Frank2006

Frank O, Zehentbauer G, Hofmann T

Bioresponse-guided decomposition of roast coffee beverage and identification of key bitter taste compounds

Eur Food Res Technol: 222(5-6): 492-508 (2006)

コーヒーの苦味成分を明らかにするため、糖類、アミノ酸、クロロゲン酸などを加熱(220℃15分)し、クロロゲン酸単独の加熱によって、コーヒーの苦味に近い苦味物質が生成することを発見、さらにそれがクロロゲン酸ラクトン類であることを明らかにした論文。

Frankらはその後(2007)、コーヒー酸単独の焙焦モデルでエスプレッソ様の苦味成分であるビニルカテコールオリゴマーが生成することも報告している。この論文とともに、この二つの発見は、ここ数年のコーヒー関連の研究の中では特筆すべき、重要な意味を持つ論文だと考える。

実はこの実験の一部を追試したことがあるが、クロロゲン酸焙焦物は黄褐色でやや柔らかい苦味を呈した。ただし、水に溶かした状態で長時間経過したものではこの苦味が弱まる傾向が感じられた。もしかしたらキナ酸ラクトンと同様、クロロゲン酸ラクトンも水分存在下では分子内加水分解して、クロロゲン酸に戻るからかもしれないが、これについてはまだ未詳である。