Murakami2006

Murakami K, Okubo H, Sasaki S.

Dietary intake in relation to self-reported constipation among Japanese women aged 18-20 years.

Eur J Clin Nutr.:2006 May;60(5):650-7.

コーヒーを飲用する18-20歳日本人女性では便秘が少なかったという疫学調査の結果を報告した論文。18-20歳の食物学部の女子学生1705名を対象にアンケートを行い、生活習慣と便秘の関係についての横断的調査を行った結果、米食およびコーヒー飲用の習慣がある人では便秘が少なく、菓子や茶の摂取がある人では便秘が多かった。研究手法として、便秘の有無についても自己申告によって評価しており、また横断的調査であるという性質から因果関係を見ていることにはならないことから、この研究結果のみを以て「コーヒーを飲むと便秘にならない」とは言えないが、国内の調査結果としては興味深い。

コーヒーと便通の関連については、以前(Gut. 1990 Apr;31(4):450-3.)介入試験によって、コーヒー飲用によってヒト腸管蠕動運動の亢進が見られることも報告されており、便通を促す作用があることが示唆されていた。ただし、その活性はカフェインによるものではなく、活性本体ならびに作用メカニズムは不明である。今回の調査結果は、茶の飲用ではコーヒーとは別の作用が見られたことも含めて、これまでの知見とほぼ一致した見解を示す補強的なものとなりうる。

医学/食物学:疫学(横断調査):コーヒー飲用している日本人女性では便秘が少ない(重要度★★★)