『潰瘍性大腸炎の闘病記』
60歳2010年7月20日
60歳2010年7月20日
1.症状経過
2009年の人間ドッグで人ヘモグロビン反応が陽性となり再検査の結果「いぼ痔」との事で患部の注射と座薬で過去に治療を行った経緯がありました。
今年2010年(’10年)の1月下旬に人間ドッグを受診し胃の検査でバリューウムを飲んで便秘となり、2日後の排便で下血を伴いその後排便のたびに血が付着し前回の「いぼ痔」が再発したのかなと思っていました。3月中旬に60歳定年を迎え送別会の酒席が6回程あり、今思うと3月上旬から排便時に粘液性の血便が続きそしてトイレの回数も増えさすがに前回の「いぼ痔」の症状と明らかに違うなと感じ、近くの胃腸肛門科を受診しました。(’10年3月23日)
大腸内視鏡検査の予約が4月1日のため、その間は先生より前回のカルテから痔の治療座薬を投与され、3月31日迄使用しましたが当然の事ながら回復には向かいませんでした。内視鏡検査の結果、主治医から直腸下部に炎症がありこの部分から出血していますとモニターで説明して頂き(4月1日)、潰瘍性大腸炎の診断に間違いないが炎症部分の組織3ケ所の生検を行なった結果「潰瘍性大腸炎」と正式に診断されました。(’10年4月10日)
4月1日に胃腸肛門科の先生からはこの病気は難治性であると告げられ、投薬はペンタサ500mg錠を朝昼夕に2錠の計6錠/日とラックビー整腸剤を服用する処方でした。家に帰り大腸癌でなかった事にホット安心し、軽く考えていた「潰瘍性大腸炎」をネットで検索したところ、厚労省の難病に指定されている事、発症と寛解を繰り返す事が多く難治性である事に目の前が真っ暗、愕然となりました。症状や治療方法で更によい方法はないかと半日ほど「潰瘍性大腸炎」をネットで検索したところ、松本漢方クリニックのWebで【潰瘍性大腸炎の完治の理論と根拠】が目に留まりました。
2.漢方内科松本漢方クリニックを訪ねて
松本先生の潰瘍性大腸炎の完治の理論と根拠を読んでみるとIgG、IgM、IgE、抗体と言う用語が色々とあり一般凡人には理解できない部分もありますが、要は本来人間が持っている自己免疫力を高め自己治癒力を助ける漢方薬で必ず治るべくして治るとの文に賭けてみる事にし、はるばる埼玉県から大阪府高槻市の松本医院を訪ねることにしました。(’10年4月14日)
日帰りの通院は距離的に無理であり途中で急に便意を催した場合の不安に駆られながら家内と共に新幹線で京都へ前日に行き宿泊、翌朝高槻市の松本漢方クリニックに直行し8時に一番乗りして玄関で待つこと1時間程。開院し玄関から中に入った途端に漢方薬と思われる独特な臭い、壁には当医院はステロイドを使わないので欲しい方は他の医院へ等との張り紙があり、正直言って立派な病院ではなく大丈夫かなとの不安を少々抱く。
待っている間に潰瘍性大腸炎が治った方の手記を読むように看護師さんに勧められ読んでいると、関西弁で診察中の先生の大きな声が奥から時々聞こえる。想像するに大柄な人かなと思っていたが採血後に呼ばれて中に入ると、細身で白衣に何故か手甲をしており庶民的な身なりでイメージが少し違った。早速症状と掛かりつけの胃腸肛門科での経緯を説明すると多くの潰瘍性大腸炎患者を扱った実績からして詳細を聞かずとも症状を聞くだけで分かるのだろう。直腸下部に写真の通り糜爛があり、そこから出血しており白い粘液に特徴がある潰瘍性大腸炎と胃腸肛門科の先生から説明を受けた写真。(2010年4月1日)
それから、どなたかの手記にもあったように儲け主義の製薬会社、拝金主義の医師が悪い等、饒舌に話し最後は政治の問題までが出てくる。よくよく聞いてみると私達の終戦直後の団塊の世代は当時の安保闘争やら学生運動が盛んな時代でもあり、今もその影響が尾を引いているのではと勝手に想像をしてみたりもした。しかしこの病気の特徴として多くは若い人に多いのだが、カルテに記載された私の年齢をみて俺といくつも歳が違わないよな~!、悩みもストレスも少ない年寄りが罹るのは珍しいとの事(笑)。
