1-1蛮族から小屋を奪取せよ!

<オープニング>

それはある日の出来事。

いつも通り泳いでいたサツキの元に、カルミンがやってきたと思えば唐突にこう言うのだ。

「サツキ、TRPGしようぜ!」

「……てぃーあーるぴーじー?」

耳慣れない言葉に、思わず首を捻る。

曰く。えんぴつと紙、そしてサイコロだけを使うストーリー性のあるおままごと、だそう。

そのゲームのうちの一つ、ソードワールドがやりたいと彼は言う。

「剣と魔法の世界、嫌い?」

「いや、嫌いじゃないけど……」

「よしっ、じゃあ決まり! GM(ゲームマスター)は探してくるから、サツキあと三人くらい集めてきてくれよ!」

「え」

「じゃあなー!」

勢いよく来ては去っていくカルミンに、サツキは呆然とするしかない。

カルミンと共通の友達などいないのだが、彼はそれでいいんだろうか?

+++

サツキをゲームに誘った後、カルミンが向かったのはハナダの岬だった。

そこにぽつんと建っている、やや大きめの建物。そこのインターホンを無遠慮に押すと、背の高い男が出てくる。

目つきの悪い、けれど息を飲むほどの美形の男。マサミだ。

「なんや、仕事の邪魔じゃ帰れ」

「なぁお兄ちゃん、ソードワールドって知ってる?」

「ハァ? ……触ったことはあるけど」

「じゃあさ、GMやってくんない?」

「なんで俺が」

心底嫌そうにするマサミをなんとか説き伏せて、彼の余裕のある時間、簡単なものを回してくれると言質を取る。

「メンバーは?」

「サツキに集めてもらうんだ。誰が来るかは俺もわかんない」

「……あ、そう」

呆れた顔をするマサミに、カルミンはにこにこと返事をする。

メンバーとGMが集まれば、あとは集合を待つだけ。

そしてそれは、予想より早く訪れる……。

+++

カルミン:と、言うわけで! 今日はソードワールド2.0のため集まってくれてありがとうございます!

サツキ:わー……?

ユリカ:なんかよくわからないまま集められたけど……。

オーカ:なにするんですかね?

メル:知らなーい

カルミン:(なんで女の子ばっかなの?)

サツキ:(返事してくれたのこの三人だけだったんだもん)

カルミン:で、GMはマサミお兄ちゃん! よろしくおねがいしまーす!

マサミ(GM):おー。

オーカ:ねぇ兄さん。今日やるのって、なんなの?

マサミ(GM):言ってしまえば、剣と魔法の世界で生きる人たちになりきるゲームやんな。まぁ、やってみればわかるんやないか? オーカ多分好きやと思うで。

俺も昔触ったことがあるだけだから、あんま詳しくはないが……。使用ルールブックは改訂前の1~3まで。それしか持ってないのは勘弁してな。仕事の合間に適当に回すだけやから、大したシナリオは練ってないで。

カルミン:俺ファイターやりたいファイター

メル:あ、リルドラケンかっこいいー

ユリカ:へぇ、職業ってあまり縛りないのね

サツキ:もうルールブック見てる……

オーカ:自由ですねあの人たち……

マサミ(GM):まぁ、まずは好きに作るとええよ

オーカ:あ、僕魔法使いがいいです、魔法使い!

サツキ:……あれ、回復やる人いなくない?

+++

<キャラクター作成>

全員:できたー!

マサミ(GM):おつかれさん。順番にどんな感じか教えてな。

カルミン:じゃあ言い出しっぺの俺から! クロムウェル・カーマイン18歳。愛称はクロかな。ナイトメアで、生まれは戦士。取った技能はファイター1、プリースト/ル=ロウド1、スカウト1。戦闘特技は必殺攻撃だぜ。

マサミ(GM):ナイトメアのくせに平たい低い能力値やなー……。

カルミン:しかたないだろ、出目そんな良くなかったんだから……。肝心のCとDの出目が特に酷い……。

ナイトメア……蛮族(敵)が通常保有している「穢れ」を持って生まれた忌み子。その代わり、ステータスが優秀なことが多い。

通常、ナイトメアなことは隠していることが多い。不老不死。

サツキ:必殺攻撃ってことは、クリティカルしやすくなるんだね。

カルミン:代わりに避けないけどな。

クリティカル……武器や魔法にはクリティカル値というのがある(大体10のことが多い)。その数字を上回る数が、サイコロふたつ振った時に出るとクリティカルと言う。そういうときは、もう一度サイコロを振って、ダメージを振り足すことができる。

つまり、必殺攻撃は大ダメージを出しやすい特技。

カルミン:ダメージディーラーを目指していこうかなと。

で、経歴表は「魔剣の迷宮で迷子になったことがある」らしいから、多分小さい頃に迷子になって、もう一度あそこに行く。そして絶対に魔剣を俺の物にしてやる! って、「己に何らかの誓いを立てている」。

オーカ:なるほど、そうやって繋げるんですね。……魔剣の迷宮って?

マサミ(GM):強い力を持つ、魔剣って言うやつは迷宮を作ることがあるねん。自分を持つにふさわしい実力の持ち主を探すためにな。

カルミン:あと出たのは「魔物を倒したことがある」だから、レベルは低いけどゴブリンくらいなら戦ったことがある経験者じゃないかな? 俺からは以上!

クロムウェル・カーマイン 18歳 ♂ PL/カルミン

ナイトメア(人間生まれ)/戦士 身長177cm

能力値ダイス:技7 体15 心8 A6 B9 C4 D2 E6 F9

最終能力値:器用度13 敏捷度16 筋力19 生命力17 知力14 精神力17

生命抵抗力3 精神抵抗力3 HP20 MP20

保有経験点:500

冒険者技能:ファイター1 プリースト/ル=ロウド1 スカウト1

戦闘特技:必殺攻撃

装備:ブロードソード、ハードレザー、ラウンドシールド

アクセサリー:聖印、バンダナ

所持品:冒険者セット、スカウト用ツール、保存食(7日分)

所持金:65G

典型的なダメージディーラー。

魔剣の迷宮を目指し、冒険者となるが、はたして主人公とはなれるだろうか。

サツキ:じゃあ、次はあたしね。アザレア・セイレーニア18歳。人間で生まれは神官です。取った技能はプリースト/ル=ロウド2、レンジャー1。特技は魔法拡大/数。

ユリカ:あら、カルミンと信仰が同じなのね。

サツキ:その方がやりやすいだろうからって。知り合い設定の方が、あたしもカルミンに合わせればいいだろうし。

信仰……神官には数多くの宗教があり、プリースト技能を使うには一つの信仰に従事する必要がある。神様によって使える魔法が違う物が一部ある。

ル=ロウドは自由・幸運を司る神様であり、ルミエル(味方側)ともイグニス(敵側)の神様にもあたらない、どの剣(後述)にあたる神様なのかわからない神様。

サツキ:いわゆる、専門回復役かな。誰も取る気ないんだもん……。

カルミン:だからって、攻撃なにもないって(笑)

サツキ:みんなが勝手に決めるからせめてもの意趣返しですー。経歴は「空を飛んだことがある」「死を恐れていない(恐れていなかった)」「卵を温めたことがある」……って出たんだけど、どういうことになるの、これ?

