【拡散希望】国内バイク業界の状況と「三ない運動」の功罪~ライダーに告ぐ

2015年1月からスタートしました。

ご訪問ありがとうございます

<(_ _*)>

何故バイクは社会から敵視されるのか。

若い方も含めてすべてのライダーに知っておいて欲しい!内容です。

数年前に25年ぶりにリターンライダーとなって最初に衝撃を受けたのが若者のバイク離れです。

バイクってこんなに楽しい乗り物なのに、高速のPAやメジャーなツーリングルートの道の駅でヘルメットを取ると現れる顔は白髪や(私のような)禿のおっさんばかり・・・

初めてのこのホームページを立ち上げようと思った瞬間も実はそこにあります。

もう大分昔の話になっていまいましたが「バイクの三ない運動」の影響がいまだに根強く残っているような気がします。

三ない運動とはバイクを禁止「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」という高校PTAの全国的な運動です。

もちろんバイク以外の、例えばスマホの普及(アプリのゲームや金銭的にも)や草食男子の増加などもバイク低迷の原因かもしれませんが・・・

2輪業界の厳しい状況と、ここ30年程度の「三ない運動」についてチョイと調べてみました。

【このページの目次】

国内バイク業界の状況・・・待ったなしの状態に追い込まれています。

バイクの登録台数の減少とすざましい高齢化

新規購入の排気量

バイクの利用頻度

バイクの三ない運動の功罪・・・高校側の言い分もわからなくはないですが。

教育者としてどうなんだろう?

文明の利器は人類の特権

親から子へ伝えられる偏見の連鎖

総論賛成・各論反対

二輪車教育の大切さ

乗ってみないとわからないバイクの魅力

総括・・・我々ライダーにできること。

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国内バイク業界の状況

【バイクの登録台数減少とすざましい高齢化】

いまや日本のオートバイ業界は待ったなしの状態に追い込まれています。

私が社会に出たころの30年チョイ前はHY戦争といって業界1位のONDAをAMAHAが追い越そうとして新車発売の猛攻撃をかけた時代でした。

毎週のように新車が発表されたバイクの全盛期でした。

Hondaがトップの座を守りぬいて収束したように記憶しています。

当時は原付はヘルメットを推奨されてはいましたが、ノーヘルでもOKのゆるい規制の時代でした。

日本自動車工業会の調査部会・二輪車分科会が2013年に報告した資料を見ると新車の登録台数は確実に低下してきました。

バイクの三ない運動という社会全体の風潮が大きく影響していると考えられます。

長期減少傾向は「三ない運動」が形の上では崩壊したにもかかわらず、現在も依然として続いています。

日本自動車工業会 調査部会・二輪車分科会

さらにライダーの年齢層は今や50歳代がもっとも多く若者が減っていることが明らかです。

10年前には40歳代がピークだったことから同じ年齢層が毎年バイク業界を支えていることがわかります。

ここ数年間のライダー比率をみると明らかに高齢化が急速に進んでいます。

2013年は50代を「50代」「60代」「70歳以上」の3区分に分けてありますが、全体の約6割50代以上になっていることがわかります。

2015年現在では平均年齢が52歳にまで達しているという友人から聞いた未確認情報もあります。

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【新規購入の排気量】

購入されたバイクの排気量を見てみると圧倒的に50cc以下の原付が多いことがわかります。

原付以上の排気量を一番購入しているのが30代で、それより若くても高齢でも原付が多くなっています。

女性も同じ傾向ですがほとんどが原付を購入されています。

数年間の変化を見てもあまり変化は無いようです。

250cc以下の小型バイクが95%程度占めています。

400~750ccがもっとも少なくて全体の1%、ナナハン以上のいわゆる大型車の方が2~3%売れているのは、金銭的に余裕のでたリターンライダーの増加によるものと思います。

