論理軸の設定・
手動動作
TwinCAT NC PTP - 論理軸の設定と手動動作
TwinCAT NC PTPので論理軸を設定する方法をご紹介します。
実際にデバイスがない場合でも、TwinCATの開発環境(XAE) を使用してモーションの設定をすることができます。
ここでは論理軸を3つ設定する方法を示しています。
手動でサーボONする方法、主軸に対して従軸をカップリングして動作する方法、繰り返し動作の設定方法を順に説明します。
まず、新規プロジェクトを作成してモーションの配下に論理軸を追加します。
New Projectを作成
MOTIONを右クリック
Add New Item...を選択
NC/PTP MCIを選択
OKをクリック
Axesを右クリック
Add New Item...を選択
Multipleを3に変更
TypeはデフォルトのContinuous Axisのままにする
OKをクリック
※ここでは論理軸を3つ設定する方法を示していますのでMulipleを3にしています。必要軸数を自由に設定できます。
論理軸(Axis1, Axis2, Axis3)が追加されました。
それぞれの論理軸の名称を変更します。
Axis1をダブルクリックして軸名称をXに変更
Axis2をダブルクリックして軸名称をYに変更
Axis3をダブルクリックして軸名称をZに変更
※ダブルクリック以外にも軸名称にカーソルを合わせてF2を押すことで軸名称を変更できます。
TwinCATをアクティベートして、設定した論理軸を動かしてみます。
Activateアイコンをクリック
OKを選択
TwinCATをRUNモードに変更します。
「Restart TwinCAT System in Run Mode」に対してOKを選択
右下のTwinCATアイコンが緑色に変わり、Runモードに移行したことを確認します。
X軸の設定方法を詳しく見てみましょう。
X軸を選択
Onlineタブを選択
※こちらのOnlineタブが論理軸を操作するためのコントロールパネルになります
X軸のサーボON(サーボイネーブル)を設定します。
EnablingのSetをクリック
Controller, Feed Fw, Feed Bwにチェック
Overrideは100に設定
OKを選択
※Feed Fwにチェックを入れると前進指令を受け付けます。
※Feed Bwにチェックを入れると後退指令を受け付けます。
X軸を手動でサーボONします。
「+」のコマンドボタンをクリック(またはF3で入力も可能)
座標軸が+に変化することを確認
ステータスが変化することを確認
※コマンドボタン「+」,「++」にはあらかじめ前進速度が、「ー」, 「ー ー」には後退速度が設定されており、Override に入力した値の割合に応じた速度を出力します。
残りの2軸は、別の設定方法でサーボONします。
Axesをクリック
Onlineタブを表示
※(参考)Onlineタブのパラメータ
Actual Pos. :各軸の座標
Setp Pos.:指令位置
Lag Dist.:偏差
Setp Velo.:速度
サーボONしたい軸をすべて選択
右クリック
Enable Controllersをクリック
Set Enablingダイアログが表示されます。
Controller, Feed Fw, Feed Bwにチェック
Overrideは100 に設定
Allを選択
※3.の操作でAllの代わりにOKを選択すると、選択した軸を上から順にそれぞれ設定できます。
動作させたい軸を選択してコマンドボタンを押すと動作します。
軸を選択
コマンドボタン「+」をクリック
各パラメータが変化し軸が動作すること確認
X軸を主軸、Y・Z軸を従軸にして電子ギアでカップリングします。
まず、Y軸から設定します。
Y軸を選択
Couplingタブを選択
Master AxisのプルダウンからX軸を選択
Coupling ModeはLinear(電子ギア)を選択
Coupleボタンをクリック
Setposition Pos.の数値が赤くなったことを確認
Coupleボタンが無効化し、DecoupleとChange Factorボタンが有効になったことを確認
同様にZ軸も設定します。
Z軸を選択
Couplingタブを選択
Master AxisのプルダウンからX軸を選択
Coupling ModeはLinear(電子ギア)を選択
Coupling Factor(ギア比)は-1に設定
Coupleボタンをクリック
※ギア比が1の場合、従軸は主軸に対して同じ移動量で動作します。ここでは、ギア比を-1として主軸と反対方向に移動して差を見ます。
主軸と従軸の動きを見てみましょう。
Axesをクリック
X軸を選択
コマンドボタン「+」をクリック
X軸が+方向へ動くことを確認
Y軸がX軸と同じ座標値で+方向へ動くことを確認
Z軸はX軸と正負逆の座標値でー方向へ動くことを確認
※従軸であるY軸とZ軸を選択してもコマンドボタンはグレーアウトして指令を受け付けない状態になっています。
X軸に繰り返し動作を設定します。
X軸を選択
Functionタブを選択
※ここでは、2地点の間を繰り返し移動するシーケンスを設定します
繰り返し動作をしていることを確認するために座標値を0にします。
Set Actual Position を0に設定
Setをクリック
座標値が0になることを確認
※再起動すると座標値はDrive側のエンコーダの値に戻ります。
Start ModeのプルダウンメニューからReversing Sequenceを選択
Target Position 1に0を入力
Target Velocityに100を入力
Target Position 2に300を入力
Startをクリック
※Idle Time(待ち時間)は必要に応じて設定してください
Position 0 - 300を何度も往復することを確認
Stopを押して停止
(参考)エンコーダのオフセット値は以下の手順で設定できます。
Encを選択
Parameterタブを選択
Position BiasでDrive側のエンコーダとMOTIONのエンコーダのオフセット値を設定
(参考)エンコーダのギア比は以下の手順で設定できます。
Encを選択
Parameterタブを選択
Scaling Factor Numerator = ギア比(分子)でシャフト1回転で
何mm進むか設定
Scaling Factor Denominator = ギア比(分母)でシャフト1回転で
何パルスか設定