カルミン:……物心つく前に鳥にでも誘われた?

サツキ:……それでル=ロウド神殿に拾われたの、あたしっ!?

カルミン:一緒に孤児やる?

サツキ:わ、わーい。じゃあついでに、卵は裏山に落ちてたドラゴンの卵ってことにしよう。中から元気なドラゴネットが生まれました。

メル:ライダーが生えそうな設定ね。

サツキ:あはは……多分とっくにライダー協会に連れてかれてるよ。死を恐れていないってことだから……回復役だけどちょっと無謀なのかな? そんな感じで。

アザレア・セイレーニア 18歳 ♀ PL/サツキ

人間/神官 身長160cm

能力値ダイス:技4 体8 心9 A12 B7 C4 D6 E10 F7

最終能力値:器用度16 敏捷度11 筋力12 生命力14 知力19 精神力16

生命抵抗力4 精神抵抗力4 HP20 MP22

保有経験点:500

冒険者技能:プリースト/ル=ロウド2 レンジャー1

戦闘特技:魔法拡大/数

装備:ソフトレザー、ラウンドシールド

アクセサリー:聖印

所持品:冒険者セット、テント(4人用)、救命草×3、魔香草×2

所持金:210G

専業プリーストにならざるを得なかった人。

どこぞの青い人よろしく幼い頃に鳥に浚われたところを、ル=ロウド神殿にて拾われ、そこで育った。クロムウェルとは知り合い、というか幼なじみ。

オーカ:それじゃあ、次は僕が……。オフィーリア・オークリデア15歳。エルフの魔術師です。取った技能はソーサラー1、コンジャラー1、セージ1です。特技は魔法誘導ですね。略称はフィーでもリアでも。……そして驚異の筋力4。

マサミ(GM):生命力7も大概やで。一撃死待ったなしやんけ。

カルミン:典型的後衛だなー。エルフはそうなりやすいけど……ウィザードにしたんだな。

オーカ:はい。両方使ってみたかったので。メイジスタッフも持つのが難しい、若くて貧弱なエルフです。

サツキ:もう絶対攻撃行かせられない……(笑)

オーカ:経歴は「忘れられない恐怖を体験したことがある」「5人以上の兄弟姉妹がいる(いた)」「書き出し部分を暗唱できる書物がいくつかある」でした。多分、本が好きな子でしょう……あ、覚えた言語は魔動機文明語の読文です。本読むために。

メル:はい、じゃあなにか書き出し部分を言ってみて。

オーカ:わ、我が輩はニャースである、名前はまだない……?(笑)

ユリカ:5人以上って言うけど、あなたは何人目?

オーカ:ああ、6人兄妹の末娘です。一番上のお姉ちゃんが140歳、二番目が110歳、三番目が77歳、四番目が53歳、五番目が28歳……で、僕が15歳。

サツキ:エルフならではだなぁ……。

エルフ……寿命が500年ほどであり、長身で華奢な種族。水辺に住み、一時間程度なら息継ぎなく泳いでいられる。

オーカ;恐怖体験は思いつかないので、保留します。そのうちなにか言うかもしれません。以上です。

オフィーリア・オークリデア 15歳(外見年齢:12歳) ♀ PL/オーカ

エルフ/魔術師 身長148cm

能力値ダイス:技10 体3 心13 A3 B9 C1 D4 E5 F9

最終能力値:器用度13 敏捷度19 筋力4 生命力7 知力18 精神力22

生命抵抗力2 精神抵抗力4 HP10 MP28

保有経験点:500

冒険者技能:ソーサラー1 コンジャラー1 セージ1

戦闘特技:魔法誘導

修得言語:魔動機文明語(読文)

装備:メイジスタッフ、クロスアーマー

所持品:冒険者セット、食器セット×5、調理器具セット、羽根ペン、インク、羊皮紙、ぬいぐるみ(小)、手鏡、魔香草×2、魔晶石(3点)

所持金:275G

貧弱すぎる幼女系ウィザード(エルフのため成長が遅い)。

ぬいぐるみは操霊術用ではなく、忘れられぬ恐怖に耐えるためのもの。

HPは驚きの10。一度でも攻撃を受ければ死ぬ。

ユリカ:ではわたしが。リリー・メイデン20歳。ドワーフで生まれは射手ですわ。取った技能はシューター2、スカウト2。戦闘特技は精密射撃ですわ。

サツキ:あれ、グラップラーにしなかったんだね。

ユリカ:前衛二人いるみたいだったから。シューターなら金属鎧付けても問題なさそうだったし、前衛と後衛の間に居て、いざとなったときの壁になりますわ。

マサミ(GM):なるほど、前衛が破られたときのってことやな。

ユリカ:シューターでは回避できないけど、どうせこの敏捷じゃ避けられませんからね。最低限の筋力と生命力があればいいのですわ。

メル:……なんか、経歴が独特な感じがするわね。

ユリカ:そうね。「家族に探されている」「恋人の(恋人だった人の)大切なものを持っている」「苦手な動物がいる(いた)」なので……忽然と恋人がいなくなって1年。ついに一念発起して冒険に出たドワーフのお嬢様ですわ。耳には、彼が預かってほしいと直前にくれたピアスをつけているの。

サツキ:恋人を探しに行って、家族に探されてるのね(笑)

ユリカ:本末転倒ね(笑)

マサミ(GM):なるほどな。なら、そのピアス分は金減らさんでええよ。

ユリカ:ありがとうございますわ。で、苦手な動物は蛇ですわね。でも探し歩く旅でだいぶ慣れました。最近までは護衛を雇ったりしていたのだけれど、路銀も尽きたので冒険者となることにしました。その方が効率もよさそうだったから。そんなところですわね。

ドワーフ……男はずんぐりむっくり毛むくじゃら。女は永遠の幼女な種族。力が強く、火の攻撃は効かない。より強くなるために、修行をする事が多い。

リリー・メイデン 20歳(外見年齢:10歳) ♀ PL/ユリカ

ドワーフ/射手 身長142cm

能力値ダイス:技6 体8 心6 A16 B4 C9 D10 E6 F8

最終能力値:器用度22 敏捷度10 筋力17 生命力18 知力12 精神力14

生命抵抗力5 精神抵抗力4 HP24 MP14

保有経験点:0

冒険者技能:シューター2 スカウト2

戦闘特技:精密射撃

装備:ヘビーボウ、ハードレザー

アクセサリー:矢筒、ピアス

所持品:冒険者セット、スカウト用ツール、弓矢(12本)、羽根ペン、インク、白紙の本(日記)、礼服、ランタン、油、火縄壷、保存食(7日分)

所持金:15G

後衛を守るための盾を買って前に出る頼れる幼女。これでも最年長。

1年前に冒険者となってから音信不通となった恋人を探す、一途で健気なお嬢様。

サツキ:最後はメルだね。

メル:はい。メルクリウス・バーン18歳。リルドラケンの戦士よ。略称はメルね。

サツキ:リルドラケン!?