昔は高嶺の花だったハーレーやBMWにドヤ顔で乗っているのは殆どが高齢のライダーです。

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【バイクの利用頻度】

皆さんがどの程度頻繁にバイクに乗っているのか気になりますが、乗る方は週のうちほぼ毎日乗っているようです。

走行距離は月あたり500km以下、年間で6000km以下の方が7割程度占めています。

調査対象が原付の台数が圧倒的に多いので高速道路を乗らないからこんなものかと思われます。

排気量を250cc以上に絞って調査すると走行距離はもっと多いかと思います。→ 年間2万キロも乗っている人もいます。

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バイクの三ない運動の功罪

ある程度の年配の方は三ない運動は名前ぐらいはご存知だと思います。

バイクは「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」という全国的な運動です。

ウィキペディアで調べてみると、三ない運動といわれるものは色々あり

非核三原則として核兵器を「作らない」「持たない」「持ち込ませない」

・公職選挙法で禁止されている寄付行為に関して「贈らない」「求めない」「受け取らない」

暴力団を「利用しない」「恐れない」「金を出さない」

飲酒運転防止のため「乗らない」「飲まない」「飲ませない」

嫌煙家の「(煙草を)吸わない」「(酒を)飲まない」「(博打を)打たない」

有害図書(エロ本)を青少年に「見せない」「売らない」青少年は「読まない」

などを思い浮かべる方もいるかもしれません。

年配のリターンライダーの事故増加を憂いて

「限界を試さない」「すりぬけない」「張り合わない」

という方もいらっしゃいます。

ナイナイづくし、日本人はたくさん禁止されるのが好きな民族なのでしょうか?

バイクの三ない運動は1970年代に愛知県で始まった運動が全国に広がったとされていて、1982年全国高等学校PTA連合会決議文として全国で推進することが決まりました。

社会的な背景としては1970年代後半からのバイクブームによる事故暴走族増加によりバイクが社会から否定される存在となってしまったことが運動を助長しました。

しかし

①16歳以上であれば法律(道交法)で免許取得が権利として認められていること。

②公共交通機関が未整備な地域では二輪車は有効で合理的な交通手段となること。

特に地方での赤字路線の廃線が深刻な問題となりバイク通学の必要性が上がりました。

③禁止するよりは適正な指導を行った方が良いという意見が専門家から提唱され、納得する方々が増えたこと。

などから1997年には全国高等学校PTA連合会においても「三ない運動」を「全国決議文」よりも効力の薄い「宣言文」へと転換。

さらに、2012年の全国高等学校PTA連合会大会で「宣言文」もなくなり、代わりに今後は自転車や歩行者での立場も含めたマナーアップ運動に衣替えすることが発表され、「三ない運動」は大きな方向転換を迎えることになりました。決議文でなくなったことから各都道府県の教育委員会では独自に設定できるようになったと言われています。

ちなみに①については1991年の東京地裁で「3ない運動は違憲」という判例が出されています。

三ない運動は違憲

1991年5月27日には、東京地方裁判所により、「三ない運動」が違憲であるとの民事判決が出される。

これは、校則に反して自動二輪免許を取得したことを理由に退学処分を受けた元高校生が、本人の当時通っていた東京都葛飾区の私立修徳高等学校に損害賠償を請求した訴訟である。

判決内容は、「校則は違憲ならびに道路交通法に対する違法であり、校長に懲戒裁量権の乱用があった」とされ、被告の高校側に対して、東京地裁から賠償命令が出された。

1994年5月に福島県で、バイクを運転中の高校生が生徒指導教員の取締りの車に追われて逃走中に事故死した事件が問題となり運動に対する社会的批判が一層高まることとなりました。

こうして高等学校のPTA主体の3ない運動は崩壊しました。

しかしその風習が無くなったのか?と言えば全くと言っていいほど無くなっていません。

30年以上たった今でもまだ高校で原動機付き自転車の免許を取得することが事実上禁止されている所が圧倒的に多いのが現状です。

2015年現在で全国の約6割の高等学校でバイクが禁止されているとのことです。

例えば埼玉県の教育委員会では2016年の今日現在でもこのようなPRを積極的に行っています。

彩の国埼玉県教育委員会パンフレット(H27年)

中身を覗いてみると、一理あるように思うかもしれません。

すべてに本気でとりくみ、熱い感動を体験して欲しいと本当に思います。

しかし命を奪うような事故に会わないための教育、例えば慎重な予知予測運転の大切さ、身を守るプロテクターの必要性、賠償責任のための保険の重要性、事故確率を減らすための事故事例などを教えるという方向性を何故打ち出さないのでしょうか?

