2-1村長の異変を解明せよ!

全員:おじゃましまーす!

マサミ(GM):おー、いらっしゃい。揃って来たんか?

ユリカ:バラバラに来てもお邪魔かと思いまして。

サツキ:ハナダで待ち合わせてきたんです。

メル:道覚えてなかったから、オーカについてきたの。

オーカ:そんな感じ。それと、今日はみんなでお菓子も買ってきたんだ!

マサミ(GM):えー、ええのにそんなん。お小遣いから出すのもしんどいやろ?

オーカ:バトルの賞金、結構貯まって使い道ないから……。

サツキ:同じく。

カルミン:いいなぁ。こっちは年中金欠だよ……。

マサミ(GM):まぁ、自分の好きなの食べたいだろうからなぁ。今度から小遣いやるから、それで買っといで。

サツキ:そんな、悪いですよ。GMまでやってもらっているのに。

ユリカ:手みやげくらいは持って来させてくださいな。お仕事の合間を縫わせているのですから。

マサミ(GM):はぁ~……おいカルミン、お嬢ちゃんたちをちったぁ見習ったらどうなんや。

カルミン:え、なにが?

マサミ(GM):その礼儀のなってなさをや! ……まぁいい。さて、成長をさせて行こうか。経験点は1240点とそれぞれの1ゾロ回数×50点な。報酬は4110Gやで。

オーカ:一人頭822Gですね。

サツキ:……前も思ってたんだけどさ。オーカもマサミ(GM)さんも、ダメージ計算とかも暗算でやってない……?

マサミ(GM):だっていちいち書くの面倒やし。

オーカ:このくらいの暗算はできますよ?

カルミン:さすが、オーキドの血筋。

~成長中~

全員:できたー!

マサミ(GM):ん。それじゃ順に紹介してくれ。

カルミン:俺から行くぜ! クロムウェル・カーマイン。上がった能力は精神力。これでボーナスが3になった。で、ファイター2に、それからエンハンサーを取った。練技はキャッツアイな。

サツキ:全然当てられなかったもんねぇ……。

カルミン:そうなんだよ……。まぁこれで、命中力5は保証されるし。回復とかはサツキがやってくれるから俺はエンハンサーにMPガンガン使っても問題ないからな。上手く使っていくよ。買い物は特になし。以上。

エンハンサー……かたくなるとかめいそうとかの補助技が使える技能。便利。

クロムウェル・カーマイン 18歳♂ PL/カルミン

ナイトメア(人間生まれ)/戦士 身長177cm

能力値ダイス:技7 体15 心8 A6 B9 C4 D2 E6 F9

最終能力値:器用度13 敏捷度16 筋力19 生命力17 知力14 精神力18

生命抵抗力4 精神抵抗力5 HP23 MP21

保有経験点:290

所持名誉点:15

合計名誉点:15

冒険者技能:ファイター2 プリースト/ル=ロウド1 スカウト1 エンハンサー1

戦闘特技:必殺攻撃

修得練技:キャッツアイ

装備:ブロードソード、ハードレザー、ラウンドシールド

アクセサリー:聖印、バンダナ

所持品:冒険者セット、スカウト用ツール、保存食(7日分)

所持金:887G

前回なかなか活躍できなかった主人公候補。

しかし中級者としてメンバーを引っ張っていた分、リーダーとしての活躍は十分。

サツキ:この前の順番だと、あたしかな? アザレア・セイレーニア。成長した能力は筋力。プリーストを3に上げて、特技で魔法誘導を取りました。これでフォースが飛ばせるから、戦闘にも参加できるよ!