ユリカ:いやかっこいいとは言ってたけど……

オーカ:え、それ……男?

メル:男だけど?

サツキ:え、エルフとかドワーフとか、やらないの……?

メル:なんで? 面白くない。

サツキ:悲しい……

リルドラケン……二足歩行のドラゴン。男女の差はあまりなく、元から防護点を1点持っている、頼りになる戦士型。細かいことは気にしない鷹揚な種族。

メル:取った技能はファイター2、エンハンサー1。特技はかばうで、練技はビートルスキンね。

カルミン:なるほど、壁か。

メル:どうせ当てないもの、これじゃ。

ユリカ:筋力と生命力がボーナス4なのに、それ以外全部1って極端ね……。

メル:経歴表は「派手な見栄を張っている(張っていた)」「魔物に襲われたことがある」「特定の色に強い思い入れがある(あった)」だから……見栄張って魔物退治に行ったら返り討ちに遭いそうになったところを、クロムウェルに助けてもらったんじゃない?

カルミン:え、俺!?

メル:多分それを機に、友達になった。

カルミン:あ、ああ……。……リルドラケンはナイトメアの偏見も薄いし、友達になるのはおかしくないな。

オーカ:つまり、完全な他人ってオフィーリアとリリーだけ?

ユリカ:そうなりますわね。アザレアもナイトメアのことは知っているのでしょう?

サツキ:知っている方が自然……かな?

カルミン:むぅ、せっかくのナイトメア判明ロールで驚いてくれるの二人だけか。

サツキ;まあそんなこともあるよ?

ロール……RPともよく言う。ロールプレイ(演技)のこと。

メル:思い入れのある色は黒ね。鱗は赤いのに、服は真っ黒……リルドラケンは寒色が多いらしいから、恥ずかしいんだわ。

カルミン:見栄っ張りのわりに、気にしいなんだな。

メル:だから見栄っ張りなのよ。そんなところね。

メルクリウス・バーン 18歳 ♂ PL/メル

リルドラケン/戦士 身長221cm

能力値ダイス:技5 体14 心6 A6 B2 C10 D14 E5 F5

最終能力値:器用度11 敏捷度7 筋力24 生命力28 知力11 精神力11

生命抵抗力6 精神抵抗力3 HP34 MP11

保有経験点:500

冒険者技能:ファイター2 エンハンサー1

戦闘特技:かばう

修得練技:ビートルスキン

装備:ライトメイス、チェインメイル、ラウンドシールド

所持品:冒険者セット、保存食(7日分)

所持金:70G

見栄っ張りで強がりで、メンタルがやや豆腐なリルドラケン。

当ても避けもしないと踏んで、潔く防護点をあげまくった結果、序盤にして防護点は8。ビートルスキンで10になる。大抵の攻撃が彼に効かない状態。

マサミ(GM):(ふむ、このステならこのくらいまで出して問題ないやろ)……全員種族バラバラやんな?

サツキ:あれ、ほんとだ!(笑)

カルミン:まーそんなこともあるだろ(笑)

オーカ:全員好きなように取りましたからね、ほんと。

ユリカ:ほとんど相談しなかったものね。

メル:それじゃあとりあえず。

全員:よろしくおねがいしまーす!

+++

<出会い>

マサミ(GM):まず世界観の説明しよか。ここは、ラクシアという世界。調和の剣ルミエル、解放の剣イグニス、マナの源カルディア。その三本の始まりの剣から作られた世界。

ルミエルに連なる“人族”――これがお前たち冒険者、そしてイグニスに連なる“蛮族”――いわゆる敵やな。大きく分けてその二つのグループが、絶えず抗争をしている。

最後にあった一番大きな戦争は約300年前。<大破局>と呼ばれとる。戦争によって、この世界は何度も文明を起こし、そして途絶えている――そんな世界や。今の文明レベルは、中世の世界って感じか……まぁ、難しく考えんでもええよ。

さて、そんな中でお前たちがおるんは、その世界の中でテラスティア大陸にある一国、“花の国”フェンディルや。

カルミン:ザルツ地方で一番古くからある国だな。近くには遺跡群があって、そこには一年中花が咲き乱れているから、花の国なんだ。

マサミ(GM):説明おおきに。お前たちがおるんは、そのフェンディルの首都からは大きく外れた、辺境の町フレデリアや。人口200人程度の小さい町やけど、農業やったり、川で魚捕ったり、一通りがこの町で出来るっちゅー、小さく完結した町やんな。

サツキ:はぁー……結構しっかりした世界なんだ。

ユリカ:それで、わたしたちはどうしたらいいんですの?

マサミ(GM):まぁ、待て。この町には「白鳩の卵亭」っちゅー冒険者の店がある。大抵冒険者はこういう店に居て、仕事を受けているんやな。多くは元冒険者が世話をしていて、寝泊まりもできるし、飯も出るんや。

オーカ:冒険者って、そんなにしっかりした組織なの?

カルミン:組織ってわけじゃないけど……軍以外の頼れる戦力として、色々重宝されるんだよ。その仲介収入が結構なものあるから、冒険者の店は冒険者に色んなサービスしてくれるんだ。

マサミ(GM):ん。で、ここのオーナー、アドミランやが……“白鳩の商人”とツテがあるもんだから、ナイトメアだって噂がある。

カルミン:……なぁ、それって、極一部しかわからなくね?(笑)

マサミ(GM):おう、白鳩の商人はメタいこと言うと、作者が作ったSW世界の俺やんな。便利だから使ってもええやろ。

サツキ:……あれ、それいつかマーマレディアさんとか来ちゃう?(笑)

サツキたちがSW世界の住人だとしたら、とパロディで組んだデータがあったりします。便利なので、NPCとしても活用する気満々。

“白鳩の商人”マサミは、ナイトメアや蛮族冒険者を多く雇っている大商人です。セージだけ10とかの非戦闘員。

マーマレディアは、SWサツキの名字。

マサミ(GM):まぁだから、密かにナイトメア御用達の店なんや。客も帽子やバンダナとかしてる人多いかな。アドミラン自身も帽子を被っとる。

ナイトメアに忌避感がある人はまず近寄らん店や。仕事を頼んでくるのも、噂を知らないか、ナイトメアに大した感情を持ってない相手くらいのもんやな。

カルミン:じゃあ、俺はそこに行こうかな。俺は冒険者になる! 魔剣の迷宮を探しに行く! ってことで。

メル:なら、わたしも一緒に行く。メルクリウスはクロムウェルの友達だし、見栄っ張りのビビりだけど、冒険者には興味があった。

マサミ(GM):サツキちゃんも一緒に出るか?

