FAQ

Q)  XTSシステムの拡張機能はどの程度難しい、あるいは簡単でしょうか?

A)  XTSに対する機能拡張の複雑さは極めて低いレベルです。しかしながら考慮すべき点が2点あります。1つはソフトウェア (ロジック、システムマネージャ、PLC) であり、もう1つはメカニクスです。


ソフトウェア

       XTSシステムには衝突回避アルゴリズム (Collision Avoidance=CA) を実装した各種ファンクションブロックを提供しています。

     プログラマは、容易に様々なアプリケーションを構築し、XTS可動子を制御できます。

     プログラマは可動子間の衝突回避を考慮する必要はありません。

     衝突回避はXTSシステム自身が管理します。


メカニクス

メカニクス (モジュールの増減) を拡張したい場合、全レールシステムを分解し、新規にマシンベッドを設計する必要があります。(マシンベッドはモータモジュールの冷却も行っていることを考慮しなければなりません。)

つまり、ソフトウェアの拡張に比べて、メカニクスの拡張はかなり複雑になります。

しかし、この拡張で必要となる工数は主にマシンベッドの設計となります。その他のユニットは簡単にスケーラブルに追加できます。提供可能なレールシステムは0.5m, 1.0m, 1.5m と 180度(半円状) です。

モータモジュールは増設型になっていて、ターミナルのように追加できます。各モジュールには、フィードバックシステム、制御ユニット (EtherCAT)、パワーユニット (モータ) および相互接続のためのインタフェースボードを内蔵しています。


メカニクスとロジックの重要事項:

Q) システム内に軸を追加するための工数はどれぐらいになりますか?

(ハード、ソフトの両面)

A) 新しい軸、つまり新しい可動子の追加は短時間で可能です。


可動子はサーボ軸として表示されます。

従って、NC軸メニューで新規の軸にソフトドライブ (仮想ドライブ) を指定する必要があります。

このとき、XTS IOドライバ内に可動子を追加します。

その後、PLCとNC軸間の割付をします。

この作業で可動子の追加は完了です。

もう1つの方法はXTSウィザードを実行時にあらかじめ多めの可動子を追加しておくことです。

この方法では使用しない可動子を無効に設定します。


Q) 可動子間の距離の変更はどれぐらい工数がかかりますか?

A) 可動子間の距離 (ギャップ = Gapと呼びます) の変更は非常に簡単で、ギャップを変更したときにファンクションブロックを再トリガするか、ギャップサイズを継続的に更新できるように選択できます。

後者の場合、ギャップの変更は再トリガ無しで実行されます。

この設定は非常に簡単で、先に説明したライブラリ内のファンクションブロックでその入力を設定 (ContinuousUpdate = TRUE) するだけです。

Q) 可動子のブレークポイント設定はどうのようにできますか?

A) ファンクションブロックに対して各種ブレークポイントや停止の設定や変更はデバッガから簡単に設定できます。

Q) XTSシステムはアブソリュートエンコーダ式ですか?

電源をOFFにしたり、誰かが可動子を手で動かした場合にどうなりますか?

XTSシステムが再始動した時に最初に何をしなければなりませんか?

(ホームポジションの検出など) このような場合の解決方法はありますか?

A) XTSはアブソリュートエンコーダ式であり、電源をOFFにすると可動子の順番を初期化します。

順番は最初の入力モジュール位置にある可動子の位置に依存し、電源投入時にXTS IOドライバが検出します。その後、新しい順番を取得します。順番が重要なアプリケーションの場合、順序検出のための空走の実行する必要があります。

次期バージョンでは順番検出が可能な特別なマーカ付きエンコーダフラグの提供を予定しています。マーカはシステムで検出され、可動子の順番は不変になります。

Q) 可動子がサポートする最大荷重 (x, y, z) の情報はありますか?

A) 最大荷重の決定はやや難しい点があります。

可動子には600g程度までの荷重を追加できます。(可動子350g + 600g ≒ 1000g、現在、この値が最大値であり、この値を超えると可動子のチューニングに問題が発生します)

また、最大荷重は可動子に付加する位置に依存します。600gの負荷を可動子の上面に設置すると、特にカーブで必要とするトルクが過大となります。最適な位置はマグネットにできるだけ近い位置であり、この位置が可動子の中心線上になります。

この位置を選択すれば最適なチューニングを行えます。x-, y-, z-方向に対する指定値に関するデータはありません。