カルミン:魔法って強いんだよなぁ。ダメージ素通しだから。

ユリカ:前回回復しかしてないものね。他にできることが増えたのはいいことですわ。

サツキ:ふふふ、ここからが本番だよ。で、ソフトレザーを売ってハードレザーを買いました。本当は前回から買うつもりだったんだけど、筋力足りなかったんだよね。

オーカ:このパーティ、僕以外みんな金属鎧が身につけられるんですよね。固くなりそうですね。

マサミ(GM):恐ろしい話やなぁ。

サツキ:それからギリギリまで使って魔香草を7つ買いました。結局前5個使ってるし……これでも足りるか不安だけど……。

オーカ:魔法は消耗が激しいんですよねえ……。

サツキ:補助だけでも大忙しだもんね。というわけで、あたしからは以上です。

アザレア・セイレーニア 18歳♀ PL/サツキ

人間/神官 身長160cm

能力値ダイス:技4 体8 心9 A12 B7 C4 D6 E10 F7

最終能力値:器用度16 敏捷度11 筋力13 生命力14 知力19 精神力16

生命抵抗力5 精神抵抗力5 HP23 MP25

保有経験点:290

所持名誉点:15

合計名誉点:15

冒険者技能:プリースト/ル=ロウド3 レンジャー1

戦闘特技:魔法拡大/数、魔法誘導

装備:ハードレザー、ラウンドシールド

アクセサリー:聖印

所持品:冒険者セット、テント(4人用)、救命草×2、魔香草×7

所持金:63G

パーティの生命線。

幼なじみのクロには強気に絡んでいるが、基本は姉御肌ないいお姉さん。攻撃も飛ぶようになりますます強力になった。

オーカ:では、オフィーリア・オークリデアですが。上がったのは知力、そしてコンジャラーを2に上げました。買ったのは三点魔晶石が二つです。

ユリカ:補助を先に取ったのね。

オーカ:はい。ファナティシズムがあればかなり前衛が当てやすくなるかと思って。元々、そんなに避ける人たちじゃないですから。このままコンジャラーを3に上げて、次は魔法拡大/数を取るつもりです。攻撃に回る余裕ができるのは多分その後でしょうね。

オフィーリア・オークリデア 15歳(外見年齢:12歳)♀ PL/オーカ

エルフ/魔術師 身長148cm

能力値ダイス:技10 体3 心13 A3 B9 C1 D4 E5 F9

最終能力値:器用度13 敏捷度19 筋力4 生命力7 知力19 精神力22

生命抵抗力3 精神抵抗力5 HP13 MP31

保有経験点:790

所持名誉点:15

合計名誉点:15

冒険者技能:ソーサラー1 コンジャラー2 セージ1

戦闘特技:魔法誘導

修得言語:魔動機文明語

装備:メイジスタッフ、クロスアーマー

所持品:冒険者セット、食器セット×5、調理器具セット、羽根ペン、インク、羊皮紙、ぬいぐるみ(小)、手鏡、魔晶石(3点)×3

所持金:497G

補助に大活躍のコンジャラー。魔法拡大がなくてやや効率は悪目だが強力。

強気で自信過剰だが、大成長とはなるか?

ユリカ:リリー・メイデン。上がった能力は生命力。シューターを3にあげて、武器習熟/ボウを取りました。そして剛力の指輪を購入。これにより、ボーナスがブレイク。武器習熟と併せて追加ダメージが7ですわ!

メル:あ、メルクリウス越された。

サツキ:す、すごい……。

ユリカ:ピンゾロ以外で9ダメージは確保できますわ。命中力も6あるから、期待値で回避13までは当てますし。

オーカ:さすが、ドワーフですね。

サツキ:……期待値?

オーカ:サイコロを二つ振った合計で、7は1/6と一番出やすいんです。これを期待値と言うんですね。逆に1ゾロや6ゾロは1/36で出にくい数になるんです。確率計算上ですが。

サツキ:オーカ頭いいねぇ……。

ユリカ:あなた、もう少し勉強もなさい。

サツキ:でもそんなに確率低いのに、あたしたち前回何回だした?

メル:一人一回は大体出した。誰かさんは……

ユリカ:やかましい。そうそう、弓は24本買いました。

メル:最終的に矢切らしてたものね。

ユリカ:もう石は投げたくないわ……。

リリー・メイデン 20歳(外見年齢:10歳)♀ PL/ユリカ

ドワーフ/射手 身長142cm

能力値ダイス:技6 体8 心6 A16 B4 C9 D10 E6 F8

最終能力値:器用度22 敏捷度10 筋力17+1 生命力19 知力12 精神力14

生命抵抗力6 精神抵抗力5 HP28 MP14

保有経験点:440

所持名誉点:15

合計名誉点:15

冒険者技能:シューター3 スカウト2

戦闘特技:精密射撃、武器習熟/ボウ

装備:ヘビーボウ、ハードレザー

アクセサリー:矢筒、ピアス、剛力の指輪

所持品:冒険者セット、スカウト用ツール、弓矢(24本)、羽根ペン、インク、白紙の本(日記)、礼服、ランタン、油、火縄壷、保存食(7日分)、ストーン(たくさん)

