Sofi2007

Sofi F, Conti AA, Gori AM, Eliana Luisi ML, Casini A, Abbate R, Gensini GF.

Coffee consumption and risk of coronary heart disease: A meta-analysis.

Nutr Metab Cardiovasc Dis.: 2007 Mar;17(3):209-23.

コーヒー飲用と心疾患の発生リスクの関係についてのメタアナリシスを行った報告。13例の症例対照研究(case-control study)と、10例のコホート調査についてメタアナリシスを行った結果、症例対照研究では高用量の飲用者において発生リスク上昇が認められたものの、コホートにおいては有意な発生リスク上昇は認められなかったことから、コーヒー飲用は心疾患の発生リスクとは言えないと結論づけている。症例対照研究もコホート調査も共に疫学的によく用いられるものである。それぞれに利点欠点があるが、概してコホート調査の方が信頼性が高いとされる(コホートには大規模な調査が必要となるため信頼性では勝るが実施は困難。発生リスクが極めて低い疾患について効率よく結果を得るためには、症例対照研究が向いていると言われる)。

心疾患リスクの上昇は、コーヒーの有害面としてこれまで報告されていたものの一つであるが、実際にリスクが上昇するかどうかについては複数の異なる報告があり論争中であった。今回のメタアナリシスは、心疾患との関係においてもコーヒーが有害とはいえないという説を支持する有力な見解となりうるものである。

医学/循環器:疫学(メタアナリシス):コーヒー飲用と心疾患の発生リスク上昇には有意な関連なし(重要度★★★★)