ナイジエリア
【MAP】
今回の旅は、西側のベナンからナイジェリアに入国することにした。
ナイジェリアは治安が非常に悪いので、隣国ベナンからラゴスのみの許可となる。
【世界で最も賄賂要求のきつい国境 】
ベナンから悪名高いセナ国境が至難、ガイドも緊張。「通称賄賂要求街道」
この界隈がセナ国境の入出手続きはテント
賄賂要求は5回、国境入出手続きは通常2時間程度だが、5時間も拘束された。
【ようやく ナイジェリア へ】
ここは通常、国道。しかしスピードは20k程度しか出せない。
道路は補修しない様だ。財政難?
国道沿いの商店も荒れ放題
渋滞の車の合間を物売りが
そろそろ渋滞
国境は夕方発、ホテルには夜半、諦めるよりしょうがない。
ナイジェリアでは行政機関のみならず、警察の腐敗も深刻である。国内各地に設けられている検問所では、警官が職権を濫用し賄賂を巻き上げることが常態化し、要求が認められない場合は市民に危害を加えることも珍しくない。
☆公然と賄賂を要求する警察官
ベナンから今日はナイジェリアに入国するというその朝、マリ人のガイドと運転手は異常なほど緊張している。 彼らは言う。「ここから先は誰一人信用出来ません。」とナイジェリア人の事を指して言う。アフリカ諸国の中ではナイジェリア人というと犯罪者団体というような認識で一致しているそうだ。
ベナン出国でさえ2時間半、通常は30分程度で終わるはずが、ナイジェリアに感化したのかベナン人もノラリクラリと、賄賂が欲しいのだろう。
次は問題のナイジェリア。手続きの書類が不備であるとか、必要のない書類が無いとか、イチャモンばかり並べ立てる。ガイドも早く賄賂を払えば良いだろうに、すんなり払えば足元を見られ余計に請求されるようだ。2時間でようやく解放される。
すると50m先に簡易の警察官待機所みたいな場所でストップさせる。また賄賂要求。速やかに支払い出発。しかしまた50m先で警官が停止の合図、3度も4度も賄賂を巻き上げられる。
賄賂解放から3時間程度、専用車の乗客は5時間もの間、嫌と言うほど現実を見せられた。その後は悪路、渋滞でホテルに到着したのは夜半、すさまじいアフリカの問題地区体験であった。
ナイジェリア以外のアフリカ人たちから「ナイジェリア人は泥棒だ!」という話をよく聞かされていた。
その原因は、政治腐敗によると言われている。地下資源である石油売買により得た収入を、政治家や権力者たちだけで分配し(石油収入150億ドルのうち100億ドルが使途不明のまま消えていく)、職にありつけない国民たちは生きる為に仕方なく犯罪を犯して収入を得るetcと言う事である。
また治安の悪さは有名。世界的に有名な「ナイジェリア詐欺」なんていうのもあるくらいである。悲しい事だが、貧しさ故に、犯罪に走らざるをえないのが現状なのかもしれない。賄賂で警察官の収入は正規の給料の2倍も3倍にもなると言うから驚きである。
【ラゴスの街並み】
最大の都市ラゴス、人口は1,283万人 。東京1,400万人に匹敵する。
現地ガイドは底抜けに明るい。この国の特性である。治安が悪いので車から降りずに観光する。
ナイジェリア
・面積日本の約2.5倍、約人口2億人でアフリカ最大の世界第7位、首都アブジャ。
・1914年、英領となる。
・1960年、英国から独立
・1960年の独立以降、共和制と軍事政権が繰り返され、政情は安定しなかった。
・ナイジェリアの地には過去数千年間に多数の王国や部族国家が存在してきた。
・ナイジェリアの植民地化は、1472年にポルトガル人がラゴスを建設し、奴隷貿易の拠点としたときから始まった。17世紀から19世紀を通じて、ポルトガル人、イギリス人を主体とするヨーロッパの貿易商人たちが、南北アメリカ大陸へ送る奴隷の増加に伴い海岸に多くの港を建設し、彼らはナイジェリアの海岸部を「奴隷海岸」と呼んだ。
ナイジェリア最大の都市 ラゴス
かつてナイジェリアの首都であった。人口の推計は1,283万人
アフリカではカイロに次ぐ第2位と推計されている。主にポルトガル人との黒人奴隷貿易などの取引の場となった。「奴隷海岸」 経済的・文化的な中心都市である。
市内の中心部には多くの高層ビルが立ち並び、高速道路やバイパス道路等も整備されており、一見近代的な大都市といった様相を呈しているが、それらと同じようにして大規模なスラム街が雑然と広がっている。また、ラゴスは世界最悪の交通渋滞都市としても有名である。
2013年、安定性、医療、文化・環境、教育、インフラなどの項目を数値化した「住みやすい都市ランキング」では、全世界の140都市中ワースト2位
【ボコ・ハラム 】
10年以上、イスラム教の過激派組織ボコ・ハラムによる暴力に見舞われ、1万2,000人が死亡、8,000人が身体に障害を負った。