所持金:317G

安定した命中力を誇る最年長。ただし、ピンゾロ率はかなり高め。

技能が全てBテーブルなため、成長速度がかなり早い。

メル:メルクリウス・バーン。知力が上がって、ファイターを3に上げたわ。それで防具習熟/金属鎧を取って、9点まで止めるようになった。

マサミ(GM):うわぁ。

メル:買い物はライトメイスとラウンドシールドを売ってヘビーメイスとカイトシールドを購入。これで回避ペナルティがなくなったな。あとはロングマントを買った。

カルミン:あれ、タワーシールドじゃないんだ。

メル:別にそっちでもよかったんだけどね。あんまり硬くなって、敵がびっくりするくらい強くなられても困るから。これ以降はしばらく防具のために貯金になるかしらね。

マサミ(GM):それ以上硬くならんでもええぞー。

メルクリウス・バーン 18歳♂ PL/メル

リルドラケン/戦士 身長221cm

能力値ダイス:技5 体14 心6 A6 B2 C10 D14 E5 F5

最終能力値:器用度11 敏捷度7 筋力24 生命力28 知力12 精神力11

生命抵抗力7 精神抵抗力4 HP37 MP11

保有経験点:240

所持名誉点:15

合計名誉点:15

冒険者技能:ファイター3 エンハンサー1

戦闘特技:かばう、防具習熟/金属鎧

修得練技:ビートルスキン

装備:ヘビーメイス、チェインメイル、カイトシールド

アクセサリー:ロングマント(フード付き)

所持品:冒険者セット、保存食(7日分)

所持金:72G

頼りになりすぎる要塞。

彼のせいで敵のレベルが釣り上げられているが、それでも大したダメージを受けていない。

マサミ(GM):(物理で行っても庇われてろくな手応えないし……。この辺の敵にしていくかなー)さて、それじゃ始めようか。

全員:よろしくおねがいしまーす!

<神隠しの噂話>

マサミ(GM):さて、前回の依頼から三日が経った。生活費を減らしてくれ。

サツキ:……生活費?

カルミン:SWだと日を跨いだり、宿に泊まったりしたときに生活費を払わないといけないんだ。普通に考えたら当たり前なんだけどさ。

メル:……わたし、あと72G

サツキ:あたし63G……。

マサミ(GM):でもリリー以外は実家住まいやから、多少生活費は抑えられるはずやで。実家住まいなら質素な暮らしで一日10G、そこそこの暮らしで30Gやな。

サツキ:質素な生活をするしか……。というか、神官だし、そんなに裕福な生活してないよね多分。

カルミン:そうだなぁ。特にアザレアとクロは、拾われた下っ端だろうし。

サツキ:うーん、一日15Gで、45G減らそうかな。

カルミン:俺もそれでいいや。

メル:どうせ質素な生活も鍛錬のうち。30G減らすわ。

カルミン:メルクリウス、ストイックだなぁ。

メル:でもすごくお腹すいた。

サツキ:強がりなんだ(笑)

オーカ:オフィーリアは90Gです。切り詰めるなんて無理です。ほしいものはいっぱいありますから!

ユリカ:わたしだけ、嵩むのよねぇ。素泊まりって、ご飯入らないの……。

マサミ(GM):まぁ、宿屋と生活費足して計算してくれ。

ユリカ:……やはり貴族、ここをけちるわけには行きませんわ。部屋はスタンダード、生活費は20Gで150G減らします。ついでに、アドミランに前回払えなかった恋人探しの依頼料100Gも支払いますわね。

マサミ(GM):はいはい。さて、三日後の朝やけど、なにしてる?

カルミン:店で仕事探してるんじゃないかなぁ。暇だし、こう、どかーんと大きな仕事やりたいって。

サツキ:それについてきてるかな。

メル:メルもいるでしょうね。

オーカ:それを見て、わたしの出番ですね! と割り込みます。

サツキ:オフィーリア、結構ぶっとんでるよね……(笑)

オーカ:末娘ですから。

ユリカ/リリー:なら、全員が揃っているのを見て声をかけるわ。「今、話せるだろうか」

カルミン/クロ:「ん? いいぞ。どうせやることもないしな」

オーカ/フィー:「あ、あっちの席空いてますよー」たたたっと走っていきます。

ユリカ/リリー:全員座ったのを待って、リリーは話すわ。「実は、折り入って頼みがある。私と共に来てはくれないだろうか」

サツキ/アザレア:「なんだい、いきなり……」

カルミン/クロ:「いや、断りはしねーよ。正直リリーほど当てられる奴いないしな」

メル/メル:「一体、どういう事情だ。話してみるといい、協力しよう」

ユリカ/リリー:「ありがとう。……私は、旅立ったまま行方の知れない恋人を探しているのだ」

サツキ/アザレア:「なるほど。つまり……」

ユリカ/リリー:「協力をしてくれないか。以前は護衛を雇って旅をしていたのだが、私自身が冒険者となった方が効率がいいと思ったのだ。それでも、共に来てくれる者がいなければ動くのも難しい」