サツキ:あたしは……ううん、少しやりたいことがあるから、まだいいです。

カルミン/クロ:じゃあ……「よぉーし、今日こそ依頼を見つけるぞ!」えっと、め、め、め、メルちゃ……「メル!」

サツキ:(すごい悩んでる笑)

メル/メル:「そうだな。これなんかどうだ、“ワイバーンを捕まえてください!”」

カルミン/クロ:「……無理だって」(笑)

サツキ/アザレア:なら、そこで勢いよく扉を開けて叫びます。「ちょっと、クロ! 冒険者になるってどういうこと!?」

カルミン/クロ:えっ、そういう感じなの!?(笑)「あ、アザレア!? なんでここに!」

サツキ/アザレア:死を恐れないくらい、勝ち気な子かなって(笑)「司祭様に聞いたのさ! あんた、回復手段もないくせに行く気!? ……そっちのリルドラケンが回復手段でもあるのかい?」って、メルクリウスを睨むよ。

メル/メル:あ、知り合いじゃないんだな。「ああ、安心しろ。回復手段なんて持ってない(ドヤ)」

オーカ:安心する要素どこですか(笑)

サツキ/アザレア:「ふぅん。そんな二人組で、死ににでも行くつもり?」

カルミン/クロ:「回復手段なんてなくても、やられる前にやればいいんだろ!」

サツキ/アザレア:「この馬鹿! ――……あたしも行く」

オーカ:ロマンスの香りがします(わくわく)

ユリカ:あーこれは典型的な幼なじみね(笑)

カルミン/クロ:やかましい(笑)「お前もって……お前こそ、戦う手段ないくせに! 一緒に来たって邪魔なだけだ!」

サツキ/アザレア:「回復ならいくらでもやってあげる。だからあんたがあたしを守ればいい!」

カルミン/クロ:「そんな馬鹿なこと言ってないで神殿に戻れよ!」

メル/メル:「回復役なら欲しいところだった。一緒に来てもらえばいいじゃないか。守るものが増えたところで、私は気にしないぞ」

カルミン/クロ:「め、メル~……」

サツキ/アザレア:「……言っておくけど、着いてくるなって言われても行くかんね。あんた、あたしがいないと危ないんだから」

カルミン/クロ:「そんなこと……」

オーカ/フィー:じゃあ、そんなところに空気読まずに入りましょうか(笑)「ついでに、ウィザードはいかがですかっ!?」と、自分より大きな杖を持って、ぬいぐるみを抱いた、金髪がくるくるした小さな女の子が一人。

ユリカ:明らかな幼女ねぇ(笑)

カルミン:それなんのぬいぐるみなの?(笑)

オーカ:……ガーディ?(笑)

マサミ(GM):あるんかなぁ、ガーディのぬいぐるみ(笑)

カルミン/クロ:「……は?」

オーカ/フィー:「オフィーリア・オークリデア15歳! 特技は真語魔法(ソーサラーの使う魔法)と操霊術(コンジャラーの使う魔法)! 勉強も好きなので、魔物の名前だってわかります!」

カルミン/クロ:「お、おお……?」

オーカ/フィー:「いくつかなら物語の序文を読むことだってできます! むかしむかしあるところにお爺さんとお婆さんが――……」

サツキ/アザレア:それ童話じゃん!(笑)あれ、間違ってはない?(笑)「お嬢ちゃん、お父さんとお母さんは?」

オーカ/フィー:「失礼な、お嬢ちゃんではなくオフィーリアです! 15歳です! フィーとでもお呼びください! これから優秀になるはずのウィザードはいかがですか、冒険にきっと役に立ちますよ、というかいいから連れていってください!」

カルミン/クロ:「どんな押し売りだよ!(笑)」

マサミ(GM):なんや面白いことになったなぁ。ユリカちゃんはいつ出るん?

ユリカ:ううん、出にくくなってしまいましたわ――……。そうね、わたしはカウンターで、店長に恋人の情報を聞いていましょう。

マサミ(GM)/アドミラン:ふむ……ならこうしよか。「なるほど、行方不明の恋人を探して、遙々と」……どこから来たん?

ユリカ/リリー:そんなに遠くてもいけないから……ルキスラにしますわ。「そうだ、何か情報はないか」

マサミ(GM)/アドミラン:了解。「俺の記憶にはないな。……情報を集めるにも金がかかる」

ユリカ/リリー:「いくらだ」

マサミ(GM)/アドミラン:「前金100G。後金は手間によって変わる」

ユリカ/リリー:「…………」それを聞いて黙りますわね。既に路銀は尽きているけれど、それを言い出すにはプライドが高いから。

サツキ:ユリカそーっくり。

ユリカ:やかましい。

マサミ(GM)/アドミラン:「払えないか。なら自分で稼ぐんだな。……おい、そこのうるせぇ新人共!」

サツキ:(ビクッ)

カルミン/クロ:「うおっ?! なんすか?」

マサミ(GM)/アドミラン:「お前ら、仕事が欲しいか」

メル/メル:「あるのか、仕事が」

マサミ(GM)/アドミラン:「ああ、ある。……けど、お前ら4人じゃちと不安だな」

カルミン/クロ:「……あれ、勝手にこいつら(アザレア、フィー)数えられてる?!」

オーカ/フィー:「よしっ」フィーはこっそり握り拳を握ってます。

サツキ/アザレア:当然って顔してます(笑)

マサミ(GM)/アドミラン:「この娘を連れていけ。ドワーフの射手だ、これで安定するだろう」

ユリカ/リリー:なるほど、これで合流するのね。「リリー・メイデン。足は引っ張らない程度の自信はある。頼めるか」

カルミン/クロ:「仕事欲しかったけど、うーん……メルは、どう思う?」

メル/メル:「私は暴れられるならそれでいい」

カルミン/クロ:「うーん、そっか。……よし、仕事の話聞く前に自己紹介だけしてもいいか?」

マサミ(GM)/アドミラン:「好きにしろ」

カルミン/クロ:「俺はクロムウェル・カーマイン、18歳。ル=ロウドを信仰する戦士だ。クロでいいぜ、よろしくな!」

メル/メル:「メルクリウス・バーン。戦士だ。メルと呼べばいい」

サツキ/アザレア:「アザレア・セイレーニアだよ。このクロの馬鹿とは幼なじみの神官さ。よろしく」

オーカ/フィー:「オフィーリア・オークリデア15歳! これから優秀になる予定のウィザードですよ! よろしくお願いします!」

ユリカ/リリー:「……ああ。よろしく頼む」

サツキ:これで合流完了かな? 結構自然な流れになるんだね。

カルミン:面白いだろ? 物語を作ってる感じってさ!

メル:でもこのパーティー、内二人が見た目は子供なんだな?

