Larsson2007

Larsson SC, Wolk A

Coffee consumption and risk of liver cancer: a meta-analysis.

Gastroenterology: 132:1740-5(2007 May)

コーヒー飲用と肝がんの発生リスクの関係についてメタアナリシスを行った報告。5つの症例対照研究と4つのコホート調査についてメタアナリシスを行った結果、一日二杯のコーヒー飲用者の相対リスク(RR)は0.57 (95%信頼区間 0.49-0.67)に低下する、すなわちコーヒー飲用と肝がんの発生リスクは逆相関を示すことが示された。この肝がん発生リスクの低下は、肝臓基礎疾患のない人でも(RR 0.69)、過去に基礎疾患のあった人でも(RR 0.56)認められた。

コーヒー飲用者での肝がん発生リスクの低下については、これまでに日本の大規模コホートを含めた複数の報告があるが、今回のメタアナリシスによってほぼコンセンサスが得られたと言ってよいだろう。今後、その活性本体やメカニズムの解明が注目される。コーヒーの肝機能保護作用については、実は既に1980年代初期には、カフェストールやカーウェオールなどのジテルペン類がいわゆる解毒酵素の一種であるグルタチオンSトランスフェラーゼ活性を賦活化することが報告され、当時は発がん物質の無毒化に寄与するのではないかという観点から着目されたという歴史があり、これらの化合物の関与についても興味が持たれる。

医学/疫学:メタアナリシス:コーヒー飲用者では肝がん発生リスクが減少する(重要度★★★★★)