上部組織である全国高等学校PTA連合会がせっかく打ち出したマナーアップ運動に衣替えの方針との矛盾はどう理解したらよいのでしょうか?

東京地裁が1991年に校則での免許禁止は憲法違反であり道交法にも違反であると判決したことは無視してよいものなのでしょうか?

WHY????

埼玉県には世界一のオートバイメーカーホンダの2輪の研究所があったはず(埼玉県朝霞市)。

なので、税金だっていっぱい納めているはず。

そんな埼玉県ですら・・・いわんや、地方の他県をや

このホームページを積極的にご覧になるライダーの皆様にはわざわざ説明する必要はないかも知れません。

なぜならおそらく多くのライダーはおそらくは親御さんや奥さんなどの家族の猛反対に会い、説得したりあるいは強引に押し切ってバイクを手にしているのではないかと思うからです。

なのでいまだに「バイクは危険だから乗ってはいけない」と思い込んでいる方が何かの間違いでこのホームページにたどり着くことを願っています。

以下バイクへの偏見について思うことをまとめてみました。

バイクなんてとんでもないと思われている方は、「へぇ~そんな意見もあるのか」というぐらいの軽い気持ちで読んでみてください。

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【教育者としてどうなんだろう?】

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2013年に日本自動車工業会の池史彦会長が定例会見で、高校教育で行われている二輪車の「3ない運動」について「思考停止している」と批判しました。

本田技研工業の会長でもある池会長は

「思い起こせば、3ない運動が起きた頃は、ある種メーカーが仕掛けたこともあるが、二輪車のブームで360万台が道路にはびこって、若い人たちがどんどん乗った。

そんな中で暴走族というネガティブな人たちがでてきたことで悪いイメージが植えつけられた。

それをなんとかしようという教育や親御さんたちの時代背景はわからないことはない」

理解を示しました。

しかし一方で「高校生の事故はないということだけだが、在学中の3年間の事故が減っているというだけで、将来自動車に乗るときはどうだということは思考停止していて危機感を感じる」といった主張です。

バイクを全面的に禁止にし「うちは高校生のバイク事故がゼロ!」と誇らしげにドヤ顔で自慢するのは「危ないから三年間だけはバイクに乗るな!」と言ってるようなもの。

自分たちの監督責任がなくなる卒業後になってから危ない目に遭っても関係ないと言ってるように私には受け取れます。

国は認めてるのに、こんな無責任って教育といえるのでしょうか?

確かにしっかり教育するのは非常に大変で禁止してしまうのが楽なのはよ~くわかりますが!

バイクを禁止している高校ではおおむね入学時に「退学になっても文句は言いません」という誓約書を書かされるそうです。

たかが先生と思想が違うというだけで退学させられた高校生は本当に気の毒です。

いわゆる「見せしめ教育」の例ではないでしょうか?

まじめに勉強して、悪事を働いたわけでもなく、他人を傷つけたわけでもなく、違法でもないのに、人生を狂わせるような厳しい退学処分って教育にそぐわないなと一人の親として憤りすら感じます。

学校って未熟で将来のある子どもを教育するところですよね。

わが子をそんな学校には預けたくない!と思う方も多いと思います。

ホンダの創立者の本田宗一郎さんは著書『私の手が語る』にて「教育の名の下に高校生からバイクを取り上げるのではなく、バイクに乗る際のルールや危険性を十分に教えるのが学校教育ではないのか」と嘆いていました。

本田宗一郎さんはバイクの会社としてもうけるために売るだけではなく交通安全普及本部やレインボーモータースクール(白バイも教える自動車教習所)を作るなどして安全なバイクの普及に尽力しました。

買って喜び、売ってよろこび、作って喜ぶ」というのが社是の変わった会社です。

警察主催の全国白バイ競技大会も本田宗一郎さんの考えが原点にありホンダの鈴鹿サーキットから始まりました。

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【文明の利器は人類の特権】

バイクは確かに危険性を持った乗り物です。

同じように包丁も鉛筆を削るナイフガス電気も使い方を間違えると人命を奪うほど危険です。

は火事になるかも知れず危険だといって加熱調理してはいけないと考える人がいるでしょうか?