オーカ/フィー:「恋人さんが行方不明だなんて……わたし、もちろんお手伝いします! 未来の大ウィザードにお任せください!」

メル/メル:「私は己を鍛えることにのみ興味のある者。協力することに異存はない」

サツキ/アザレア:「それは大変だったね。もちろん、あたしも協力するさ。なぁ、クロ?」

カルミン/クロ:「……それはもちろん、このメンバーでパーティを組みたいってことだよな? 俺も、みんなも、お前の護衛でも従者でもない。お前に協力する代わりに、お前も協力してくれるんだよな」

ユリカ/リリー:「無論、そのつもりだ」

カルミン/クロ:「よし。それじゃあ俺たちはこれからチームだ! 仲良くやろうぜ!」

サツキ:……そういえば、別に約束してたわけじゃないんだよね。

ユリカ:どうせ頼まないといけないし、ちょうどいいかと思って。

カルミン:うんうん、こういうRPは大事だと思うぜ! ありがとな。

マサミ(GM)/アドミラン:さて、お前たちの話がひと段落したところでアドミランがやってくる。「話は終わったか」

カルミン/クロ:「ん? なに、てんちょー」

マサミ(GM)/アドミラン:「メイデンが情報収集の依頼をしていただろう。それとは関係がないが、”神隠し”絡みの仕事があってな。やらないかと聞きに来た」

ユリカ/リリー:「神隠しとは、どういうことだ?」

マサミ(GM)/アドミラン:「ザルツ地方には、昔から神隠しの噂があった。冒険者が忽然と、死んだとも生きてるとも情報なく消えることがな。どうせどこかで死んだんだろうとの話だが、不自然だからと冒険者の店では語られている話がある」

カルミン/クロ:「ふぅん……それで、依頼って?」

マサミ(GM)/アドミラン:「近くにある村からだ。村長が数日前”神隠し”に遭ったんだが、”戻ってきた”らしい」

サツキ/アザレア:「戻ってきた? 神隠しから?」

オーカ/フィー:「そういう文献もありますよ。戻ってきたのに、何故依頼を?」

マサミ(GM)/アドミラン:「話はここからだ。戻ってきてから、どうも”別人のようになった”という」

カルミン:(あっ)

マサミ(GM)/アドミラン:(気付いたな?)「そこで、村長になにがあったのか、調査してほしいという依頼だ。報酬は一人1000G。急いでほしいという話だ。受けるか」

カルミン/クロ:「ああ、いいぜ。ちょうど仕事がほしかったんだ!」

ユリカ/リリー:「行こう。神隠しというのは気になる」

マサミ(GM)/アドミラン:「わかった。村までの地図はこれだ。歩いて3時間ほどで着く」そう言って、アドミランは地図と、白鳩の卵亭のエンブレムを人数分渡してカウンターに戻るで。エンブレムは、卵に白い羽の生えたものやな。

サツキ/アザレア:「どうも」アドミランさんぶっきらぼうなのに、エンブレムかわいいね……。

カルミン:GM、行く前に追加で買いものしていいか。

マサミ(GM):ん、ええよ。

カルミン:(絶対アレだよなぁ、これ。メルがいるから魔法ぶち込んで来るに違いないし、ポーションあたりも買っておこうか)

マサミ(GM):(経験者は察しがよくっていいもんやー)

カルミン:救命草が2つ、魔香草が3つ、ヒーリングポーションを4つ買った。救命草と魔香草をアザレアに、ヒーリングポーションは2つをメルに渡す。

メル:受け取る。これ、わたしが持っていていいのか?

カルミン:ポーションは戦闘中に回復できるものなんだ。回復追いつかなくなったら使ってくれ。

サツキ:魔香草ばっかり10個あるよ……まぁ使うんだろうけど。

マサミ(GM):さて、場面移そうか。

<村長の異変>

マサミ(GM):フレデリアから3時間歩いたところで、小さな村が見えてくる。広大な敷地が耕されていることから農村であるとわかるだろう。ここは辺境の町フレデリアからもっと離れた、端の端にあるモッド村や。川が近いから、おいしい野菜が採れることでも知られているな。

カルミン:そこまで来ると、守りの剣の力もなさそうだな。

サツキ:守りの剣?

カルミン:国や町には守りの剣っていうものが置かれててさ。それのおかげで蛮族は基本剣の力が届く範囲には入ってこないんだ。

マサミ(GM):剣のかけらって前回あったやろ。あれは守りの剣の燃料みたいなもんやねん。

オーカ:それで、兄さん。依頼主の家は?

