フルフリル化合物

クロロゲン酸類やタンパク質だけでなく、糖類を単独で焦がした場合にも、強い苦味物質が生成します。これらはフルフリル化合物と総称される低分子性の苦味物質で、フルフリルアルコールやフルフラール(フルフリルアルデヒド)などがその代表に当たります。 フルフリル化合物の苦味閾値は20-200mg/L前後であり、カフェインと同等か、それ以上の苦味を呈します。砂糖を焦がしたカラメルは、これらのフルフリル化合物が縮重合した、フランポリマーを基本骨格とすると言われており、カラメルの苦味の大部分はこれらのフルフリル化合物に由来すると考えられています。フルフリル化合物は強い苦味物質ではあるものの、コーヒーにおいては含量が極めて微量であるため、コーヒーの苦味全体に対する寄与はほとんど無視できる程度に小さいと考えられています2

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