松村ノブ(まつむらのぶ)

萩地域

小萩人形の創始者

【生没年】明治25(1892年)- 昭和46(1971年)

【享年】 80 歳

【誕生地】阿武郡萩町川島(萩市)

【墓】萩市椿東椎原(円福院)

小さい頃から絵画、手芸、工作に秀で、金襴や緞子などの上質の布地の端切れを利用して上品で小さな舞踊人形を創作していた。昭和7年(1932)萩市の市制施行をきっかけに、婦人対象の授産事業として人形製作がとり上げられ、松村ノブを指導者に翌8年から萩市の有志婦人たちを中心に小萩人形の製作が開始された。 昭和10年(1935)に開催された「萩史蹟産業大博覧会」に小萩人形が初めて出品され、のちには皇室へも献上された。戦後、小萩人形は萩を代表する名産品となり、国内各地に出荷されるとともに、アメリカなどにも輸出された。 小萩人形は題材を歌舞伎や舞踊にとり、顔を布で製作するのが特徴で、人形作家辻村ジュサブローに大きな影響を与えた。辻村は、「若い頃、松村ノブさんの人形に出会い人形作家を志した。私の人形の原点は、ノブさんの小萩人形だ」と、述懐している。 昭和27年(1952)市制20周年には、文化功労者として表彰を受けた。昭和41年(1966)の「遊女」が最後の作品となった。

(C)萩博物館

松村ノブ