グアテマラ
【MAP】
メキシコの隣国
古代マヤ文明の遺跡が多い
一挙に中米7カ国を巡る旅
パン・アメリカン・ハイウェイ
パン・アメリカン・ハイウェイは、北はアメリカ:アラスカ州のフェアバンクスから、南はアルゼンチン:パタゴニアのウシユアイアまで、その長さは48,000km。日本列島を2,000kmとすると、日本列島の24倍の長さとなる。
14か国を通過する世界で最も長いハイウェイの一つである。
この各国の国境でパスポート、荷物のチェックを受けて、場合によっては入国管理官事務所での面接、あるいは担当官がバスに乗り込んできての眼光鋭いチェックを受けることになる。
この地域での写真撮影などは厳禁である。特に発展途上国などはより厳しい。添乗員もガイドも緊張を強いられ、時によっては暗黙のうちに袖の下(賄賂)を要求されるようだ。断っても良いが、嫌がらせで半日も待たされるので、ここは彼らの腕の見せ所(?)となる。
【グアテマラとは…)
ワンポイント情報
・面積 北海道と四国を合わせた大きさ
・人口 1,700万人
・首都 グアテマラシティ(人口200万人)
・民族 マヤ系先住民41.7%、メスティソ(欧
州系と先住民の混血)・欧州系56%
・言語 スペイン語
・宗教 キリスト教
・略史 1523年スペイン侵略(300年間)~1821
独立~1960-1996(36年間)内戦
・産業 農業(コーヒー、バナナ、砂糖、カル
ダモン、食用油脂)、繊維産業
・貧困 国民の半数以上が1日5ドル以下で生活
する貧困層と推定
国民の約1割以上(200万人以上)が米国に
移住し、海外送金が貧困家庭の家計を支える
【首都グアテマラシティ】
グアテマラシティの中心街
ビルが立ち並ぶ首都
メイン通り
アメリカ資本のスーパーが目立つ
グアテマラシティの主要幹線には近代ビルがポツポツ
グアテマラシティ市内に近い郊外にもビルが
首都グアテマラシティ
標高約1500mの高原地帯に位置しており、中米屈指の世界都市であり、人口は200万人を上回るほどと推定される。
街は峡谷の間にある盆地に隙間なく建物や住居が敷き詰められている。
市内はアメリカからの大手スーパーやホテル等が目立つが、一歩離れると貧民街が多数目立つ。バスでの移動や日中は安心のようだが、繁華街や夜の外出は絶対禁止と言われる。
貧民街
掃除用具を売る人。動くホームセンタ?
この人は車用品販売、「オートバックス」の出張販売員? どこでも国民はたくましい
マヤの民族衣装
【古都アンティグア】
グアテマラの古都「アンティグア」の街とアグア火山
古都アンティグア
アンティグア はグアテマラ南部、グアテマラシティ近郊にある古都。1773年の地震で壊滅的な打撃を受けるまで、ここにグアテマラの首都が置かれていた。
1979年世界遺産登録。 遠方はアグア火山
十字架の丘はキリスト教12使徒の一人である聖ヤコブ(スペイン語でサンティアゴ)を守護聖人としている
サンティアゴの騎馬像
アグア火山 標高は3,765m 富士山は3773m
左はアグア火山(3765m)と右がアカテナンゴ(3976m)
街並はブーゲンビリヤの花が彩りを添える
石畳の街から見るアグア火山はひと際美しい
十字架の丘から見るアグア火山
石畳の街から見るアグア火山はひと際美しい
カラフルな街
油絵と水彩画売り
マヤ民族の民芸品露天売場
各村から手作りの民芸品を持って、売りさばく人々
絨毯売り
アグア火山
何処から見ても美しいアグア火山(左)。グアテマラにある8つの活火山の一つで、常に頂上からは薄煙がたなびいている。1541年9月9日、この火山の中腹にあった首都でグアテマラ総督就任式がおこなわれた翌10日大爆発が起こり、街は壊滅、総督も死んだ。この山を見る日本人は等しく「グアテマラ富士」と言う。 更に左の低い山(ここでは見えない)がフエゴ火山で、右側がアカテナンゴ。フエゴ火山はそれでも標高は3763m。アグア火山とたった3mの差でしかないし、富士山とも16mの差でしかない。右側のアカテナンゴは標高3976mもある。 このアグア火山の中腹では、良質なグアテマラ・コーヒーが取れる。
ディスカウントに快く応じるマヤの人々
サンタ・カタリーナ教会の時計塔
教会内には絨毯かと思いきや、色を付けた塩で模様付け
【グアテマラ産コーヒー 】
アンティグアのコーヒー畑
世界第10位に入るグァテマラコーヒー
アンテイグア 中腹は良質なグアテマラ・コーヒー畑
グアテマラ産コーヒー
グアテマラのコーヒーノキは、1750年代に
修道士により持ち込まれた。
グアテマラは国土の約70%が火山に囲まれた山岳地帯で亜熱帯気候。寒暖差が大きく雨量が豊富で、火山灰の土壌であるなど、コーヒーノキを栽培するのに適した環境である。
