farah2006

Farah A, de Paulis T, Moreira DP, Trugo LC, Martin PR.

Chlorogenic Acids and Lactones in Regular and Water-Decaffeinated Arabica Coffees.

J Agric Food Chem.: 54:374-381(2006 Jan)

水抽出法(water method)のデカフェ(カフェイン除去したコーヒー、カフェインレスコーヒー)におけるクロロゲン酸および、類縁体であるクロロゲン酸ラクトンを定量した論文。本サイトのカフェインの項にもあるように、デカフェには大きく分けて有機溶媒抽出、水抽出、超臨界炭酸ガス抽出の三通りがある。初期の有機溶媒抽出は、カフェイン以外の成分が除去されることによる香味低下のため、味覚面では低い評価を受けていたが、以降、抽出法の改善が進められている。水抽出法では、カフェインおよび水溶性成分を生豆から水で抽出した後、その抽出液からカフェインだけを取り除き、その水を再び戻す(実際にはカフェイン以外の成分が飽和した水溶液による抽出になる)ことで、香味の減少をおさえている。本実験では、香味の生成に重要であり、また近年生理活性が着目されているクロロゲン酸類の量に対する水抽出法の影響を検討した。その結果、生豆ではむしろクロロゲン酸の増加が見られ(飽和水溶液との接触によると思われる)、加工後もデカフェ処理しないものとの差はほとんど見られないことが確認された。

農学/食品科学:分析化学:水抽出のデカフェ処理過程ではクロロゲン酸類の減少はほとんど無視できる(重要度★★)