ボコ・ハラム とは「西洋の教育は罪」という意味となる。前身組織は、1990年代中頃に設立されたイスラム教の学習グループとされる。勢力2000人。
ボゴハラムに拉致された人々
ボゴハラムに拉致された人々
【赤ちゃん工場】
赤ちゃん工場
ナイジェリアで「赤ちゃん工場」から10人救出
☆ニュース・・・・ナイジェリアの「赤ちゃん製造工場」
2011年、新生児を人身売買する目的で10代の少女たちに妊娠・出産させていた通称「赤ちゃん製造工場」が家宅捜索された。15歳から17歳の少女らが子どもを妊娠・出産させられているとの通報を受けた警察は施設を捜索し、妊娠した少女32人を保護、施設長を逮捕したという。
少女の何人かは、警察に対し、産んだ赤ちゃんを性別に応じて1人あたり約1万5500円で売りさばく話を持ちかけられたと話している。赤ちゃんはバイヤーに1人あたり約15万5000円~52万円で売られていた。摘発は2006年から行われているが、その原因の一つには、貧困にあえぐ女性たちが、現金欲しさに自ら妊娠・出産を望むケースもあるという。
児童の人身売買が行われた後は、赤ちゃんの多くは農園や鉱山、工場の働き手として、家政婦として、あるいは売春婦として売られるが、また、ナイジェリアの南東部では、新生児の売買に別の大きな動機が働いている。この地方に暮らすイボ人の社会では、婚姻外の子ども、そして子どもができない女性は「呪われた者」と見なされる。そのため、子どもがいない母親は、自分の子どもと偽って新生児を育てるためならお金を惜しまない。そのため医師の方も、一晩で大金持ちになれるというわけだ。
【首都アブジャ】
【世界の石油輸出額 第7位】
石油生産量世界12位、輸出量世界7位の世界有数の産油国であるが、潤沢な石油収入があるものの、政府の統治能力の未熟さと腐敗により、国民の生活には還元されていない。
石油収入150億ドルのうち100億ドルが使途不明のまま消えていく。
国民には殆ど還元されていない。
【腐敗認識指数】
汚職を監視するドイツの民間団体「トランスペアレンシー・インターナショナル」2019年発表
賄賂で悪名高いナイジェリアは腐敗度指数167カ国の内、136位。
まだ下があった。海賊の国ソマリア、拉致国家北朝鮮、アフガン、両スーダン、
賄賂が少なくクリーンの国家はデンマーク、フインランド、スウェーデン、ニュージーランドと続く。ちなみに日本は18位。
【最も住みやすい都市ランキング】
住みやすい都市ランキング
ウィーン:オーストリア
メルボルン:オーストラリア
オーストラリア:シドニー
大阪:日本
カルガリー:カナダ
カナダ:バンクーバー
(7位タイ)トロント:カナダ
(7位タイ)東京:日本
コペンハーゲン:デンマーク
アデレード:オーストラリア
住みにくい都市ランキング
131.カラカス:ベネズエラ
132.アルジェ:アルジェリア
133.カメルーン:ドゥアラ
134.ハラレ:ジンバブエ
135.ポートモレスビー:パプアニューギニア
136.カラチ:パキスタン
137.トリオポリ:リビア
138.ダッカ:バングラディシュ
139.ラゴス:ナイジェリア
140.ダマスカス:シリア
【政府の指導者】
ブハリ大統領 1942生 78才 2015年選挙で大統領
・知事や石油大臣歴任。1年間アメリカ陸軍戦略大学に留学
・早くから軍に所属し、軍事政権期であった1983〜85年には国家元首を務めた経験がある。
・何度も大統領選に出馬したが落選した。
・2015~19年におけるブハリ大統領1期目の功績は決して高い評価を得ていない。2015年に度々ロンドンの病院に通い、数ヶ月間ナイジェリアを不在にするなど、常に健康不安が取り沙汰されている。
・2015年大統領就任後、2019年再選。
再任後、経済、ボゴハラム対策、汚職対策ともに成果は発揮されていない。
・2015年、ブハリは15万米ドルの現金を所有と報告。その他、 5つの家と2つの泥の家、農場、270頭の牛、25頭の羊、5頭の馬、さまざまな鳥の果樹園と牧場に加えて、3つの会社、2つの未開発の土地、2台の車を所有。
ブハリ主義
・1983年の国家元首時代は、綱紀粛正で熾烈さを極めた。バス停やエレベーターで整列しなければ鞭打ちで罰せられ、軽微な犯罪でも死刑に処された。報道の自由を抑圧して罪状なしでも3ヶ月まで反対派を拘禁できる法案を通過させ、ストライキやデモは禁止された。汚職を理由に約20万人の公務員を解雇して約500人の政治家や実業家が投獄された。
この後、政敵によって3年間投獄された。ブハリの政策がその規律正しさで具体的な成果を出し始めたゆえに腐敗した勢力に打倒されたのである。ナイジェリアにもこのような政治家がいたのである。今回も満を持して登場か?
ナイジェリア編 終わり