殺傷目的の兵器とは違ってバイクは身近で便利な役立つ機械です。

そもそも生物の進化の中でサルが二足歩行して余った手で道具を使うことで脳が発達したと習ったではありませんか?

車もバイクも高度に進化した人類のみが扱えるものです。

(動物園のおサルの電車やサーカスで自転車に乗る熊等は除きます)

なので大げさに言えばバイクの否定は人類の進化の否定?

高度な道具であるだけにしっかり教育をするべきで、一番危ないのは自覚のない危険な運転です。

なぜ飲酒運転がいけないのかに始まり、なぜヘルメットが必要であご紐が重要なのか、なぜ停止時には左足をつくのか、なぜ車の斜め後方を走ってはいけないのか、どういった状況で事故が起こりやすいか・・・などをしっかりと学んで少しでも事故の危険性を減らすことが大切だと思います。

教育もせずに若者が事故を起こすと「ほら見ろ!やっぱりバイクは危ないじゃないか!」っていうのはどうなの?って思います。

実際に3ない運動が無くなってから授業の一環として交通ルールについて高校生に教える高校(→バイク通学を初めて認めた徳島県の生光学園中学校・高等学校など)も増えてきており、原付の死傷者数は年を追うごとに減っています。

2014年の死傷者数は1万台あたり0.4人にまで減りました。10年前の半分以下です。

ちなみに自動車の死傷者数は1万台あたり0.5人とバイクより多いのです。

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【親から子へ伝えられる偏見の連鎖】

三つ子の魂、百までも」といいますが、子供のころに身についてしまった価値観はよほどのことが無い限り一生涯消えないものだと思います。

大阪方面などに残っている同和問題、アジアの隣国の反日感情、財産を奪うような新興宗教への入信・・・子供時代に影響を受ける理不尽なそういった習慣は残念ながらあちこちに残っています。

かつて会社の同僚が数名でマスツーリングを楽しんだことがあったそうです。

田舎の古びた旅館に泊まったときに、囲炉裏を囲んでくつろいでいると年配の女将がやってきて「みんな更正して立派な社会人になって良かった」と涙ぐんで言ったそうです。

バイクで来ただけで全員が昔は暴走族やっと更正しまともになったと勘違いされたそうです。

笑うに笑えない悲しい現実です。

30年以上続いてきた「三ない運動」の中でで多感な中高生時代をすごした世代は「二輪車は危険な乗り物である」というイメージを強く持っています。

さらに彼らが30、40、50才代の親世代となり、幼稚園の保母さんや小中学校の先生になった時には知らず知らずのうちに子供たちに影響力をもちます。

自分が正しいと信じているのですから、無意識のうちに園児や生徒にバイクが不良化や悪であるといったことをイメージさせる教育をしてしまうのはしかたがないのかも知れません。

さらに残念なことに「三ない運動」の方向転換(禁止から教育へ)の事実が一般市民、中高生の親ともにほとんど認知されていない現状があります。

自身が中高生であった時代に「二輪車は危険だから乗ってはいけない」という教育を受け、さらに二輪車を敵視した結果、その利点楽しみも知らずに大人になった世代の意識を変えるのが困難であることは想像に難くありません。

その結果中高生の状況についても、地域によっては親の時代よりもさらに「二輪車に乗ってはいけない」という規制が強まっている傾向があるそうです。

→参考:日本自動車工業会 二輪車市場動向調査報告書

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【総論賛成・各論反対】

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「大切なわが子」

「三ない運動」が禁止からマナー教育へ方向転換された情報だけを知っている理性的な親御さんの中には「うちの子だけは別」という考えの方も多数いらっしゃいます。

周りの人に聞いてみてください。おそらく8割ぐらいの親はそうではないでしょうか?