特に古都アンティグア(標高1520m)は、グアテマラコーヒーの代名詞的な存在のコーヒーと言える。コーヒー豆の輸出先は、アメリカ、カナダに次いで日本となっている。
グアテマラ産のコーヒーは、標高が高くなるほど風味が豊かになり、品質も良くなる。標高1,300m以上が最高等級。グアテマラ産コーヒーはフルーティーな酸味と花のような香りが特長。
コーヒーの苗
コーヒー園の女性
グアテマラ産コーヒーはフルーティーな酸味と花のような香りが特長
美味しいコーヒ
【マヤ文明の遺跡】
キリグア遺跡
ティカル遺跡
ジャングルに浮かぶ神殿ピラミッド
ティカル遺跡の4号神殿から朝日を見学するため、4時前にホテルを出発。延々1時間密林を歩いてきたが、本日は霧
たっぷり8時間のジャングル・トレッキングは体力勝負
ティカル遺跡
ティカルは、グアテマラのペテン低地にあった古典期マヤの大都市である。マヤ文明の政治、経済中心都市として2,500年前に繁栄を極めた。ティカルの遺跡は1979年に世界遺産の複合遺産に登録された。
17世紀末、ひとりのスペイン人神父が道を見失い、鬱蒼とした密林の中に迷い込んだ。何日も歩き続け、水も食料も尽きようとしたその時、神父はジャングルにそびえる巨大ピラミッドを発見した。これが熱帯雨林地帯で栄えたマヤ最大の神殿都市ティカルである。マヤ人たちは焼畑農業でトウモロコシをつくって主食にしていた。次々に森林を切り開いていくことで人口を養っていた。
古典期マヤにおいては、カラクムルとともに二分する巨大な勢力でいくつもの都市を支配下においた。
王が政を行ったピラミッド群の周囲に6万人もの人々が暮していた。ティカル周辺には大きな川もなく、鬱蒼としたジャングルだけが広がっている。また、乾季になると雨は全く降らない。ティカルの人々にとって雨季に降った雨水を確保することが生きる為に最も重要なことであった。しかし、ティカルの大地は石灰岩で出来ているため、雨水はすぐに浸み込んでしまう。そこで人々はピラミッドなどからの建造物から大地に至るまで町の全てを漆喰で塗り固めた。漆喰は水を通さないので、水は貯水池に溜められ、大切に利用されていた。徹底した水の確保により、大河無き密林にありながら、都市はどんどん発展していった。
しかし、その裏で文明崩壊のカウントダウンが始まっていた。原因は漆喰であった。漆喰を作る為には石灰岩を燃やさなくてはならない。その燃料となるのが周囲の密林の木々。水を確保するには森を破壊することを厭わなかった。やがてティカルの森は消え、そのため土壌が流れ出し、作物が育たなくなっていった。そして10世紀はじめに起こった干ばつを乗り越えることが出来ず、巨大都市ティカルは崩壊していった。
【政府の指導者】
グァテマラ
ジャマテイ グァテマラ大統領 1956年生 66才
・父方の祖父がイタリア系であり、グアテマラとイタリア
の二重国籍を持つ
・医学部を卒業し、市消防署員、グアテマラシティの都市交通局長、市の水道局長などを歴任した。
・2019年の大統領選挙で3度目にして当選した。
旅を終えて・・・
何と言っても世界遺産「アンティグア」の古都が素晴らしかった。標高1520m、日本の軽井沢より500mほど高い所にある、避暑地ともいえよう。
軽井沢と浅間山の風景に似ているようでもある。軽井沢周辺から見る浅間山の山の形も富士山のように見える。
しかし、このアンティグアの街はアグア火山の懐に抱かれている。街に立つとアグア火山が迫ってくるような錯覚さえ感じる。東京都内で空を見上げると富士山が覆いかぶさるがごときである。
そして二つのマヤ遺跡もダイナミックであった。特にティカルの、ジャングルの中から遺跡が飛び出して見える様は、メキシコ、カンボジアの遺跡を上回るものであった。
グァテマラの国民性で驚きの体験が一つあった。
国道を走っていた時の事、道路の舗装工事で10分ほど待つていた。そうすると、右から左から相手走行車線お構いなしに違法走行するではないか。対向車がくると通れなくなることは歴然であるのに・・・
案の定、ニッチもサッチもいかず道路はパンク状態。パトカーが来ても追い越しはまだやまない。
2時間半も待たされることとなった。
現地ガイドに聞くと、今日はまだ良い方ですと言う。自分さえ良ければよい、しかし、自分も良くならないのに無茶をする。その事にきずかない様だ。こういう国民性だから、スペインに、そしてアメリカに搾取される国となったのです、とガイドはため息をつく。
後日調べると、グアテマラの識字率 は67.3%、中央アメリカでもっとも低い部類であった。途上国の一番の懸案は教育であることを痛切に感じる一コマであった。 終わり