リモートシステムへの接続

ローカルとリモート

TwinCAT 3のXAEとXARを1台のPCで運用する場合、ターゲットシステムは既定の<Local>のまま使用します。

開発用のPCにXAE、実行用のPCにXARとする場合、両者をLAN経由で接続し、リモートシステムの選択を行います。

ファイアウォールの設定

TwinCATでは開発用PCのXAEと実行用PCのXAR間をADS over Ethernetで通信します。ADS over EthernetではTCPおよびUDPのプロトコルを使用します。このためファイアウォールをADS over Ethernet通信が通過できるように開発用PCと実行用PCの両方で対応するポートの例外設定をします。

Build 4024からSecure ADS通信が追加され、Secure ADSを使用する場合は追加の例外設定が必要になっています。B4022以前のXAEやXARを使用する場合は、Secure ADSは使用できません。以下の説明でSecure ADSを選択せずに設定を行ってください。

以下に設定条件を示します。

Windows 10のファイアウォールの設定方法はマイクロソフト社のWindows Defender ファイアウォールを介してアプリを許可する際のリスクのページを参照してください。

サードパーティのファイアウォールの設定方法は、ソフトウェアの説明書を参照してください。

リモートシステムへの接続準備

開発用PCにXAEを、実行用PCにXARをインストールし、両PCをLANで接続してください。

開発用PCと実行用IPCのLANポートのIPアドレスは、同じネットワークセグメント内の固定アドレスを設定するか、DHCP (IPアドレスを自動的に取得する) のままクロスケーブルで直結してください。

TwinCAT 3 XAEのプロジェクトを開始します。

TwinCAT 3 XAEツールバーのアイコンから「Choose Target System」を選択します。

Choose Target System ダイアログの「Search (Ethernet)」ボタンをクリックします。

Add Route ダイアログが表示されます。

「Address Info」のラジオボタンで「IP Address」を選択し、「Broadcast Search」ボタンをクリックします。

「Broadcast Search」を行うネットワークアダプターを選択します。接続先のXARが動作しているIPCと同じネットワークセグメントに接続しているネットワークアダプターを指定し、「OK」をクリックします。

同じネットワークセグメント内のTwinCATが動作しているPCがリストアップされます。

「Broadcast Search」実行時に接続対象のIPCが表示されないときは、ファイアウォールの例外設定が正しく行われていること、XARのIPCとXAEの開発用PCが同じサブネットであることを確認してください。

リモート接続先の実行用PCを選択し、「Add Route」ボタンをクリックします。

この例では「2349522-007」が実行用PCです。

デフォルトでは、Secure ADSは選択されていません。B4022以前では、このままXARのIPCの管理者権限のユーザー名とパスワードを入力してください。

Secure ADSをチェックすると、画面が変わります。

XARのIPCの管理者権限のユーザー名とパスワードを入力し、「OK」をクリックしてください。

(注) 過去のベッコフ製IPCの出荷時設定は「1」です。現在は、最初の起動時にパスワード変更画面が表示され、変更を促すようになっています。

Secure ADSのルート設定に成功すると、「Connected」欄に「🔒」が表示されます。標準のADSの場合は「X」が表示されます。「Close」ボタンをクリックしてAdd Routeダイアログを閉じます。

タイムアウトなどにより、初回の「Add Route」に失敗することがあります。この場合、再度「Add Route」からの手順を実行してください。Firewallの例外設定、XAEとXARのPCが同じサブネット内(例192.168.1.xのように最初の3オクテットが同一で、サブネットマスクが255.255.255.0など)で通信可能であることを確認してください。

Choose Target System ダイアログに実行用PCが表示されていることを確認します。実行用PCを選択し、「OK」をクリックするとリモート接続を確立します。

リモート接続に成功すると、TwinCAT BASEアイコンのターゲット表示欄に接続先の実行用PC名が表示されます。

IPアドレスに変更がない限り、2回目以降はルート追加の手順は不要となります。Choose Target Systemダイアログから登録されているリモートシステムを選択してください。