「潰瘍性大腸炎手記」
匿名希望 33歳 2012年4月4日
匿名希望 33歳 2012年4月4日
私の経験は、出産による免疫力の低下が原因によるものです。産後のストレスの多さも関係しています。この手記が同じように出産後に潰瘍性大腸炎を患われた方などのご参考になればと思います。
潰瘍性大腸炎の疑いありと診断されたのは昨年の11月でした。一昨年に出産し、10か月後に仕事復帰。しかし主人が離れており娘と二人暮らし。しかも私は地元から遠く離れた場所へ異動したこともあり見知らぬ土地での生活でした。私も仕事に不慣れな中、子どもを保育園に預け、夜は夜泣きとの戦い。今思えば毎日2,3時間の睡眠で家事、育児、仕事をこなす日々でした。肉体的・精神的にあまりに大変な毎日だった為、その1年後には実家近くに再度異動。病気がわかったのは、これで、生活がだいぶ楽になったと落ち着きだした頃のことでした。
それまでも時折出血があることがありました。出産後に痔になったのだろう、それにしても市販の薬が効かないなと思っていたところでした。それが昨年10月後半ぐらいからどんどん出血の量が増え、便意を感じてトイレに入っても出血しか出ないという状態になり、出血量も増えていきました。便もだいぶ緩くなっていました。これはいけないと思い、近くの肛門科で見てもらうと、腸から出血しており潰瘍性大腸炎の可能性もあるとのこと。すぐに別の胃腸科で検査を受けました。担当の先生に「潰瘍性大腸炎の可能性が高いと思います」と言われて病気の詳しい症状と治療について説明を受けました。 私はその時「やっぱり自分の体が弱っているのだ」と思いました。というのも、それまでに子宮内膜症になったり、目の涙腺のあたりに膿がたまったりする病気にかかっており、粘膜系が弱っているという感覚があったからです。子宮内膜症の時も一生つきあう病気と言われましたが、元々生理も軽くめったに病気にならなかった私は「これは今、体力が弱っているからこんな病気になるんだ」と信じて市販の漢方を飲んだり、できるだけゆっくりと休んだりしました。そして、今では全く症状がありません。
ですから、潰瘍性大腸炎は一生付き合う病気。薬も一生飲み続けないといけない。と言われた時も半信半疑でした。しかしお医者様の力というのは恐ろしいものです。(松本医院という選択肢をしたらこのように書けるのでしょうが)飲まないともっと悪くなるような気になりました。そして、私は薬(アサコール、ペンタサ)を3日間飲みました。しかし4日目に入ると気分が鬱々としてだるく、朝から気分が悪くなりました。そこで、勝手に飲むのをやめ、その旨を病院に連絡しました。そして先生と相談して出血も少なくなっていることから下剤だけにしてしばらく様子をみようということになりました。それが11月初旬のことです。そして、12月初旬に内視鏡検査をすることになったのです。
12月に内視鏡検査をして、そこで症状が深刻ならば薬を飲み続けないといけないとのこと。私は焦りました。あと1カ月しかない。あと1か月で良くならなければ一生薬を飲む人生になってします。そんなことをしたら、どんどん自分の体が弱っていくような感覚に襲われました。
そして、松本医院のHPを見つけたのです。私はこれだと!思いました。患者さんの手記も励みになりました。それに免疫力を上げなければいけないと強調されているのにも合点がいきました。こういう病院は東京とかにあるのだろうと思ってみてみると、大阪の高槻。行けない距離ではありません。私は松本先生の書かれた文章をプリントアウトして何度も読み返しました。正直なところ途中の専門的なところはよく分らない箇所がありました。しかし、先生の中では理論が通っているのだということはよく分かりましたし、今までの臨床の結果で治した経験があるからこそ治ると信じておられること、そして患者さんの手記から患者さんが先生を信頼し、先生もまたその信頼を裏切らないかかわりをされるかたなのだということがよく分かりました。それは「よし、受診してみよう」と思わせるのに十分なものでした。
片道1時間少しかけて到着したその病院の扉を開くと漢方の鼻をつくにおい。体がびりっと震えるような感覚でした。診察室から聞こえる先生の大きな声。忙しく立ち動く看護師さんたち。とても活気を感じる待合室でした。実際にお会いした松本先生はスレンダーで理知的、繊細さを感じさせる方。しかしそのあふれ出るエネルギーといったら!患者さんを笑わせたり、怒ったり。変わった先生というより、ご自分の考えを一生けん命私たちに伝えようとされている方だと思いました。
診察では、今までの経過をお話しました。すると「あなたの症状は出産による免疫低下によるものや。12月に内視鏡を受ける必要もない。それまでに治したる」と言われました。私も産後不調によるのが原因だと思っていただけに、やっぱりとほっとしたと同時に、話しが通じる先生に会ったというような感覚でした。診察室をでる私は、本当に治りそうな気がしたのですから不思議です。そしてこれは毎回、松本医院に行くたびに私が感じることなのです。実際に出血も漢方を飲みだした直後からなくなり、腹痛もありません。そして今もその状態は続いています。内視鏡の結果はまだ直腸のあたりに炎症が少しみられるものの、出血の跡もなく11月に比べると格段に改善していました。ある時、病院に診察に行けずに漢方が切れてしまうことがありました。飲まなかったのは3日ぐらいだったでしょうか。なんの腹痛もないのにその時はまた出血したのです。漢方で症状が抑えられていたのだなと実感した瞬間でした。
私は実際に症状も改善されていますし、治ると確信しています。完治まで時間はかかるかもしれませんが、特に治療のスピードを急いでもいません。今は自分の体とゆっくり向き合いたいなと思っています。他の病院では治療をせかされているような気持ちになり、このような治療は望めないのではと想像します。それに私は松本先生の考え方に賛同していますし、先生のことを信頼して治療に専念したいと思っています。松本医院に来てから薬を飲んですぐに病気を治そう(なくそう)とする考え方に気づきました。松本先生とお話をしていると今までベールに隠されていたことが一枚ずつはがされて、物事の本質が見えていくようでとても楽しいです。
この手記を読まれる方が受診を悩まれている方であれば、ぜひお勧めしたいと思います。遠方の方やそうでなくても最初の一歩を踏み出すのはふんぎりがつかないものです。特に私のように小さい子どもがいる方は腰が重くなりますね。私もそうでした。しかし、私は次の内視鏡検査があるまでに何かしなければ、この瞬間を逃したら次がないかもしれない、急がないと、という気持ちだったことが幸いしました。失敗だったらそれでいいじゃないかと。あなたも、もし信頼できないなと思われたらやめればいいではないですか。もし、私たちの手記を読んで少しでも心を動かされたのであれば、受診されてはいかがですか。そしてご自分で判断されてみてはいかがかなと思います。