EtherCATネットワークの診断

EtherCATスレーブのインジケータ

EtherCATスレーブにはRUN (緑) とERROR (赤) インジケータ、またはこれらの両方を1つの組み合わせたSTATUSインジケータを実装しているものがあります。インジケータの点灯状態によってスレーブの動作状況を知ることができます。動作状況の詳細は、EtherCATステートマシンのページを参照してください。Runインジケータの点灯とスレーブの状態を示します。

ERRORインジケータの点灯とスレーブの状態を示します。

STATUSは緑と赤の2色のインジケータで、それぞれの色でRUNとERRORを表示します。

点灯状態の用語の詳細を示します。

    • ブリンキング : ゆっくり点滅 (200msごとに点滅)

    • フリッカリング : 速く点滅 (50msごとに点滅)

    • シングルフラッシュ : 200ms点灯、1秒消灯の繰返し

    • ダブルフラッシュ : 200ms点灯、200ms消灯、200ms点灯、1秒消灯の繰返し

全スレーブのオンライン表示

EtherCATポート「Device x (EtherCAT)」をクリック、右画面の「Online」タブを選択すると、全スレーブの状態と通信状態を確認できます。

① は、Term13で障害が発生し、スレーブがError状態となり、OPからPreOPに遷移したことを示しています。

② は、Term 10のポートC (3番目のポート) のリンクが切れていることを表しています。

③ は、Term16以降のスレーブでマスタと通信できない状態になっていることを表します。

② と ③ からこの経路のケーブルが断線またはコネクタとの接触不良がないかを確認します。

④ のエリアは通信フレームのカウンタを表示しています。

Cyclic: プロセスデータの周期通信のフレーム

Queued: 非周期のメッセージ通信やレジスタ設定のフレーム

Send Frames: TwinCAT起動後の送信フレーム数

Lost Frames: 送信フレームに対して受信フレームが戻らなかった場合にインクリメント

Tx/Rx Error: 送信(Tx)または受信(Rx)フレームが破損している場合にインクリメント

⑤ のエリアは各EtherCATポートでCRCエラーのあるフレームを受信時のカウンタを表しています。この値がカウントアップされている場合はその経路のケーブルを確認します。

エキスパート向け情報: この表の項目欄を右クリックするとモニタリングする項目としてEtherCATスレーブコントローラのレジスタを追加し、詳しい診断ができます。

ログウィンドウ

TwinCAT 3 XAE内のError Listウィンドウにはエラー、警告、メッセージが表示されます。

Message: (情報) 動作状態を通知するメッセージ

Warning: (警告) 回復可能な軽微の障害

Error: (障害) 復旧作業が必要な障害

ネットワークトポロジ

EtherCATネットワークの構成ををグラフィカルに表示できます。

EtherCATポート「Device x (EtherCAT)」をクリック、右画面の「EtherCAT」タブを選択し、「Topology」ボタンをクリックします。

「Topology」ウィンドウではトポロジと一致したEtherCATスレーブのネットワーク構成が表示されます。

EtherCATスレーブにマウスカーソルを重ねると、スレーブの情報が表示されます。

メニューバーの説明

View: トポロジの表示サイズ(Zoom)を1.0, 1,5, 2.0から選択。デフォルトは1.5 (上の図は2.0で表示)

Offline: オフライン情報 (TwinCATの設定情報) でトポロジを表示

Online: オンライン情報 (実ネットワークの状態) でトポロジを表示

「Online」メニューで「Show Topology」を選択すると、実ネットワークの状態を確認できます。

下図の例では、ネットワークケーブルの障害により右下のEtherCATスレーブとの通信障害が発生していることがわかります。

スレーブの上の緑のバーは正常、赤のバーは異常を表します。

エマージェンシースキャン

EtherCATスレーブを繰返しスキャンして、障害の発生しているスレーブを特定できます。。

EtherCATポート「Device x (EtherCAT)」をクリック、右画面の「EtherCAT」タブを選択し、「Advanced Settings」ボタンをクリックします。

「Advanced Settings」ダイアログのツリーメニューから「Emergency」→「Scan」を選択します。

「Start Scan」ボタンをクリックすると、「Send Test Frames」エリアで設定した回数のスキャンを各スレーブに対して行います。

スキャン回数のデフォルト値は100です。

スレーブ一覧の説明

No.: スレーブの順番

Type: スレーブの名称と種別

Link: 現在の接続で使用しているEtherCATポート

Before: INポートがつながっているスレーブの番号とポート

Quality x of y: x(成功したスキャンの回数), y(実行したスキャンの回数)