マサミ(GM):ふむ。もらった地図の通りに行けば、すぐに着くで。

サツキ/アザレア:「ごめんください。白鳩の卵亭から参ったものですが」

マサミ(GM)/フィクサー:「はーい、ただいま……。お待ちしておりました、冒険者のみなさん。どうぞお入りください」

中から出てきたのは、人の良さそうな男性や。名前をフィクサーと言う。自己紹介をしたあと彼は、みんなにお茶を入れてくれるで。

オーカ:大人しく椅子に座って待っていますね。

メル:メルの座れる大きさの椅子ってなさそうだから、立っているわ。天井が低いと思いながら。

カルミン:人間だけの村なら、天井は確かに低そうだな。

マサミ(GM)/フィクサー:せやな。この村は人間だけやから低いやろうな。「申し訳ありません、リルドラケンの方を家に入れることはあまりないもので……」

メル/メル:「構わない。これも鍛錬の内だ」

カルミン/クロ:「それで、村長の様子がおかしいって聞いて来たんだけど、どういうことなんだ?」

サツキ/アザレア:「敬語くらい使いなよ、馬鹿」

マサミ(GM)/フィクサー:「お気になさらず。……ええ、そのことなのですが……。村長が、祭りの準備のために森の祠を見に行ったきり、一日帰らなかったことがありました。それが三日前なのですが……」

オーカ/フィー:「それきり、様子がおかしいと」

マサミ(GM)/フィクサー:「はい。まるで別人のようなのです。昔の話を覚えていなかったり、言葉遣いが変わってしまったり……それだけなら、病気を疑いもするのですが」

ユリカ/リリー:「それ以外にも?」

マサミ(GM)/フィクサー:「昨日くらいから、村長の家族の様子もおかしいのです……。依頼を出したのは村長が戻ってきてすぐのことですが、これはいささか、異常だと思いまして」

ユリカ/リリー:「確かに。一家揃ってとなると、奇妙だな」

サツキ/アザレア:「村長さんの家族って、何人いるんですか?」

マサミ(GM)/フィクサー:「村長も含めて、4人……ですが、今一緒に暮らしているのは、妻と娘の3人です」

オーカ/フィー:「……あと一人は?」

マサミ(GM)/フィクサー:「私です。今は一人立ちして、家を出ていますから」

カルミン/クロ:「……なるほど、それは心配だな」

マサミ(GM):ちなみに、他にフィクサーが話してくれることは以下の通り。

・祭りは明日行われる。

・森の中にはティダン様の祠があり、豊作を願うために祭りでは村全体で森の中に詣りに行く。

・けれど、それ以外では絶対に近寄らない。

「村長がこのままでは、祭りを行うにも不安があります。どうか、お願いできますか」

カルミン/クロ:「任せてくれ! なんとかやってみるよ! ……ただ」

マサミ(GM)/フィクサー:「ただ?」

カルミン/クロ:「どんな結果が出ても、覚悟だけはしていてほしい」

マサミ(GM)/フィクサー:「…………」

カルミン/クロ:「最善は尽くします。それじゃあ」と言って、クロは家を出るよ。

サツキ/アザレア:「ちょっ……クロ! すみません、失礼します」慌てて追いかけます。

オーカ:僕も出ます。……なんであんなことを?

カルミン:うーん、一応、保険? 俺的にはわりと確信あるんだけど、メタな話するわけにはいかないし。とりあえず村の人に話聞こうぜ。

ユリカ:……? そうね。GM、近くに人は?

マサミ(GM):井戸端会議中のおばちゃんたちとか、そこらへんで遊んでる子供たちとか、畑仕事しとるおっちゃんとかがおるよ。

ユリカ/リリー:ではおばさまたちに話を聞きましょう。「失礼、少々お話を聞きたいのだが」

マサミ(GM)/おばさん:「あらっ、見かけない子ね。かわいい~、なぁに?」

オーカ:…………。

マサミ(GM):待って! そんな引いた顔しないで!

カルミン:TRPGじゃ男が女を演じるなんてよくあるよ。メルだってPCは男だろ? そんな顔してやるなって……。

オーカ:…………。

マサミ(GM):ぐすん……。

ユリカ/リリー:……続けるわよ? 「私たちはこの村の祭りに興味を持ち立ち寄った者だ。祭りでは、森に入ると聞いたのだが、どのようなことをするのだ?」

マサミ(GM)/おばさん:「森の中にティダン様の祠があるの。そこに村人全員で豊作のお祈りをするのよ」「でもねぇ、それ以外じゃ近寄らないのよね」「そうそう、神隠しに遭っちゃうから」

サツキ/アザレア:「神隠し?」

マサミ(GM)/おばさん:「昔からね、森には神隠しの噂があるの。だから、それを治めてもらうためにもティダン様の祠は森にあると言われているのよ」「なのに最近、村長が森に行く仕事言いつけてくるのよね」「そう! うちの旦那も言われたわ! 行く必要なんてないのに!」

カルミン/クロ:「行く必要ないのに……」

マサミ(GM)/おばさん:「ほんと、三日くらい前からよ。ちょっと様子がおかしい気もするし、心配だわ」

サツキ/アザレア:「なるほど……ありがとうございました」礼をして離れるよ。

オーカ:一度森を調べた方がいいのでは?

