三輪 壽雪みわ じゅせつ

教育・文化

「鬼萩」を創生した萩焼人間国宝

【生没年】明治43年(1910)平成24年(2012)

【享年】103

【誕生地】山口県阿武郡椿郷東分村(萩市椿東)

【墓】萩市椿東

旧長州藩(萩藩)御用窯三輪家の第9代雪堂の三男として生まれる。本名は節夫。萩中学校(現在の山口県立萩高等学校)を卒業後、兄の第10代休雪(のちの休和)を助けて家業に従事し、川喜多半泥子にも師事した。

昭和42年(1967)に第10代休雪が隠居し、第11代休雪を襲名する。萩焼の伝統を継承しながらも、「鬼萩割高台茶碗」などに見られるような独創性あふれる豪快な作風で、作陶の世界に新風をもたらした。昭和47年に山口県指定無形文化財「萩焼」の保持者に認定された。

昭和58年、国の重要無形文化財「萩焼」の保持者、いわゆる「人間国宝」に認定される。兄休和とともに陶芸界では前例を見ない兄弟人間国宝となった。平成15年(2003)に休雪名を長男の龍作(第12代休雪、現在の龍氣生)に譲り、自らを壽雪と号した。

多くの公募展・企画展などに出品し、萩焼の名声を高めるとともに、わが国の芸術文化の振興に貢献した。また、長年にわたり社会福祉協議会へ多額の寄付をし、社会福祉の充実にも寄与した。


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