IPCの電源対策
1s-UPSとは
IPC本体に内蔵された(機種によってはオプション)コンデンサタイプの簡易UPS。その名の通り電源断時に、1秒程度(実際には数秒)コンデンサに蓄えられた電荷から電源を一時的に供給し、PERSISTENT変数を保存できるような機能。そのままでは何も動作しないため、TwinCATで用意されているFBを使用する必要がある。
本体標準搭載製品:CX5xxx、CX81xx
オプション搭載製品:C6017、C6905、CX9020
1s-UPS(1秒UPS)は電源断対策向けではない
1s-UPS*は、電源断時にPERSISTENT変数を保持するための機能
TwinCATで用意されているFB(FB_S_UPS)を併用する
FBは常に電源状態を監視、電源断時にPERSISTENT変数を保存して、システムを電源断
この際、OSの正常シャットダウン処理は行われない(いわゆるぶち切り処理)
WindowsOSは、正常シャットダウン処理が必要(OSの正常起動ができない恐れあり)
UWF等でファイルシステムを保護しても、WindowsOSの正常シャットダウンは必要。
1s-UPS使用時も、正常シャットダウン処理が必要な場合は、外付けUPSを使用することを推奨
FB_S_UPS
1s-UPS搭載機で、電源断時にPERSISTENT変数のデータを保存する場合、FB(FB_S_UPS)*を使用する必要がある。
*FB_S_UPS(機種により使用するFBが異なる)
C6017/C6905等:FB_S_UPS_BAPI
CX51xx:FB_S_UPS_CX51x0
CX9020:FB_S_UPS_CX9020_U900
CX81xx:FB_S_UPS_CX81xx
1.ライブラリの追加
2.プログラムの追加
UWF
UWF(Unified Write Filter)は、Windows OSの機能で、HDD/SDD等のストレージデータと直接読み書きするのではなく、メモリー上で読み書きを行う機能。ストレージ内のデータは直接変更されていないため、ファイルの破損や誤ってファイルを削除しても、電源を再起動することで、もとの状態に戻すことができる。
またストレージへのアクセス回数が減るため、SSD等の書き込み回数に制約があるストレージの寿命を延ばすことができる。
データ書き込み時はメモリー上のオーバーレイ領域を使用する。この領域には書込み容量の制約があるため、大量データを保存するようなアプリケーションには不適。(別ストレージへ書込みする必要がある)また少量であっても長期間稼働する場合(24/7稼働)は、定期的に再起動させる必要がある。
なおUWF使用時であっても、システムディスクは保護できないため、電源断時は正常シャットダウンさせる必要がある。
1.Beckhoff UWF Managerを起動
2.Next Sessionをクリックして(緑色に)Windowsを再起動
3.再起動後、Current Sessionが緑色になっていればUWF保護中
外部UPS
1s-UPS使用時やUWFによるファイルシステムの保護を行っても、Windowsでは電源断時は正常シャットダウンの必要あり。
このため外部UPSの使用を推奨。
外部UPS使用時は、専用ソフトウェアを用いて、電源断検知時に自動的にシャットダウンする方法と(USB接続)、UPSからI/Oで信号をやりとりする方法(IPC側はFB等でシャットダウンを行う)などがある。
コンデンサタイプ*
*コンデンサタイプの場合、長期放電状態が続いた場合(コンデンサに電荷がない)電源投入後、通電状態になるまで数分かかる場合あり