ユリカ:しかも種族はバラバラだし……目立ちそうなグループね……。

マサミ(GM):これで自己紹介は終わったな? キャラも掴めてきたみたいやし、さて、仕事の導入と行こうか。

メル:(メルクリウスだって言えば無理しなくていいから話しやすくっていいんだぞ♪)

<初めてのお仕事>

マサミ(GM)/アドミラン:アドミランは掲示板に貼ってある依頼票の中から一枚取って来る。「狩人たちからの蛮族退治依頼だ。狩人たちの使っている小屋が蛮族に乗っ取られたらしい」

カルミン/クロ:「え、それってやばいんじゃねーの?」

マサミ(GM)/アドミラン:「仕事自体は問題なくできている。乗っ取られたのは森の中にある小さな小屋だ。いつもは小屋で皮を剥いで処理してから持ってかえって売っている……いわば作業場だ。生活費だけならなんとかなっている……」

ユリカ/リリー:「しかし、作業場がなければ大量には獣が穫れない。そういうことか」

マサミ(GM)/アドミラン:「そういうことになる。報酬は500G。それと獣が穫れればその皮は通常の倍で買い取るそうだ」せやな、獣について魔物知識判定してみよか。

サツキ:魔物知識判定?

カルミン:ダイスを二つ振って……これを2D6って言うんだけど。出た目の合計に、さらにセージ技能レベル+知力ボーナスを足した数を合わせて判定をするんだ。基準を越えれば、その魔物がなんだかわかるんだよ。

マサミ(GM):ただし、技能を持ってないオーカ以外は平目って言って、ダイス目だけで勝負になるから気をつけるんやで。

サツキ→7 オーカ→15 メル→9 ユリカ→8 カルミン→9

マサミ(GM):お? のっけから出目がええな……。オーカは弱点までわかるな。狩人が穫っとるのはウルフや。ルルブ見てええよ。

オーカ:こうやって判定していくんだ……この程度の相手なら、なんとかできそうですね。HPオフィーリアとどっこいですよ。

カルミン:大丈夫、その程度の敵が相手なわけないから。

メル:でもウルフを狩れば、うまく行けば報酬が倍にできるぞ。わたし、フォートレスが欲しい。

サツキ:8200Gはちょっと…………。

カルミン/クロ:「わかった。それで、小屋への地図はあるのか?」って聞いてみるけど。

マサミ(GM):なら地図を渡してくれる。ただし、森までの道のりだけや。小屋のある場所はこのへんって丸で囲ってあるだけで、具体的な位置はわからんな。

サツキ/アザレア:「……なんだいこれ、ほんとに地図?」

カルミン/クロ:「……馬鹿にしてる?」

マサミ(GM)/アドミラン:「森は鬱蒼としているし、具体的な位置を判断しにくいんだ。ただ、そのあたりにあることだけは確かだから、上手く見つけてくれ」

ユリカ/リリー:「仕方があるまい。一介の狩人に正確な地図を描けという方が無理がある」

メル/メル:「その中にあるのは確かなんだろう。何が出ても私がなんとかできる。問題ない」

カルミン:……見栄じゃなくてマジで出来るんだよなぁ。

メル:ドレイクの人間形態の攻撃なら期待値で5発くらい、最大値でも3発弱耐えれる計算だな。

カルミン:うん、序盤でそれはおかしい(笑)

マサミ(GM)/アドミラン:「期限はないが、受けるなら速やかに行ってくれ。ここから歩いて二時間ほどの近場だ、行って帰ってこれるだろう」今は昼過ぎくらいやな。色々時間かけても、夜までには帰ってこれる計算になる。

カルミン/クロ:森までの道のりになにか異変の噂はないか聞きたいんだけど。

マサミ(GM):ん、そこのあたりは心配いらんよ。ウルフは出るかもしれんがな。

カルミン/クロ:よし。「じゃあ、買い物があったらそれを終わらせて、今から行こうぜ」

メル/メル:「腕が鳴るな」

サツキ/アザレア:「即席パーティーだけど、仲良くやろうね。回復なら任せな」

オーカ/フィー:「はい、お願いします!」

ユリカ/リリー:「世話になる」

マサミ(GM):(ダイスを振る)(……あ、ピンゾロ)

カルミン:……なんのダイス? つかピンゾロなんだけど

ピンゾロ……2D6でダイス二つとも1が出てしまったときのこと。PLが出すと自動失敗とし、失敗から学んだとして経験点50点を得る。

GMのシークレットダイスは怖い。

マサミ(GM):さて、出るんやっけ?

カルミン:うん、出るよ。買い物はないよな?

全員:大丈夫ー。

マサミ(GM):んじゃ、お前たちは貰った地図を頼りに森へと向かうな。

オーカ/フィー:オフィーリアは1時間も歩いたところでヒィヒィ言います。「ま、待ってください~……」

メル/メル:「大丈夫か。私が運んでやろう」って、メルクリウスがオフィーリアを背負うぞ。

サツキ:優しい。

マサミ(GM):ほーん運ぶん。そんな道中のお前たちの前に、三体の獣――判定には成功してたな。ウルフが立ちはだかるで。

カルミン:げっ!?

マサミ(GM):どうもウルフたちは食事中だったらしい。気の立ってるところに通りがかったお前たちを見て判断するな。

メル:あ、餌だ。

ユリカ:あー……。

マサミ(GM):そゆこと。さ、試しに戦闘と行こか。ああオーカ、メルクリウスから降りるなら主動作やから。

メル:リルドラケンは騎獣扱い。

オーカ:ああっ、ロールプレイが仇に!?

<戦闘に慣れよう!>

■1ラウンド

マサミ(GM):ウルフたちはごちゃっと一塊で三体。距離は10mやな。

カルミン:陣形は整えてもいい?

マサミ(GM):だめ。

カルミン:だよなぁ……。今は先頭にクロとメルとオフィーリア。その後ろにアザレアとリリーってところか?

サツキ:そうだろうね。それで、どうしたらいい?

マサミ(GM):まずは先制判定をしようか。これで先攻・後攻を決める。判定はダイス目とスカウト技能レベル+敏捷ボーナスや。

カルミン:11だな。

ユリカ:わたしも11よ。

※他の面子も振っているが(ピンゾロ狙い)、省略。

マサミ(GM):なら同値でPC側が先攻やな。

サツキ:えーと、まずフィールド・プロテクションっていうの、やればいい?

カルミン:これは消化試合だから……いや、頼むよ。MPを2減らして、2D6を振るんだ。

サツキ:5だったよ。

カルミン:うん、それならかかったな。敵に撃つときは抵抗値を抜かないといけないけど、味方に魔法をかけるときはピンゾロさえ出さなければかかるから。

サツキ:じゃあ、これで全員に物理・魔法ダメージが-1されるかな?

メル:9点止めるようになった。

マサミ(GM):いやらしいわぁ、ほんま……。

オーカ:ひとまず、オフィーリアは降りますね……。これで手番終わりかぁ。

カルミン/クロ:「メル、俺たちで止めるぞ!」通常移動10mでウルフに接近。Aに必殺攻撃! 命中は10だ!

