誰目線で書いた誰でしょうかゲーム

大きな背中が、大きなバイクを大切そうに整備するのを眺める。彼のバイクに触れさせてもらったことはない。それは彼の宝物である以上に、己があまりにも弱いからであった。こうして彼を見ていると時々思う。自分が男であったなら、彼のように好きな乗り物を楽しめたりしたのだろうか。

※メルから見たカケル

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オレンジ色の長髪をオールバックに結った、背の低い男。だが、鍛えた厚い体は実際の背丈よりも大きく感じる。若く精悍な顔つきのその男は、向かいに立って低い声でよろしくと言った。けして握手はしない。きっと睨み付けて、言葉を返した。誰が相手でも関係はない。ただ、勝つだけだ。

※ユリカから見たカケル

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硬質な髪をサイドテールに結い、少し筋肉質なすらりとした体を水着に包み彼女は走る。大好きな川へジャケットを脱ぎ捨て飛び込んだかと思うと、すぐに顔を出した。こうして、水辺にいる彼女はとても綺麗だと思う。ただ、それと同時に惜しげもなく晒される肢体が心臓に悪いとも、感じた。

※カルミンから見たサツキ

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大きなつり目は世界の穢れを知らない、美しい深緑に輝く。知らないことひとつひとつに敬意と驚嘆を示して笑う姿は愛らしい。年齢に合わず幼く小さな手を握りながら、楽しそうな彼女の様子を見つめた。なかなか成長しない、その穢れを知らない美貌はきっと、天使だからなのだろうと思う。

※マサミから見たオーカ