自己免疫力に影響を及ぼすペンタサ錠をあまり服用しなかったのが良かった、ヨッシャ俺が治したる。と自信たっぷりに握手で約束をしてくれた。おそらくこの様な先生は余りいないだろうと感じられた。その後に隣の部屋にて鍼灸の処置を受ける。先生からの処方薬は、毎食前に飲む【断痢湯:下痢止】と毎食後に飲む【芎帰膠艾湯:止血】と薬剤師さんからの説明書だった。それから「釜や製、ミニお灸」も購入。
翌日の4月15日から漢方薬の煎じ作業、換気扇を回しながら近所への臭気迷惑を気にしながら夜半に開始。断痢湯の何とも言えない臭いと強烈な苦さ、芎帰膠艾湯の身震いするような表現不能な味の漢方薬を飲むこと2週間。遠隔地であるため、2週間に一度電話での診断で漢方薬の処方を送って頂く。2回目の通院は最初の血液検査結果もあるので4月23日に行く。結果は潰瘍性大腸炎に罹患して間もない事で血液検査には現れなかった。先生曰く、早くここに来たのとペンタサの服用が短期間であった事が良かったとの事。その後は月1回、京都泊・翌日高槻市の松本漢方クリニックに家内と共に旅行を兼ねて毎月通院することにした。
5月2日に電話診療をして頂き、5月6日に漢方薬を代引きで送付して頂く。5月21日に松本漢方クリニックに通院、先生の診察と血液検査と鍼灸の実施、処方は前記と同じ漢方薬2種類である。いつも京都のAPAホテルに泊まるのでフロントと顔なじみになる。(修学旅行生が多く混雑していた)先生から前回の血液検査でHSVとVZV(ヘルペス)の値が非常に大きいので新たにベスグロン錠400を1週間分処方して頂く。(遠方なので月1回の通院と2週間後にTELでの診断、漢方薬を宅配便で代引き)
変化が起きたのは6月5日からで今まで粘血便、粘液便、と下痢が続いていたが突然固形便に変わったのである。汚い表現で申し訳ないが、その後は固形便の表面に若干の血が付着していたが2~3日で止まり完全に形の良い健康便に戻った。ヘルペス治療薬であるベスグロン錠の効果なのかそれとも漢方薬の効果なのか不明であるがその事を6月18日の通院時に先生に報告し採血といつも通りの先生の饒舌な話を聞き鍼灸を受ける。処方薬はいつも通りの漢方薬(断痢湯と芎帰膠艾湯)に加え、再度1週間分のベスグロン錠を処方される。
7月6日に電話で診療を受け、もう少し漢方薬を飲んでいたほうが良いとの診断で2週間分の断痢湯と芎帰膠艾湯の処方を受ける。松本漢方クリニックでの治療開始から3ケ月、漢方薬は引き続き飲んでいるが、既に1ケ月半以上も健康状態の快便になっており、既に完治していると思われる。今月は7月20日に松本漢方クリニックを訪れ、あの苦い漢方薬と縁が切れることを願い診察を受け先生と相談をする予定である。
3.終わりに
今も潰瘍性大腸炎で治療を受けている方がいるでしょうが良い医者に巡りあう事。そして「病は気から」の字の通りで絶対に治る、治すという気構えを常に持つ気力こそが自己免疫力を高めるのだと思う。松本先生の患者への握手は今思うと治す事を促進する漢方薬を処方するが、自己免疫力を高め貴方が一生懸命に治す努力で治癒力を高めなさいという励ましと、患者に自信を持たせ絶対治る自信と勇気を与える治療方法なのだろうと感じた。
特にこの病気は突然のトイレ~となる事が多く安心しておならも出来ない悩みもある。従ってトイレが気になり仕事や勉強、旅行に出かけるにも躊躇する状態であった。病気になってみて改めて健康である事の有難味が身をもって体験できた。
今回小生の手記には発症、通院、完治(?)の経緯は時系列的に分かるように敢えて日付を記載しておきますが、個人々の潰瘍性大腸炎の症状や免疫力により違うと思いますが参考になれば幸いです。