マサミ(GM):ん、当たったな。

カルミン/クロ:なら……お、回った。出目が11と6で、弱点含めて17ダメージ!

マサミ(GM):うわ、一発でやられた。

サツキ/アザレア:「すごい……」

メル/メル:んー。わたし、全力移動しないと乱戦エリア入らないんだぞ。……まぁいいか、壁だし。10m走ってウルフに乱戦宣言。それからクロムウェルに<かばう>「傷がつけられるならやってみるといい」

ユリカ/リリー:わたしはウルフBに攻撃しますわ。命中11で当たって、ダメージは12!

マサミ(GM):9点貰うわ。まぁ、慣らしだからこんなもんとしても……攻撃するんいややわぁ。

マサミ(GM):ウルフBはクロムウェルに攻撃するで。<かばう>効果で自動的にメルクリウスに攻撃が当たるな。ダメージは6や。

メル/メル:「効かんな」全部弾いた。

マサミ(GM):うわぁ……。でもこれでクロムウェルに攻撃が当たる。ウルフCの命中は6。

カルミン/クロ:12で、必殺攻撃で-2しても避けた。「当たんねーよ!」

マサミ(GM):さすがウルフや、雑魚い。

■2ラウンド

オーカ/フィー:「むむむ、これではわたしの番がなくなってしまいます。先を越さなくては!」ウルフCにエネルギーボルト! 達成値は13で、抵抗は抜きましたね? ダメージは……う、出目3。5ダメージです!

メル/メル:当たる気しないけどやってみよ。ウルフBに命中12。おや、当たった。ダメージは回らなかったけど13だぞ。

カルミン:回らなくてそれ!?

ユリカ:さすが、筋力ボーナス4。

マサミ(GM):既にいじめの領域やんけ……。

カルミン/クロ:「ラスト!」出目9、当たってダメージが回らなくてもダメージは11! 終わりだ!

マサミ(GM):ん、三匹ともばっさり切られて動かなくなったわ。

ユリカ:うーん、さすがに二回目は回ってきませんでしたわ。

サツキ:でも、戦闘ってこうやるんだね。目指せ、フォース。

カルミン:……そのためにフェンサーとか取らなかったの?(笑)

メル:戦利品取っていい? 7と3と7だったけど。

マサミ(GM):なら、狼の皮(20G)が二つ手にはいるな。

メル/メル:「皮が穫れたぞ。これ、いくらだ?」

オーカ/フィー:「通常は20Gですね。依頼人に売れば二つで80Gになりますよ!」

メル/メル:「なるほど、持っていこう」

サツキ/アザレア:「……おつかれさま。なかなかやるのね」

カルミン/クロ:「だろ? だから回復役なんていらないって」

サツキ/アザレア:「それとこれとは別だろ? ほら、先行くよ」

カルミン/クロ:「なんだよ、同い年の癖にガキ扱いしやがって……」

ユリカ/リリー:リリーは黙って見ていますわ。自然と二グループできたなぁって。

サツキ:あれ、そういえば?(笑)

<森の探索>

☆Dー1

マサミ(GM):さて、そのあとは無事に森に着ける。今回のレギュレーションはこうや。フィールドを4×4に分けて、その区域を探索してもらう。探索判定の基準はどこでも9。一つの区域を探索するのに10分かかるで。縦と横には移動できるが、斜めへの移動はできん。

オーカ:全部探索すると160分……3時間弱はかかりますね。

ユリカ:つまり、探索しながら小屋の場所を割り出していかないといけないのね。

メル:ウルフ狙いでうろうろするのはいけないの?

オーカ:小屋を見つけるまではやめておいたほうがいいでしょう、時間がかかると周りが暗くなりますし、蛮族たちは基本暗視がありますから、遅くなると暗視持ちの少ないこちらが不利です。時間がかけれても2時間、ってところですね。

カルミン:……ここ、ほんとにウルフと蛮族以外出ない?

マサミ(GM):そこは大丈夫と言っておくで。ただの狩人じゃ、ウルフ以上のが生息してたら危険やしな。この辺は基本ウルフのなわばりで、他の動物が生息しとることはないで。

カルミン:わかった。

マサミ(GM):区画は、右からABCD。下から1234と分けられてる。今いるんはD‐1や。

ユリカ:とりあえず……探索判定をしてみた方がよさそうね?

サツキ:森ならレンジャー技能も使えますよね。

マサミ(GM):ん、大丈夫やで。

サツキ→8 オーカ→3 ユリカ→8 メル→4 カルミン→7

カルミン:うわ、出目が腐ってる

サツキ:……ほとんど2と1しか出てないんだけど(笑)

オーカ/フィー:「あー、ちょうちょだー」(笑)

メル/メル:「見ろ、向こうに綺麗な花も咲いているぞ」(笑)

ユリカ/リリー:「おい、勝手に歩くと危ないぞ!」(笑)

サツキ:これってどうなるの(笑)

マサミ(GM):幸先悪いなぁ(笑) 森の入り口は、光が差してもその奥を見通せないほど暗い。一歩踏みいれば、その木々に取り込まれ、戻れなくなるのではないかと錯覚するほどに。……聞き耳判定もしてみようか?

オーカ:あ、12出ました。

カルミン:おお、6ゾロ!

6ゾロ……サイコロ二つ振って6が二つ出ること。このときは自動的成功として、技能がなくても、どんな目標値でも、成功となる。

マサミ(GM):なら、オフィーリアはちょうちょを追いかけていると、西の方角からなにか足音を聞いたな。今狩人は森の中には踏み入らないようにしているのにも関わらず、それは人型の足音のように聞こえた。

オーカ/フィー:「みなさん、向こうから足音が聞こえます。蛮族かもしれません」

メル/メル:「なるほど、向こうか」

カルミン/クロ:「よくやった! じゃあ、俺とメルが前を歩く。お前たちは後ろから来るんだ」

サツキ/アザレア:「……気をつけなよ、クロ」

☆Cー1

マサミ(GM):西からの足音を聞きとがめて進むと、なにか人影を見つける。一人は長身の男、他の三人は長身の男よりは背が低かったが、並みの男と対して差のない背丈をしていた。狩人かと思えば、様子がおかしい。彼らの肌は、人とは思えないほど、青白く、そして残忍な性格を隠さない表情をしていた。

オーカ:……小さい方は弱点も抜きました。ボガードですね。大きい方はわかりません。

カルミン:いくつだった?

オーカ:7です。ボガードの名前は7でわかるので、それ以上のレベルのなにかですね。

カルミン:そ、それ以上って……このレベルだとボガードだって結構しんどいのに、4レベ以上ってボスクラスじゃん!?

マサミ(GM):ドレイクの攻撃3発は耐えられる奴相手に3レベなんて餌にしかならんやんけ。

メル:あ、わたしのせい?

サツキ:メル対策でレベル上げられてるのー!?

