さんは無意識のうちに使っているワザです。

初めて自転車の練習をした時を思い出してください。

右へ左へとフラフラしながら何かの拍子で偶然曲がる時のコツを身につけたことと思います。

右へ曲がる際の前輪の軌跡のイメージを図で描くとこんな感じです。

右へ曲がる直前に一瞬だけ左にハンドルを切ればいいだけです。

【原理】

一瞬左に僅かにハンドルを切ると下の図の左側のように黄色の矢印の方向に遠心力が働きます。

遠心力はどんなに時間が短くても遅れることなく同時に発生します。

するとバイクは右に傾きます。

この状態からこんどは右にハンドルを切ることで容易に右旋回が出来ます。

逆にバイクがまっすぐな状態からいきなりハンドルを右に切るとバイクは左に傾いてしまいます。

右に曲がりたいのに左に傾いてしまうので曲がりにくいわけです。

先日奥多摩湖でのばくおん二輪車交通安全合同キャンペーンでお会いできたホワイトベースの二宮祥平さんの小旋回の解説動画を紹介します。

【視線を回転中心に向ける】

バイクは不思議なもので路面の障害物を見つめているとイヤだと思っているのにそちらに近づいて行ってしまいます。

このように身体全体で操作するバイクにとっては視線の動きが結構重要です。

曲がる時は視線(顔)を曲がる方向に向けるのが鉄則です。

【原理】

ライディングテクニックの解説本などに良く書かれていますがハンドルを切る時には肩のラインをハンドルと平行にすることが大切です。

腰をひねって肩をハンドルと平行にすると自然に上半身がイン側に傾きリーンインの姿勢になります。

そしてこれらの旋回時に理想的な上半身の動きを生みだす方法として、視線を回転中心に向け首を回して顔をイン側に向けることがキッカケになります。

無意識にそうすることが多いのですが、小旋回が苦手と感じる方は意識して視線を回転中心に向けることを試してみてください。

ただし横を向いても顔の軸は地面に垂直にすることを忘れないように。

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【リアブレーキでスピードをコントロールする】

教習所で一本橋の練習をするときに教官から教わったことを思い出してください。

私の場合は「視線は遠くを見て、アクセルは一定でリアブレーキをジワッと掛けて操作しながらハンドルを小刻みに左右に動かす」と教わりました。

このようにリアブレーキをかけながら走ることでバイクは安定し、ハンドル操作でコントロールしやすくなります。

【原理】

ハンドル操作だけで曲がる四輪車と違って、バイクではハンドルを切った状態での加速・減速がバイクの挙動に大きく影響します。

たとえばワインディングでは曲がりの後半に加速することでバイクは垂直に起き上がります。

フロントブレーキはリアブレーキに比べると非常に鋭敏に反応します。

またエンジンのトルクも僅かなアクセル操作で瞬時に反応します。

なのでアクセル操作とフロントブレーキで加減速を制御するのは非常に難しいテクニックになります。

そこで逆にアクセルを一定に開いておいてリアブレーキだけで加減速を制御すれば比較的簡単にコントロールできます。

また微妙なアクセル開度に気をつける必要が無くなりますのでハンドル操作に集中することも出来ます。

手よりも足の方が鈍感な気がしますがリアブレーキの効きはもっと鈍感なので小旋回が思い通り出来るようになります。

動画の方が分かりやすいかもしれませんのでこちらも二宮祥平さんの小旋回の解説動画を紹介します。

【立ちあがってリーンアウトの姿勢をとる】

バランス棒遊びでは短い棒より長い棒の方が簡単に手の上に立てることが出来ます。

これは棒の慣性マスが長さの2乗に比例して大きくなるからです。

バイクの場合に人が立ち上がると倒れる方向に対する全体の慣性マスが大きくなり倒れに対する動きが鈍感になります。

教習所の教官がこれ見よがしに曲芸のような極低速での運転テクニックを披露することが有ります。

極端なリーンアウトです。

この場合には立ちあがっていわゆるV字バランス姿勢を取っていたと思います。

これも立ち上がることで慣性マスを大きくすることが一役買っています。

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BikeBrossのホームページライテク実践講座より

車体の傾きとは反対方向に上体をずらすことで安定させる、いわゆる「V字バランス」。

極低速ターンなどに有効で、ステップワークを使います。

ハンドル位置が高いネイキッドやオフ車では、スタンディングのほうがバランスを取りやすい場合があります。

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V字バランスは曲がりたい方向にバイクを大きく傾けることができ、タイヤの内外輪差によってより曲がりやすくなります。

バイクは体重移動で曲がる

アウト側の接触部の直径イン側の接触部の直径

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【バイクの前のほうに座る】

バイクは体重移動で曲がるのページでも述べたことです。

極低速で小回りしたい時はお尻の位置を前にずらせます。

こうすることでバイクの重心点とライダーの重心点の位置のずれが小さくなり慣性モーメントが小さくなるので廻りやすくなります。

さらに上半身をいつもより前傾させてアウト側の腕が伸び切らないようにしておきます。

他にもエンジンの回転が上がらないようにギアをハイ気味にすること。

これは車体の角度変化を阻害するジャイロ効果を少なくする為です。

さらにリーンアウトの姿勢をとると小回りしやすくなります。

リーンアウトはバイクがよりイン側に倒れた状態になるので同じハンドル舵角でも小さい回転半径で曲がるからです。

低速でもバイクを倒した方がよいと言われる理由はコレです。

上記の一つ一つの効果はそれほどないかもしれませんが、全てを同時に行うとかなりはっきりと曲がりやくすなる効果を実感できます。

逆に体重の重心を後ろにするとカーブもストレートも安定した走りになります。

【外側のステップに体重をかける】

これもワインディング走行のテクニックとしてよく言われていることですが、外側のステップに体重をかけるのが基本です。 体重を掛けるというよりも外足の膝をタンクに当てることで人馬一体になり身体が安定します。

【原理】

人にも作用反作用の力が働きますので外足でステップに力を加えると反作用として人の重心はイン側に移動します。

この体重移動が旋回の際にリーンインを誘導しやすくなるためと思います。

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