コンパクトドライブ
EL7211の設定
コンパクトドライブターミナル
EL7211を使用した設定方法
ベッコフのコンパクトドライブターミナル EL7211を使用した場合の、TwinCAT3での設定方法をご紹介します。
コンパクトドライブをスキャン、各種パラメーターの設定、TwinCATのアクティベート、論理軸を操作してモータを駆動します。
コンパクトでありながら高性能 - EL7211 ドライブターミナル
幅24mmと非常にコンパクトなスライスI/O形状でありながらサーボアンプの機能を果たします。モーターの動力とブレーキ、エンコーダを1本のケーブルに集約したOCT(One Cable Technology)ケーブルでコンパクトモーターと接続して使用します。
ターミナル前面からアクセスできる端子には、エンコーダフィードバック用の信号線、モーター動力3線、ブレーキ電源とモータ電源(DC電源、最大48V)があります。
EL7211の場合、最大定格出力は276W、容量は4.8Aとコンパクトでありながらパワフルな性能をそなえています。
EtherCATカプラおよびEtherCATケーブルを使用した配線例
写真左の緑色のEtherCATケーブルでIPCとEtherCATカプラ(EK1101)を接続
EtherCATフレームはカプラに接続されたスライスI/Oを経由してEL7211に到達
EL7211 ステータスLEDは診断に便利
コンパクトモーターAM8111を使用した配線例
AM81xxシリーズは、コンパクトドライブターミナルと直接接続できるベッコフのモーター製品群
AM8111-1F21-0000の仕様詳細は左図(枝番の意味)を参照
定格トルク :0.2Nm
定格出力 :36W
定格回転数 :1700/min(24V), 4500/min(48V)
オレンジ色のモーターケーブルは、モーター動力とブレーキ、エンコーダを1本のケーブルに集約したOCT(One Cable Technology)技術を搭載しています。これにより、1本のケーブルでコンパクトドライブターミナルとモーターを接続できます。
TwinCAT3 でデバイスをスキャンします。
Devicesを右クリック
Scanを選択
[EtherCAT]と表示されるデバイスがEtherCATマスタデバイスに対応しています。
Device [EtherCAT] のみ選択されていることを確認
OKをクリック
EL72xxに接続されたモーターも同時にスキャンするかどうか確認するダイアログが表示されます。
はい(Yes) をクリック
※これはベッコフのドライブの機能で、電子銘板を内蔵したモーターが接続されている場合は、ドライブと一緒にスキャンできます。
EtherCATドライブ(EL7211)が見つかり、構成されました。TwinCATでドライブを追加すると、同時に論理軸も追加するかどうか確認されます。
Cancelをクリック
※今回は既に論理軸を作成済みなので、自動生成はしません。まだモーションの構成がない場合にOKを選択するとTwinCATは自動的にモーションの構成を生成し、ドライブの数に合わせて論理軸を追加します。
Active Free Runのダイアログに対して、いいえ(No)を選択
接続したEtherCATターミナルが認識され、画面左側 Solution Explorer に追加されました。
Term1 (EK1101) : EtherCATカプラ
Term 2 - 10 (ELxxxx) : EtherCATターミナル
Drive24 (EL7211-0011) : コンパクトドライブターミナル
コンパクトドライブターミナル EL7211の設定をします。
Drive (EL7211-0011)を選択
Drive Managerタブをクリック
※他社のドライブでは設定ツールをドライブに接続して設定することが一般的ですが、ベッコフのドライブでは、TwinCATに統合されたDrive Managerが設定ツールの役割を果たします。
Drive Managerから電源の設定をします。
Power Managementを選択
24V DCを選択(システムの仕様に合わせて選択)
モーターが正しく認識されているか確認します。
Motor and Feedbackを選択
Motor TypeとFeedback Typeに型番が反映されていることを確認
次にモーションの論理軸とデバイスを紐付けます。
Scaling and NC Parameter を選択
リンクしたい論理軸を選択します。
ChannelA <=>No link をクリック
Xを選択
Linkをクリック
スケーリング(モータ1回転でスライダが何ミリ移動するか)の設定をします。
Feed constant に任意の値を入力(ここでは10mmに設定)
自動算出値が赤色表示になっている事を確認
※赤色で表示されているパラメーターは、設定したスケーリングの値に基づいて自動計算された論理軸のパラメーターです。これらの値はまだアクティベートされていない状態です。
Set NC Parameters をクリック
OKをクリック
X軸を選択
Parameterタブをクリック
Scaling and NC Parameterの自動計算値が反映されていることを確認
Drive Managerに戻って、ドライブのOPモードの設定をします。
Drive(EL7211-0011)を選択
Drive Managerタブをクリック
Process Data/Operation Modeを選択
Cyclic synchronous position mode (CSP)を選択
※ベッコフのEtherCATドライブは、製品によって異なるOPモード(オペレーションモード)をサポートしています。このモードはPLCプログラムから動的に変更することもできますが、デフォルトのモードはここで設定できます。
(OPモードの例)
CSVモード:速度指令モード(コントローラーから周期的に速度指令を出すモード)
CSPモード:位置指令モード(コントローラーから周期的に位置指令を出すモード)
(参考:CoEオブジェクト 初期設定データの確認方法)
Startupタブを選択
CoEオブジェクトの初期設定データ一覧が表示される
(参考:ドライブプロファイルの確認方法)
Generalタブを選択
Typeの欄に記載
DS402 (国内サーボメーカはこちらが多い)
MDP742(EL72x1出荷時の設定はこちら)
(参考:EEPROMのアップデート方法 - DS402/MDP切り替え方法)
EL7211があるEtherCATマスターを選択
Onlineタブを選択
Drive(EL7211-0011)を右クリック
EEPROM Update... を選択
(参考:EEPROMのアップデート方法 - DS402/MDP切り替え方法)
対象の型式を選択
MDPなら上
DS402なら下
OKをクリック
Save Allアイコンをクリックして、すべての変更を保存します。
TwinCATをアクティベートします。
Activateアイコンをクリック
OKを選択
TwinCATをRunモードにするかのダイアログに対して、OKを選択
モーターを駆動する前に、TwinCATがRunモードになり、論理軸を操作する準備ができているか確認します。
Drive (EL7211-0011)を選択
Drive Manager タブを選択
Runモードになっていることを確認(緑色アイコン)
Axis Readyを確認