オーカ:いえ、でもこのパーティー、筋力ボーナスや知力ボーナスは悪くないんです。倒せる目は十分あります。

カルミン:初心者多いからもっとゆるいやつだと思ってた!? ちくしょー、先制判定は7……ってやっぱり腐ってるな!?

ユリカ:わたしが11出したけど……。

マサミ(GM):ん、ユリカが先制取れたな。さて、戦闘といこか。距離は10mやで!

■1ラウンド

サツキ/アザレア:「まずは防御だね。フィールド・プロテクション!」かかったよ!

オーカ:この場合、ブラント・ウェポンとエンチャント・ウェポンとプロテクション、どれがいいでしょう?

カルミン:プロテクションを俺にくれ。で、次のターンでエンチャント欲しい。

オーカ/フィー:わかりました。「重ねていきます! プロテクション!」で、出目3……かかりましたよ!

カルミン:で俺が3m進んでバニッシュ……っべー抵抗抜けるかな!? でかいのに打つ! うーん9。

マサミ(GM):それは抵抗したわぁ。

サツキ:ごめん、指示待った方がよかった……?

カルミン:いいや、この際諦めよう。メルは全力移動でいい、乱戦に持ち込んでくれ。

メル/メル:了解。「これを殺せばいいんだな、簡単な仕事だ」全力移動でドーンと接触。

ユリカ:ならばわたしも前に行きましょう。10mならちょうど通常移動で歩けるわ。奥の大きいのには当てられるの?

マサミ(GM):ボガード三体が前に並んでて、その後ろにでかいのがいるって構成やな。ボガードが遮蔽になって弓や魔法は届かんよ。

ユリカ:了解。ではボガードAに命中12、当たってダメージは出目が11と4で、弱点も足して18!

マサミ(GM):うーん、強いわぁ。3弾いても半分以上持ってかれた……。

メル:あ、リリーに<かばう>する。

マサミ(GM):はいはい。んじゃボガードAは色々やってくれたリリーに攻撃するでー。メルに自動命中でダメージが10や。

メル:1点減った。あと33。

オーカ:リルドラケン、強いですね……まだ僕の3倍ですよ……。

サツキ:メルもオーカもおかしい(笑)

マサミ(GM):さらに連続攻撃でもう一回。6ゾロで当たるな? ダメージは15や!

メル:6点もらう。ちょっと痛い?

マサミ(GM):んでボガードBは……あー、メルか。命中は8。

メル:8……あ、回避減ってるんだっけ。当たった。

マサミ(GM):なら11点ダメージどうぞ。

メル:2点もらう。

マサミ(GM):……。連続攻撃は命中8やでー。

メル:8。これは避けたぞ。

マサミ(GM):さて、Cはリリーに命中が11や!

ユリカ:避けないのよねぇ、わたし。あ、11出たわ(笑)

サツキ:剛運だなあ、ユリカは(笑)

マサミ(GM):うーん嫌になるわぁ。大きいのはもう一度リリーに行くで。命中は10や。

ユリカ:ピンゾロ(笑)

カルミン:振れ幅でけぇな(笑)

マサミ(GM):50点は記録しといてなー。ダメージはおっきく14点やで!

ユリカ/リリー:えーと、5点弾いて9点もらいますわ。残り15……。「うぐぅっ」

マサミ(GM):さらにもう一回リリーに攻撃や! 命中は9やでー。

ユリカ:ひぇぇ、ねらわれてる!? またピンゾロ、避けない!

サツキ:ユリカぁぁぁあ!?

マサミ(GM):うわぁ、死んだら嫌やなぁ。ダメージ……おっ、小さく10点。

カルミン:小さくなくねっ!?

ユリカ/リリー:「こ、この…………っ!」5点もらって残り10。まだ行けるわ!

オーカ:うわ、ギリギリですね…………。

■2ラウンド

カルミン/クロ:「よくもリリーを!」今度は俺が前に行く! 7m前進してリリーの隣に。でかいやつに必殺攻撃だ! 命中は8……くそ、避けられたか。

ユリカ:10m後退してAを潰すわ。命中は11、ダメージは9!

マサミ(GM):ちょうど6、落ちた。

サツキ:リリーに回復するよ! 7点回復して。「大丈夫かい!?」

ユリカ/リリー:「大丈夫だ。助かった」

オーカ/フィー:「もう、補助飛ばす前に走らないでください! エンチャント・ウェポン!」かかりましたよ、カルミンさん。次は当ててくださいね!

カルミン:さんきゅー!

メル:あとはわたしだけだな? ボガードBに命中は9、駄目だな。クロに<かばう>。

マサミ(GM):(ボガード一体やられたし、ソーズマンは危険だと判断するやろなー)よし、こっちの番。大きいのは乱戦エリアからの離脱を宣言して、次のラウンドで全力移動で逃げるで!

全員:えぇ!?

カルミン:くそ、なに考えてるんだ!?

マサミ(GM):ボガードBはメルに攻撃。命中は9や。

メル:あ、11。避けた。

マサミ(GM):ただでさえ当てらんないのに……。Cもメルに行くで。命中は13。

メル:避けないな、ダメージちょうだい。

マサミ(GM):ダメージは11やでー。

メル/メル:2点もらう。「ふん、その程度か」

カルミン:いやー、心配する必要なくていいなー。今HPいくつ?

メル:25。まだまだ一番多いんだぞ。

マサミ(GM):ほんと、攻撃しても詰まらんわー。

■3ラウンド

サツキ:どうする、回復する?

カルミン:……いや、バニッシュを頼む。俺もメルも、あと1ラウンドは持つ。だったら、1ラウンド時間を稼ぐのを希望にバニッシュ撃ったほうがいい。範囲攻撃だから、全員巻き込めるし。

サツキ/アザレア:わかった。「バニッシュ!」達成値は13!

マサミ(GM):げっ、全員抜かれた。

サツキ:ボガードBが恐怖で動けない、Cが恐怖怯えてペナルティ、大きいのもペナルティだよ!

オーカ/フィー:ではついでに、メルさんにもエンチャント・ウェポンを。「あとはお願いします!」

メル/メル:「承った」大きいのが逃げる前に始末すればいいんだな? うーん、8じゃ回避下がっても当たらないな。クロに<かばう>。

カルミン:なーんか、嫌な予感するんだよなぁ。当たるかなぁ。大きいのに攻撃、出目7。さっきから腐ってやがる。

ユリカ:……ここはもう目の前のを片付けることにするわ。Cは回避下がってたわね、命中10で当たって、ダメージは14!

マサミ(GM):どいつもこいつも不調やんなー。当たらないほどの敵は出してないんやけど……。Cは11ダメージもらうわ。さて、こっちの番。大きいのは全力移動で逃げる。速度は20×3で、お前らじゃ追いつけんな? で、Bが動けなくて……Cはクロに攻撃だから、メルに自動命中。ダメージは16や!