この傾向は特に運転経験の少ない女性層で顕著であり、方向転換には総論では賛成であるものの自身の子どもが二輪車を運転することについては反対というい母親の抵抗感は強いと言われています。

またいわゆるモンスターペアレントと呼ばれる極端な子供の溺愛が社会問題となる時代です。

学校で禁止してくれれば自分の子どもに乗ってはダメと言える」という母親が学校に訴える例も多いそうです。

埼玉県の教育委員会もきっときっかけは親御さんなんだと勝手に推測しています。

でも良い傾向だと思う興味深い統計がありました。

中高生自身がバイクを乗りたいかどうかです。

これによれば男の子の場合は約4割もがすぐにでも乗りたい、将来は乗るかもしれないと肯定的です。

にもかかわらず若者のバイク離れが進んでいるのは親御さんからの許可が下りないことが最大の原因ではないかと思います。

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【二輪車教育の大切さ】

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全日本交通安全協会の教材

中高生時代から二輪車に興味を持つ活動を続けていくことは実際に高校時代に二輪車の免許を取得し利用をするかどうかは別として重要なことだと思います。

これにより

・二輪車に乗る意識を高めておくことで卒業後に二輪車に乗った場合の事故の確率を大きく削減できる。

・仮に四輪免許を取得して自動車を運転するようになった場合には二輪車の特性をよく理解しているので対二輪車との事故を起こしにくくなる。

・現在若者にとって距離のある「二輪車」をより親しみのある乗り物として認知してもらうことでツーリングの喜びを味わうなど本人の人生が豊かになる。しらないで一生を終えるなんてもったいない!

・結果的にバイク人口も自ずと増えて業界が活性化するとバイクの種類が増えて各人がもっとも安全に乗れる車種も増え、量産効果により価格も下がる好循環のスパイラルが始まる。

が期待できます。

暴走族が目立っていたころに東京都の奥多摩周遊道路では毎年数名のライダーが無謀な走行をして命を落としていました。

しかし警視庁主催の奥多摩湖で行われる2輪車交通安全キャンペーンなどが効果を現したと思われます。

2015年に東京都の区市町村でバイク事故の死者がゼロとなったのは唯一東京都桧原村だけです。

免許の更新に鴻巣・警察運転免許センターに行ったときに教官が強調していました。→【注意】青切符と赤切符をもらわないために

桧原村はあの奥多摩周遊道路のあるところです。

取り締まりだけでない安全運転教育キャンペーンのおかげだと思います。

グーグルマップ⇒奥多摩周遊道路&奥武蔵グリーンライン

教えることは非常に労力のいる大変なことですが、そうした立場にある方々のご健闘を祈ります。

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【乗ってみないとわからないバイクの魅力】

日本自動車工業会 二輪車市場動向調査報告書によれば二輪車の魅力を知ったユーザーは、継続して二輪車に乗ることも明らかになっています。

一度も乗ったことが無い人はその価値も危険性も本当には理解できないのだと思います。

バイクとはそんなに危険な乗り物なのか?

もちろん違法改造や交通法違反、危ない運転をすれば危険だということはわかります。

しかし一度でもバイクに乗れば、普通にマナーを守って安全運転をする限りではそんなに危険なものではないと実感できます。

確かに車のように鉄の箱に守られていないバイクは事故の際の負傷は大きいです。

しかし近年では事故の確立1万人あたり0.4人車の0.5人よりも下回っています。

なので、ヘルメットだけでなく胸部、背中などのプロテクターを着けることが望まれます。

リターンライダーの死亡事故増加についてより

特に頭部と胸部をしっかりガードすれば死亡事故の3/4ぐらいは助かる可能性があります。

若い方を中心とした新規ユーザーの取り込みのためには、「二輪車は楽しい乗り物である」ことをプロテクターを着けて実際に乗ってもらい、実感してもらうことが一番の近道だと思います。

二輪車に対して興味を持つ方々は、二輪車の利便性とともに運転する楽しみ爽快感を強く感じており、これらは乗る前の期待よりも実際に乗ってみた後の満足感の方が高いことから推測できます。

今後中高生に、より二輪車への興味を高めてもらうためには「実際に二輪車に乗ってみる」「運転してみる」「二輪車を楽しんでいる人たちとの接点を増やす」などの機会が少しでも増えることを望みます。

われわれリターンライダーができることは安全に格好よくバイクを乗りこなし、若者が興味をそそがれたり、憧れるような姿を見せることぐらいでしょうか。

調査対象サンプル数10415、有効回収率54.4%、有効サンプル数5669のユーザー調査では、現在バイクに乗っている人は今後も二輪車に乗り続けたが88%で、09年(92%)、前回(87%)とやや減少または横ばい傾向でありますが、ほぼ9割が継続して乗りたいと考えているのがわかります。

