戸塚きく(とつかきく)

教育・文化

フランス刺繍の第一人者

【生没年】明治31(1898年)- 平成14(2002年)

【享年】 105 歳

【誕生地】阿武郡椿郷西分村(萩市椿)

【墓】兵庫県西宮市(満池谷墓地)

阿武郡立実科高等女学校を卒業後、大正5年(1916)入院先の病院でフランス刺繍に出会う。退院後、上京して日本にフランス刺繍をもたらした村山岩の内弟子となり、多くの作品を生み出した。 戦前、戦中、戦後を通じ、刺繍の研究、改良につとめ、昭和27年(1952)「戸塚刺しゅう協会」の前身となる「戸塚協会」を兵庫県西宮市に設立した。昭和31年、初の教則本『フランス刺繍と図案1集』を監修し、刺繍普及のため寸暇を惜しんで全国各地を巡った。 昭和45年(1970)大阪で開催された万国博覧会に全国の会員たちが刺繍した大タペストリーを出展、以後、ベルギー・ブルガリア・デンマーク・アメリカ・オーストリア・中国・韓国・タイなど海外でも刺繍展を開催した。 平成10年(1998)には、100歳を記念して、戸塚きく物語「大輪」が東京と大阪の劇場で特別公演された。「戸塚刺しゅう協会」は、「刺繍を通して平和な社会づくり」の理念のもと、国内61の支部のみならず、台北やバンコクなどにも支部を置いて活動を続けている。

(C)萩博物館

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