Kato2009

Kato M, Noda M, Inoue M, Kadowaki T, Tsugane S.

Psychological Factors, Coffee and Risk of Diabetes Mellitus among Middle-Aged Japanese: a Population-Based Prospective Study in the JPHC Study Cohort.

Endocr J.: Epub:-(2009)

JPHC study(厚労省多目的コホート)による、糖尿病発症リスク因子解析(10年間調査分)の結果の報告である。本論文はコーヒーについてのみ解析したものではなく、心理的要因、例えば「タイプa行動」と呼ばれる性格傾向(心筋梗塞などとの関連も指摘されていた)との関連についても解析を行い、これらの心理的要素が糖尿病発症リスクを高めることも指摘している。コーヒーについての部分に注目すると、日本人女性の場合、1日に1-2杯飲む人でオッズ比が0.81 (95%CI 0.69-0.96)、3-4杯で0.62 (0.45-0.84), 5杯以上で0.40 (0.20-0.78)と、用量依存的に顕著なリスク低下が認められた。一方、男性では週3-4杯で0.84 (0.71-1.01) 〜1日5杯以上で0.82 (0.60-0.11)であり、用量依存性はなく弱いながらもリスクの低下傾向が見られた。コーヒー飲用者において、糖尿病リスクの低下が認められることは、vanDam2002による最初の報告以来、世界的に多くの追試がある(vanDam2005の総説など)。JPHC studyからも、van Damらの最初の報告を受けて調査途中段階での結果を報告していた(Isogawa2003)が、今回がいわばその結論に相当するものであり、他報告と同様にJPHC studyでもコーヒー飲用者での糖尿病リスク低下が認められた。男女で差が見られた点は興味深いが、JPHC studyでは全体的にコーヒー飲用の影響では女性の方で有益な効果が見られている傾向が、他グループでの調査と比較すると多いように感じる。この点については今後の調査にも注目したい。、

医学/糖尿病:疫学(コホート):コーヒー飲用者では糖尿病発症リスクが低下する(重要度★★★)