とにかく一度は乗ってもらうことが必要だと思います。

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総括

【行政の事情】

バイクの三ない運動については、長年にわたり行政と教育会での対立があったようです。

日本国政府はもともと「三ない運動」に批判的でした。

1971年に当時の総理府交通安全対策室はアメリカ合衆国で高等学校の正課授業において実施されているDriver Education(運転者教育)を手本に、日本の高校にも自動車の運転に関する教育を取り入れることを提案しています。

また文部省(当時)も、学習指導要領に存在しない「三ない運動」を容認しない立場から1980年代になると、交通安全教育を管轄する体育局において高校生のオートバイ利用に対応した交通安全指導書の整備を積極的に図るようなり、1989年9月高校の正課授業において将来的に運転免許証取得に関する科目を導入する構想を発表しています。

さらに都道府県の動きとして例えば神奈川県では、1990年4月に「かながわ新運動」を提案し、高校生を「車社会の一員」であると規定した上で生徒に対する免許取得や運転への規制の全面的撤廃、免許取得者に対する県警の実技講習会「ヤングライダースクール」への参加促進、学校での交通安全教育の体系化推進、そして生徒の免許取得実態の把握などを推進しています。

行政税収増加や条令を決める議員の得票数にも繋がる産業の発展を比較的重要視しますので、二輪業界や裾野の広い関連企業を育てる意味での対応と考えることも出来ます。

【教育現場の事情】

一方高校の教育現場からすれば大切な生徒が毎年のようにバイク事故で亡くなったり、後遺症に苦しむ姿は耐えられないことでしょう。

もちろん残された親御さんクラスメートの精神的ダメージの大きさも考えるでしょう。

また暴走族として逮捕者などが出てしまうと学校の評判が悪化し、翌年からの入学希望者が激減して定員割れしたり、生徒の質が落ち偏差値も落ちていく負の連鎖を起こす危険があります。

世間体を気にする学校としては容認できないことでしょうし、ものごとを悲観的に考えるタイプの先生は最悪廃校になるかと心配するかも知れません。

さらに私立高校ではスポンサーである親御さんからのバイク反対の強いプレッシャーもあることでしょう。

かつては「親にだけはばらさないで」と生徒に頼まれて、暴走行為等で担任の教師が授業が終わってから警察に身柄を引き取りに行くなんて事もざらに有ったようです。

高校側からすればバイクを全面的に禁止したいという考えがでるのは、自分も3人の親ですので気持ちは少しは理解できます。

【法律上の規制】

ヘルメット内臓スピーカーで音楽聞きながらは違反なの?で紹介しましたが2015年には自転車への罰則が強化されました。

まじめに生きている一般の方は法律での規制に非常に敏感で過剰反応します。

個人的にはなんでもかんでも禁止すりゃいい!じゃなく正しい教育を受けて、自分で考える方が本当は事故防止の効果があるのに・・・って思います。

繰り返しになりますが、バイクは間違いなく合法的な乗り物です!

日本国内であれば16歳以上で免許を取ればよく、それ以外の規制はありません。

法律が全てでないことは言うまでもありませんが高校生のバイクは憲法で保証され、道交法で守られています。

【ライダーができること】

箱根ターンパイクにて

危険な乗り物であるから乗ることには反対」という意識を変えていくのに我々ライダーができることは何なのか?

それは、バイクに興味のない若者たちや「三ない運動」で教育されてきた世代の方々に手本を見せること!

自身が身を引き締めて交通マナーの手本を示し、安全に、楽しく利用している姿を見せ続けることではないかと思います。

たとえば、いったん停止では確実に止まって安全確認する、歩行者を優先に道を譲る、無理なすり抜けをしない、憂さ晴らしの為に速度違反などの無謀運転をしない・・・・

当たり前のことかもしれませんが。

バイクは単なる機械、扱う人間次第で良くも悪くもなります。

マナーの良い健全なライダーが増えることで、教育会の先生方やバイクに眉をひそめる親御さん方の偏見が無くなり見方も変わってくると期待しています。

老い先短い我々ですが、リターンライダーの同志の皆さん!自分や家族の為にも、若者ライダーの為にも周囲の冷たい視線にめげることなく、頑張ってバイクに乗り続け、模範運転をしましょう!

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