ユリカ:森で神隠しの噂があるのに、言いつけてくるなんて、妙よね。

メル:そっち調べた方がわかりやすそうね。

カルミン:うーん、そうだなぁ。じゃあ森に行くか。距離ってどのくらい?

マサミ(GM):1時間そこらで行けるよ。今は……11時くらいかな。

カルミン:行って帰ってきても1時くらいか。行く前に村長の顔見てっていい?

マサミ(GM):ええよ。フィクサーが教えてくれてたってことで……村長の家の前で村人と話している様子が見える。おそらくそいつが村長だろう、50代ほどの男性や。目つきは悪く、村人の話を面倒くさそうに聞いておる。それに村人はどこか当惑しているみたいやな。

サツキ:別人みたい……って言ってたもんね。じゃあ、それを確認して森に向かいます。

+++

マサミ(GM):森は鬱蒼としていて、そして荘厳な雰囲気を纏っている。たしかにこれなら、神隠しの噂が立つのもわかるだろう。一本、道のように踏み固められた道を君たちは行く。さて、探索判定してみようか、目標値は10や。

ユリカ:15が出たわ。

カルミン:俺は10だな。

メル:わたしも10。

マサミ(GM):なら、三人はわかっただろう。道の端に誰かが倒れている様子が見える。その人間の心臓は何者かにくり貫かれており、死後から数日経っているのか腐り始めているように見える。だが、それでも顔の判別はついてしまった――……それは、村長そのものだったのだ。

そのことに気付いてしまった三人はSANチェックや!

カルミン:39成功です!

サツキ:わからないネタを仕込んでこないで!

SANチェック……みんな大好きクトゥルフ神話。異様な光景を見ると正気度(SAN値)が減っていき、最終的には死ぬ。作者はまだ神様に会ったことがない。

カルミン/クロ:「おい、これ……村長じゃないか?」

メル/メル:「そうだな。だとしたら、さっき見たあれはなんだ?」

ユリカ/リリー:「わからん。何者かが成り代わっているのか……?」

マサミ(GM):そこで魔物知識判定をどうぞ。

オーカ:これ、探索判定成功してなくてもいいの?

マサミ(GM):他の三人の言葉で気付いたってことで、やってええよ。

オーカ:6ゾロ出た

マサミ(GM):強いなー……弱点までわかるだろうな。これをやったのは、レッサーオーガだとフィーには確信できる。

オーカ:レッサーオーガ……わっ、心臓を食べた人族に化けられる!?

メル:しかも魔法使えるぞ……困ったな、苦手なのに。

サツキ:だから、いっぱい回復道具買い込んでたの?

カルミン:うん、まぁな……。

オーカ/フィー:「これは……レッサーオーガの仕業に間違いありません。でもどうして、村長に成り代わって村に?」

ユリカ/リリー:「森に行かせようとしていたというし、なにかまだあるかもしれない。行ってみよう」

サツキ/アザレア:「待って、この人……弔ってあげよう」

カルミン/クロ:「そうだな、埋葬しよう」GM、村長だとわかるような装飾品ってなにかないか?

マサミ(GM):せやな……左手の薬指に指輪がはまっとる。レッサーオーガには意味がわからなくて持っていかなかったみたいや。

カルミン:なら、それを証拠に持って帰る。

サツキ/アザレア:「汝、大いなる風と共にあらんことを」祈ります。

ユリカ/リリー:「終わったか。先を見てみよう」先に進むけれど、なにかある?

マサミ(GM):森を30分ほど歩いていくと、祠があるだろう拓けたところに出る。だが、ぱっと見では祠を確認することは出来なかった。何故なら――そこには、彫刻なのか、生きた人なのかわからない、人間の石像が多くあったからだ。

サツキ:え……っ!?

カルミン:これは、予想外だったな……。

ユリカ/リリー:「なんだ、これは!?」

マサミ(GM):さぁ、そこで危機感知判定をしてもらおうか!

ユリカ:一番高いのはわたしの10だけど……。

マサミ(GM):ほう……残念だったな! 不意打ちをさせてもらうで。メルにアイスボルト! 達成値は13!

