「松本漢方クリニックを訪ねて」
57歳2017年2月26日
57歳2017年2月26日
私は潰瘍性大腸炎と約10年前に診断されました。松本漢方クリニックの診療を始め半年程度経過し、症状も改善されてアサコールも止めることができました。先生の勧めもあり、今回経過報告します。
1.これまでの症状
胃腸の症状悪化を自覚し始めたのは平成17年頃(当時45歳)でした。平成19年に人間ドッグで潜血反応があり、胃腸専門医院にて大腸検査を行った結果、大腸内に潰瘍が3箇所確認されました。先生から「潰瘍性大腸炎は通常、直腸から潰瘍が広がっていく。しかし君の場合は、直腸の他小腸入口付近など所々にある。クローン病という病気もあるが、わからない。」と言われました。また、これらは難病指定でもあると聞き、かなり落ち込んだのを記憶しています。とりあえず、そこではペンタサを処方されました。
その翌年、市内にある胃腸専門の病院で検査しました。そこでも同様な状況でしたが、先生からは、直腸付近の潰瘍が大きく、クローン病(生体検査、血液検査を実施)ではないので、潰瘍性大腸炎と判断しますと言われました。そこではペンタサの服用の他、症状が悪い時にと、ペンタサの注腸薬が処方されました。その後、サラゾピリンの座薬も処方されましたが、こちらは痛みがあり、あまり使用しませんでした。ちなみに私は若いころから下痢や腹痛が多く、レントゲンによる大腸検査は20代の頃から時々受けていて、大腸が人より長いことや、過敏性腸症候群との診断を過去に受けていました。
上述の通り腸の調子が悪化したのは40代後半で、仕事のストレスが大変多くなってきた時期であり、家庭でも離れた親が認知症になり悩む話が多い時期でした。それまでは運動や好きな飲酒でストレスを発散させていたのですが、急激に症状が悪化しました。血便や粘血便の症状と、お腹に力が入らず身体がだるい状態が続きました。食事も油っこいものや消化に悪そうなものは食べられなくなり体重が13kgも減りました。
症状がひどい時が2年近く続きましたが、平成21年秋以降、少しずつ緩和してきました。また、服用薬がペンタサからアサコール(2錠/毎食)に変更されました。
数年後の平成27年頃まで、仕事のストレスと暴飲暴食により時々血便等を発症していましたが、症状は次第に落ち着いてきました。ただ直腸付近が荒れているような違和感はありました。アサコールは、病院から必ず飲むようにと強い指導があり6年以上飲み続けてきました。しかしながら、昨年の春、久しぶりに仕事のストレスや飲酒が重なったことで血便がありました。そもそも「アサコールをずっと飲み続けないといけない。」と言われてきたことに疑問をもっていました。それに加えペンタサの注腸薬などが大変であり、何か他に治療はないかと強く思っていました。そんな時、ネットで治療について探していると、松本漢方クリニックへたどり着きました。
2.松本漢方クリニックでの治療後の状況
平成28年7月に松本漢方クリニックを訪ねました。松本先生からは「必ず治る、ただ、アサコールなどを10年以上飲んでいるので時間がかかる。」と言われました。そして「クリニックのHPを読みなさい。」と指導を受けました。理屈については難解なところもありましたがヘルペスウイルスが問題であることを知りました。また、患者さんの手記については、かなり重症の方々が治った例があり、驚きました。クリニックからは、ヘルペスの薬(アシクロビル)と、漢方薬が2種類処方され、それから毎日飲み続けました。
クリニックを訪問したのち、1ヵ月半程で血便の症状がなくなりました。また、ガスや直腸付近の炎症による違和感、排便時の粘液を感じていましたが、これらも4、5ヵ月でなくなりました。今は排便も1、2回/日程度になり、便の状態も良くなりました。これは若い頃から腸の調子の悪い時が多く下痢と便秘を繰り返してきた自分にとってかなり画期的な出来事です。また、松本漢方クリニックのHPを読んで、この病気の根幹的な治療には、免疫に関わるリンパ球が重要な働きを担っていることを知りました。症状は改善されましたが、血液検査ではリンパ球がまだ通常より低い状態であり、先生からもこのアシクロビルと漢方薬の服用継続を指導されています。
松本漢方クリニックに通い始めて、以前に通院していた胃腸病院の先生の話を思い出しました。そこでは、症状のひどい時に「原因はわかっていないが、潰瘍性大腸炎の患者が盲腸(虫垂炎)の手術をすると、潰瘍性大腸炎の症状がよくなる。あなたも盲腸の手術をしたらよくなるかもしれない。」と言われたことがありました。ただ、それ以上の話はなく、盲腸の手術をすることもありませんでした。今回、松本漢方クリニックを訪問し、先生の話を聞く中で、虫垂というリンパ組織を削除することにより一時的に改善するかもしれないが、根幹的には逆に身体に悪い事になったかもしれないことを知りました。
またクリニックのHPや患者さんの手記を読んで、この病気とストレスの関係についても少し理解できた気がします。仕事が忙しかった40代には、大きな仕事が一段落した際や、残業が続いた後の休日に、しばしば発熱や胃腸病を発症していました。ストレスと戦っている状態が続くと、これに打ち勝とうと身体が備えてしまい、ストレスがなくなると、今度は逆に自分の身体を攻撃しだすのだと理解できました。(ストレスと戦っている状態が続くと、急いで殺す必要がない化学物質を、病原菌と同じのような方法で殺そうとする免疫の戦いが起こります。その戦いの際に、自分の組織を巻き込んでしまうため、免疫が自己の組織を攻撃しているように見えるのです。またストレスで免疫の働きが低下している間は、ヘルペスウイルスが増え続け、ストレスがなくなり免疫が上がるとヘルペスウイルスと免疫の戦いが始まり、神経で戦った際に起こる電気的な刺激や、戦いの結果生じる損傷が、症状として感じられるのです。)自分の身体をよく知って、自分で注意していくこと、先生のHPに記載されるように「あきらめる」ことや、「あるがままに思う」気持ちをもって生活していくことが大切なのだと思いました。
松本漢方クリニックを訪問し、便の調子もよくなり長年続けていたアサコールをやめることができ本当に感謝しています。なお現在服用しているヘルペスの薬であるアシクロビルは保険対象外であり高価な薬になっています。できれば、今後、保険対象になり飲みやすくなることを願っています。最後に、毎日、漢方薬を煎じている家内にも感謝します。
以上