ベナン
アフリカの奴隷の始まり、供出したのはこの国「ベナン」が発祥の地であった。
【MAP】
ベナンは奴隷海岸に面している
ベナン 面積、日本の約3分の1、人口1150万人
首都ポルトノボ 人口26万人
最大の都市コトヌー 人口68万人
【入国】
隣国トーゴからベナンへ、ベナンは珍しい青空オフィス。質素を感ずる。
トーゴのソコデからベナンへの国境は簡素手続き。かなり質素。
中国が作った舗装道路、「思惑道路」と名付けた。
小さな街の学校
未だ子供は重要な労働力であると共に、学校自体が無い地域も多い為、高度な義務教育は達成されていない。15歳以上の国民の識字率は34.7%(男性47.9%、女性23.3%)である。
殆どが歩いており、交通手段は見られない
ベナンのヴォドゥンの教会
ホテル、看板さえ見当たらない
荒野の道路沿いにポツンと1件、体験型ホテルらしい
【村の生活様式】
ベナンの一般的生活
青空炉端
内部の炉端
もみ殻を飛ばす
アフリカ女性の服はカラフル
すぐポーズをとってくれる。写真を見ると大喜び。カメラなどの文化は無い。
ナツメヤシとネギの作業
ネギの栽培
経済 人口の増加や格差の拡大のために貧困を十分に削減するには至っておらず、およそ半分の国民が1日1.9米ドル以下で生活している。
【ナツメヤシ】
【原始宗教 ブードウ教 】
ブードゥ教の祭壇
ブードゥ教最大規模の聖地ダンゴリ
ダンコリの看板
砦の様な、異様な感じ
☆ダンコリ(ブードゥ教最大規模の聖地)
ベナン全国、隣国のトーゴやナイジェリアからも御祈りに来る信者がいるほど有名地である。
お祈りの方法は、まず木の杭二本を男性用女性用と分かれた小山に祈りを込めながら打ち付け、そこへパームワイン、パームオイルを口に含み吹きかける。
そしてその祈りが通じた暁には、再びここを生贄のヤギや鶏と共に訪れ、その血をささげ、肉はダンゴリの人々にあげるそうである。
600年前にダンゴリという人によって行われた。この周辺はひどい匂い(オイルの臭いか)と血の臭いで充満している。異様な雰囲気である。
一心不乱に祈る信者
杭二本を打ちつけ祈る
生贄のヤギや鶏の肉を待ち続ける周辺の住民
オイルの臭いと血の臭いで異様
ブードゥー教の祝日
☆ブードゥ教とは
ブードゥ教は民間信仰である。西アフリカで広く信じられており、ベナンの国教となっている。
「宗教」と規定されることも多いが、教義や教典がなく、また宗教法人として認可された教団も皆無で、布教活動もしないため、民間信仰といった方が現状に即しているといえる。その儀式は太鼓を使ったダンスや歌、動物の生贄(いけにえ)、神が乗り移る「神懸かり」などからなる。ブードゥを取り仕切る神官は、オウンガンと呼ばれる。
アフリカの民間信仰なども含めたブードゥならびに類似信仰の信者は、全世界で五千万人にも上るという。これはチベット仏教の三千万人を遙かにしのぐ数字である。
ブードゥは植民地時代の奴隷貿易でカリブ海地域へ強制連行されたダホメ王国(現在のベナン)(後術)のフォン人の間における伝承・信仰がキリスト教(カトリック)と習合した事によって成立した。したがってブードゥの中には聖母マリアなどキリスト教の聖人も登場する(イエスはあまり登場しない)。
しかし、あくまでも白人による弾圧を逃れるためにアフリカの民間信仰の文脈の中に表面上、キリスト教の聖人信仰が組み込まれただけなので、信仰の骨子はアフリカ時代とほとんど同じである。
【アフリカ奴隷の発祥の地】
奴隷狩りの地、タタソンバ郷とタンバルマ郷
奴隷貿易を始めた最大の人物ダホメ王国の ゲゾ王
【ダホメ王国 系図】
近衛兵部隊として創設
6千人を越える大部隊
【奴隷狩りで被害のあった村は今・・・】
被害が多かったタタソンバ郷とタンバルマ郷を訪れる。
街はずれの道路沿いに学校が、校庭は整然。ここからタタソンバ郷に入る。
タタソンバ郷を訪れる
今日は青空学校か
学校の横を通り抜け、伝統住宅へ
奴隷狩りや猛獣から守るための住まい。壁の暑さは1mほど。
土着信仰(アニミズム)の生贄の動物の骨が入口に飾れている。
屋根は茅葺
1階部分、石のまな板類
1階部分には家畜と年長者の寝床、食器が散乱
2階は穀物(トウガラシ)や種などを干す
2階:若い子供達の部屋
2階:若い子供達の部屋 敵が来ると扉を閉める
タタソンバ郷に暮らすソンバ族
長老の奥さんも裸足
この子供達は学校にも行けないのだろうか
タタソンバ郷に暮らすソンバ族
長老の奥さんも裸足
この子供達は学校にも行けないのだろうか
大きな木(バオバブの一種)が伝統宗教のシンボルであろう
少年、種族を表すために、生まれるとすぐに模様をつけると言う。まるで畳で昼寝をした後の様
住まいの周辺にはトウモロコシやバームオイルの樹
ベナンの主要産業 農業(綿花、パームオイル)、サービス業(港湾業)
【タンバルマ郷】
タタソンバ郷、泥の住居で壁は厚く、要塞化した住まい
入口には厄除けの動物の骨、プードゥ教であろう
入口には厄除けの作物、プードゥ教であろう
旅を終えて
期待通りのベナンの国であった。ブードゥー教という民間信仰は、アフリカの社会構造を根底から崩した、奴隷狩りから起こったものであろうと思われる。悲しい歴史から生まれたと言えよう。
要塞のような住まい、未だ信じられている生贄、劣悪な生活・・・
どれもこれも地球上のアフリカの現実である。
テレビもディジカメも、携帯電話も無い。我々を見る目は宇宙人かと目に映るようなものであろう。日本からの観光客もよほど物好きなメンバーしか行かないこの地帯である。
この様な文化でも良い。知らなくても幸せそうだ。変な文化などない方が良いのかも。
奴隷狩りさえなければ、昔からここは平和だったのである。
それにしても、奴隷狩りはヨーロッパの当時の先進国だとばかり思っていたが、アフリカのこの当地の部族達が起こしたものであった。何と人間は「業深い動物か」としみじみ考えさせられた。
【政府の指導者】
タロン ベナン大統領 1958年生 63才 政治家、実業家。
・綿花産業との関わりから「綿花王」として知られる。
・タロンは、前大統領ボニ暗殺の陰謀に加担していたとして逮捕され、2012年にフランスに亡命した。その後、2014年にタロンは赦免された。
・2016年大統領当選。
・2021年4月11日の大統領選挙では有力な対立候補を立候補失格としたり国外逃亡に追い込むなどしたこともあり、得票率86.3%で再選された。
・反タロン大統領派の著名人物は、その大半がすでに国外に逃れた。ボニ・ヤイ氏は国内にとどまっている反大統領派のシンボルと見なされていた。
かつて地域における民主主義の模範とみられていたベナンが独裁主義的な状態に戻るのではないかとの懸念が高まっている。
ベナン編 終わり