メル:高っ。11、届かない。

マサミ(GM):ダメージは10。さらに、3ラウンドメルの防護点が-2されるで!

メル:うわぁ、ダメージが大きい……。

マサミ(GM):さらにもう一体は10m前進して髪の蛇で攻撃や。前におるんは……誰や?

カルミン:多分、俺とメルが一番前で、真ん中にリリーがいて、その後ろに後衛だろ。

マサミ(GM):じゃあ、クロとメルな~……命中13、避けてくれ。

カルミン:9、無理!

メル:あ、6ゾロ。

マサミ(GM):そんじゃクロにダメージが8。さらに毒を生命抵抗で12や!

カルミン:それは耐えた! ひぃーきっつ。

■1ラウンド

マサミ(GM):魔物知識判定どうぞ。二体分な。

オーカ/フィー:一回目が12、二回目が14……「あれはメデューサとゴブリンシャーマンです!」

カルミン:また面倒なのが来たぁ~……。

サツキ:メデューサって……あれ?

カルミン:あれ。

メル:ようはやればいいんだろう、やれば。

サツキ/アザレア:「気をつけなよ、二人とも!」まずはフィールド・プロテクション!

オーカ/フィー:「相手はそれなりにやる妖精使いです。覚悟してくださいね!」メルさんにプロテクション!

メル/メル:「すまない。魔法はどうも苦手だ」目の前のメデューサに殴りかかる。……ピンゾロ振った。

サツキ:せっかくかっこいいのに!

カルミン/クロ:「おいおいどうした、メデューサの目にやられたのか?」俺もメデューサに殴る。達成値低い! 9!

ユリカ/リリー:「どいつもこいつも……」達成値不意うち含めて13、ダメージは10と7で22!

マサミ(GM):げっ、3分の2持ってかれた!?

ユリカ/リリー:「しっかりしないか。大して強くもないぞ!」

サツキ:ユリカかっこいい~~!

マサミ(GM):く……メデューサの石化の瞳発動! 全員精神抵抗力目標11で振れ! もちろん不意打ちは込みだからな。

カルミン:やりっ、6ゾロ!

メル:出るわけないんだぞそんな数字。

ユリカ:こっちも失敗しましたわ。

マサミ(GM):メルもリリーも敏捷を-6してくれ。どっちかが0になると石化するからな。

メル/メル:「くっ、体が……!?」下半身固まったんだぞ。

カルミン:敏捷7だもんな……。

ユリカ/リリー:「はやくこいつをしとめなければ……!」わたしも10しかないのよ、固まっちゃう!

■2ラウンド

マサミ(GM):愉快愉快。ゴブリンシャーマンはメデューサの回復をする。13か、まずまずやな。

ユリカ:せっかく削ったのに……!

マサミ(GM):そしてメデューサは前衛二人に攻撃するで。命中は13。

カルミン:いちたりない……

メル:避けるのはまぼろし。

マサミ(GM):クロに12、メルに9のダメージと、達成値12の毒をプレゼントや!

カルミン:毒もいちたりなーい! 残り11!

メル:生命抵抗なら余裕だな。防護点は減って足されて変わってないから……あ、全部弾いたぞ

マサミ(GM):魔法で削るしかないんかやっぱり……。

サツキ:こっちの手番! ひとまずクロとメルを回復するよ。8回復して!

オーカ:さらにクロにファナティシズムです! メデューサはこのターンでリリーとメルに任せて、クロは奥のゴブリンシャーマンを何とかした方がいいと思います!

カルミン/クロ:ファナティあっても当たるかな(汗)「俺は奥のやつをなんとかしてくる! そいつしとめとけよ、メル!」

メル/メル:「努力する」メデューサに攻撃達成値は14で当たって、ダメージが14!

ユリカ:畳みかけるわ、達成値13、ダメージも13!

マサミ(GM):く、それでやられた。

カルミン:ゴブリンシャーマンに達成値やった出目高い17! 必殺攻撃でダメージ9!

■3ラウンド

マサミ(GM):メルとクロに二倍拡大カオスショット! 達成値は15や!

カルミン:むーりーだって! 12!

メル:13!

マサミ(GM):あ、回った

カルミン:ちょっ!?

マサミ(GM):メルに11と9で24。クロに14どかーん!

メル/メル:「……私でなければ即死だった」13残ったからいける。

カルミン:回んなくてほんとよかっっった!!! この恨み晴らさいでか! 必殺攻撃達成値15、ダメージ回った! 14!!

ユリカ:これでとどめよ、達成値15、ダメージ……低い! 9で残した!?

マサミ(GM):いや、それで倒れた。

一同:やった――――!!??