メル/メル:「……っ。ほう、やっとまともな攻撃をしてきたな」7点もらう。そろそろ回復が欲しいかも。

■4ラウンド

サツキ/アザレア:「あんまり無理するんじゃないよ!」メル、7点回復させて!

メル/メル:「無理はしていない。だが助かった、礼を言おう」さっきの分はこれでちゃらだな。

カルミン:いー加減当てたいんだけどなぁ! ボガードCに<必殺攻撃>! 命中9……いちたりねー。

いちたりない……妖怪。あと1足りてれば攻撃が当たったのに! 敵が倒れてたのに! よくある。

メル:わたしもCに……うーん、さっきから8ばっか。クロに<かばう>。

オーカ:ウルフ戦の調子の良さが嘘みたいに出目腐りましたね……。

ユリカ:あまり命中のいいパーティーではないからね。Cに命中12。ダメージは12よ!

マサミ(GM):ドワーフは上手く当ててくるなぁ。9点もらうわ。

オーカ:ここは僕も攻撃に回りますね。ボガードCにエネルギー・ボルト! 達成値は14!

マサミ(GM):抜けるか!?

オーカ/フィー:「さぁとどめですよ! 食らいなさい!」う、出目悪い。7ダメージです。

マサミ(GM):いや、それでも落ちるわ。魔法はダメージ素通しだからなぁ。さて、んじゃあとはBしか動かないか……。メルに攻撃命中は14。

メル:避けるわけないんだぞ……。

マサミ(GM):一回目は11ダメージ。二回目は達成値12やでー。

メル:10。避けない、ダメージちょうだい。

マサミ(GM):んじゃ9ダメージ。

メル:9の方は全部弾く。2点だけもらうぞ。

カルミン:そろそろやれるか……?

そろそろやれるかと思った一同。

ダメージディーラーであるカルミンとメルの出目が腐りに腐って微塵も当てず、次ラウンドで終わると思った戦いは異様に長引きます。

安定的に当ててくれるユリカだけが頼りになる状態。

途中、オーカも攻撃に参加するもダメージで1ゾロを出したりして。

そして。

■7ラウンド

カルミン:必殺攻撃やっっっっっと当てた! 命中は11! ダメージは12と5で弱点込みで17!

マサミ(GM):……長かったなぁ?

ユリカ:主に出目が……出目がね……。

サツキ/アザレア:「……一体逃げられたけど、追うかい?」

ユリカ/リリー:「それよりも回復をした方がいいんじゃないか。随分消耗しただろう。あの大きいのは森の小屋を奪った蛮族の一体だろうし、恐らくはボスに報告に行ったのだと思う。こちらを迎撃するのか、籠城するのかはわからないが、焦ることはない」それに、リリーの弓も8本使って残り4本しかないのよね。ダメージ出せるオフィーリアを消耗させたままはきついわ。

カルミン:なら石拾えばいいよ。森ならそこら中にあるだろうし、ナイフ投げるより威力あるから。

マサミ(GM):まぁそうやな。石をここで拾ったってことで。

ユリカ:いいの? ならそうさせていただきますわ。

メル/メル:(ダイスを振る)「意匠を凝らした武器を二体が持っていたぞ。一体は安い武器だったが、まぁ悪くはないな」

オーカ/フィー:「おお、それは良いことです! 意匠を凝らしてあるだけで売却額は跳ねあがりますからねっ!」……手早いですねメルさん。

サツキ:それで……どうする?

カルミン:リリーの言った通り、焦る必要はないと思う。放っておけばこっちが先に襲われるだろうけど、小屋を取っておきたいならやつらは遠くに逃げはしない。一応、大きいのの目星はついてるしな。あれは本当に偵察だろ。

マサミ(GM):ま、経験あればわかるわな。

カルミン:だからまずは、オフィーリアとアザレアのMPが優先だ。

サツキ/アザレア:わかった。「オフィーリア、おいで。MP回復してあげるよ」えーと、オフィーリアから魔香草を一つ借りて、30分かけて6、5、7点回復したよ。それからさらに一つもらって、自分のMPを6回復。これで森に来てから50分は経過したのかな。

オーカ/フィー:「ありがとうございます」21まで回復しました。これでまた補助が飛ばせそうです。

カルミン:ソーサラーは消費激しいもんなあ。

オーカ:魔晶石も3点ですがありますから。次の補助はこれで飛ばした方がよさそうですね。

サツキ:まさかこんなに消耗するとは思わなかったよ。もっと魔香草買っておくんだったなぁ。

カルミン/クロ:あ、回復してる間にボガードたちを簡単に弔っとくよ。「大いなる風と共に。汝の魂よ自由であれ」

サツキ:ああ、神官だもんね。そうやるんだ。

カルミン/クロ:放っといてアンデッドになられても困るからな。「ルダンジャール・ロム・マヤン」

マサミ(GM):おい、なんか違うぞ、マクロスになっとるやないか(笑)

ルダンジャール・ロム・マヤン……「真の王の名の下に」という意味らしい、マクロスΔでウィンダミア人がよく言う言葉。ウィンダミア人はどれだけ風を入れて会話ができるかを競っているらしい。

メル/メル:「済まない。私の治療も救命草で頼めるか」さすがにHP20も切ってると不安だから、お願いしたいんだけど。

サツキ/アザレア:「ああ、悪いね。今そっちに行くよ」7点回復したよ。

メル/メル:「恩に着る」26まで回復したぞ。またしばらくは大丈夫だな。

サツキ/アザレア:「いいんだよ、仲間なんだから。あんたいないと、クロの馬鹿じゃ頼りないしね」

カルミン/クロ:「誰が馬鹿だよ! ……メルが頼りになるのは認めるけど!」

ユリカ/リリー:「奴の逃げた先は、向こうの方だったか……?」これ、足跡追跡判定で追えるの?

マサミ(GM):追うんなら、目標値は10やでー。

カルミン:目標値ちょっと上がったな。13。

マサミ(GM):なら、北の方角に草を踏んだ跡が見える。恐らくはあの大きいやつが通った跡だろう。まだその跡は新しく、草たちもすぐには元の元気さを取り戻すことはあるまい。しかしその足跡の先は、鬱蒼とした自然に取り囲まれて見通すことはできそうにない。

カルミン/クロ:「あいつは北の方角に行ったな。一時間も休めば動けるよな、メル」

メル/メル:「ああ、任せておけ。あの程度の攻撃、私の敵ではない」

カルミン/クロ:「悪い癖の方の見栄じゃないことを祈ってるよ。追おう!」

サツキ/アザレア:「はいよ。途中で見失って迷子になったりするんじゃないよ、クロ!」

カルミン/クロ:「そんなヘマしないっての! 黙ってついてこい!」

ユリカ/リリー:「いざとなれば私もいる。おそらくは追いつけるだろう」

オーカ/フィー:「いざ行かん、敵陣へ!」

マサミ(GM):……そんなところで、一旦おやつにでもしよか。

全員:やったー!!