メル:回復、回復して死んじゃう

サツキ:クロとメルに一回目が10、二回目がピンゾロ、三回目が9!

マサミ(GM):……MP1足りてなくないか?

サツキ:二回目のあとに魔香草焚きました!! 残りMP4です!!

カルミン/クロ:「や、やばかったな……」

メル/メル:「ああ……一瞬本当にやられるかと思った……」……ところで、石化の瞳の効果っていつ切れるの?

マサミ(GM):教会で解いてもらわんと難しいな。石化解くのは7レベの神聖魔法やし。

ユリカ:ええっ!? わたしは後衛だからいいけど、メルは……。

メル/メル:「……しかし、この体ではまともに動けんな。次に魔法を使ってくるのが来たら、わたしはもう動けないぞ」

カルミン/クロ:「ああ……。お前はよくがんばったよ。リリーも。お前たちがいなかったらダメだったなあれは……」

オーカ/フィー:「わたしにも感謝してください! 攻撃を当てられたのはわたしのおかげですよ!」

カルミン/クロ:「あはは、そうだな。ありがとうフィー」

メル:で、回復は大丈夫?

サツキ:わーん、魔香草焚きまくるから待っててー。4つ使ってほぼ全快! もう5個しか残ってないよ……。次はレンジャー上げないと。

カルミン:ごめん……ほんと、早めにプリースト上げるからさ……。

ユリカ:レンジャー、もう一人取っていたほうが余裕出るかもね。次はそうするわ。

オーカ:じゃあ、動けないメルさんたちの代わりに戦利品漁っておきますね。メデューサ3でゴブリンシャーマンが10……極端な……。

マサミ(GM):んじゃ、メデューサの毒蛇と豪華な宝飾品1D分プレゼント。

オーカ:やった、5個手に入れました! 2500G!

カルミン:でかした!

オーカ/フィー:「なんだかこのゴブリンたくさん宝石を持ってましたよ! 高く売れそうです!」

マサミ(GM):それから、フィーはゴブリンシャーマンの荷物から書簡を見つける。

オーカ/フィー:「それから、書簡も……」また書簡?

マサミ(GM):汎用蛮族語で書いてあって、フィーには読めない。でもこの書式には心当たりがありそうだ。セージレベル+知力ボーナスで目標12で振ってみて。

オーカ:10です……。

マサミ(GM):うん、じゃうまく思い出せんかったな。

カルミン:アイデアロール? うーん、なんだろう。またアドミランに見せるか。

サツキ/アザレア:「それで、どうする? ここの現場については教会に報告するとしても……村長が蛮族だなんてさ。そのまま報告しても信じてもらえないよ?」

メル/メル:「それに、ここにいたやつらと石像が気になるな。見た限り、このあたりに住んでいるようには見えないし」

ユリカ/リリー:「村長がやたらと森に人を送ろうとしていて、この石像があって……この蛮族たちは、あの村の人を丸ごと石にするつもりだったんじゃないか?」

オーカ/フィー:「石に? なんだってそんなことを!」

ユリカ/リリー:「それは、わからないが……元からこいつらが住んでいたなら、こんなところに祠は建てない。状況を見ると、意図的に石像に変えていたように見える」

カルミン/クロ:「ああ、それは俺も思う。そして間違いなく言えるのは、明日の祭りを決行させたらいけないってことだ」

サツキ/アザレア:「でも、どうするの? フィクサーさんにそのまま話すの?」

カルミン/クロ:「蛮族だって証拠を見せればいいんだろ、簡単だ」

サツキ/アザレア:「……バニッシュを撃つの?」

カルミン/クロ:「撃つ」人化は18時間までしか連続して使えない。朝10時から人の形をしていても、朝4時には戻る。しかもここは農村だ、朝はもっと早いだろ。

サツキ:人化が解けているのを確認してから、ってこと?

オーカ:メルが家が小さくて窮屈、って言ってましたよね。レッサーオーガもリルドラケンとさほど大きさの変わらない種族。家が窮屈で普段はしない音もするかと思います。

メル:そうだな。蛮族であることを証明することは簡単だ。

ユリカ:でも、それをするのはフィクサーに説明してからの方がいいわ。覚悟をさせてからでないと、混乱させるわよ。だって、次の村長彼でしょう?

カルミン:なら、方針は決まりだ。フィクサーに話をしてから、深夜に村長の家にバニッシュを撃つ。中にいるのはレッサーオーガ三匹……。ここの話もしないとな。

マサミ(GM):……さて、方針は決まったか? そんじゃ、休憩挟んだら後半始めていこうか。

一同:はーい。