「潰瘍性大腸炎手記・中間報告」
34歳2015年11月18日
34歳2015年11月18日
はじめに
少しでもこの病気に罹っている方の参考になればと思い、記載いたします。松本漢方クリニックのお世話になり1年程になりますが、現時点では症状が出ていない状態です。完治すれば改めて報告させて頂こうと思っておりますが、今までの経緯を参考までに記載させて頂きます。私は約10年間患っていますので、この病気の苦労は痛いほど知っています。悩んでおられる方の一助になれば幸いです。
1.発病と診断(2002年3月)
2002年3月の大学3年生の時に発病しました。振り返ると、当時の私は一人暮らしをしており、不摂生な生活をしていました。そんな中、就職活動を始め、自分は何の仕事をやりたいのか自問自答し自己分析を行ったり、面談をしたりする中で、過度のストレスを受けていたので、それが影響したのかなと考えています。症状は下痢と血便でした。「最近頑張っている証拠かな」というふうに安易に考えていましたが、なかなか治らなかったので、一度病院に行くことにしました。
近くの院に行き診断を受けた結果は、直腸型で軽度の潰瘍性大腸炎でした。「原因不明の病気なので完治が困難、寛解と再発を繰り返す可能性がある」ということを聞いたときは愕然としました。これから社会に出てやっていこうとしている矢先でもあったので、すごくショックでした。幸いなことに処方されペンタサを服用すると3日後には血便が止まり、数日後に下痢も治まりました。「ペンタサは引き続き飲むように」と指導があり、投薬生活がここから始まりました。
<治療>ペンタサ1500mg/日
2.盲腸(2002年10月)
2002年10月、腹痛が起こり病院に行くと盲腸と診断されました。すぐに手術が必要ということで盲腸を取り除きました。「潰瘍性大腸炎を患っている患者は盲腸にかかることがたまにある」ということ。また「盲腸を取ることで発病する可能性が低くなるという症例もある」と説明され、盲腸の除去を推奨されました。(実際は盲腸を取っても再発したので、私には当てはまりませんでした。)
3.再発(2003年10月)
病気が再発しました。「再発してしまったか」と本当にショックでした。病院で来年4月から就職予定であることを相談すると、大事を取って入院し、食事療法と白血球除去療法をすることを勧められ、2週間程入院しました。そのおかげで寛解でき、普通の生活に戻りました。松本漢方クリニックのホームページにも記載があるように、白血球除去療法が影響したと思われます。その後5年間は再発もせず生活することができました。ただ、ペンタサは変わらず下記の量を飲み続けました。
<治療>ペンタサ1500mg/日
4.再発と寛解を繰り返す(2009年~2014年)
就職してからも食事に気を付けながらも普通の生活を送っていましたが、2009年頃から再発するようになりました。再発の時は下痢と血便が出る状態となったので、ペンタサの量を増やしました。私の場合、再発すれば数か月間症状が出て、突如治るといったものでした。最初は年に1度のペースだったのが年に2度、3度と増え、治るまでの期間も長くなっていきました。ペンタサが効いている感じはありませんでしたが、ステロイド薬もまだ使いたくなかったのでどうしようかと困っているところに、ネット検索で松本漢方クリニックが目に留まりました。
<治療>ペンタサ1500mg/日(通常時)
ペンタサ4000mg/日(再発時)
5.松本漢方クリニックとの出会い(2014年10月)
松本漢方クリニックを見つけ、完治する可能性があることを知った時の感動は、今でも忘れません。横浜に住んでいましたが藁をも掴む気持ちですぐに電話し、2014年10月に伺いました。「現在の症状」「治療期間」「これまでの投薬量」を伝えると、「なんで、もっと早くうちに来なかったんだ!」とお叱りをうけました。自己の免疫力で治すことができることを聞き、「今後はペンタサを止め、漢方と鍼灸と漢方風呂で免疫力を上げて、クラススイッチを起こさせるようにしよう」と励まされました。この日から漢方による治療の日々が開始しました。
<治療>黄色の漢方薬(煎じ薬)3袋分 毎日
黒色の漢方薬(煎じ薬)3袋分 毎日
お灸 毎日
鍼 1~2週間に1回
漢方風呂 1週間に1回
ペンタサを止めた影響かリバウンドの影響か、10日後くらいから下痢とたまに血便が出るようになりました。完治する可能性を信じて漢方治療を開始しました。
6.進捗(2014年12月)
私の場合、住まいが横浜と遠方だったということもあり、電話で遠隔診察をし、漢方を処方して頂きました。遠方の者からすれば、このような診察をして頂けるのは本当に助かります。往訪してから2か月後の12月に再び来院しました。その時の血液検査の結果の一部は下記の通りです。
検査項目 結果 基準値
CRP定量 0.70(0.30以下)
リンパ球 20.9(18~59)
CRP定量が高いのは大腸炎症が出ている証拠で、リンパ球が低いので免疫力が低いという診断でした。私の場合ペンタサを10年程服用していたので、その影響で免疫力が下がってしまっていました。「これが上昇しないとクラススイッチが困難なので、漢方や鍼灸を総動員して上げていく必要がある」とのことでした。「自分の免疫力で治すんやで!」という先生の言葉を励みに過ごしました。
7.進捗(2015年5月)
検査項目 結果 基準値
CRP定量 0.70(0.30以下)
リンパ球 23.9(18~59)
炎症を示すCRP定量は基準値を下回り、リンパ球も+3.0ですが前回より上がりました。このあたりから風呂に入ったりすると膝や足の甲に痒みが出てくるようになりました。血便もほとんど無くなってきたので、黒色の漢方薬は止めることになりました。ただ、下痢は引き続きひどい状態で、トイレが間に合わず漏らすこともありました。そのことを相談すると、黄色の漢方薬は増やすことになりました。
<治療>黄色の漢方薬(煎じ薬)4袋分 毎日
お灸 毎日
鍼 1~2週間に1回
漢方風呂 1週間に2回
8.ヘルペス治療開始(2015年7月)
症状は最悪の状態を迎え、トイレは1日10回程度になりました。通勤途中でも便意をもよおし、トイレが間に合わず、漏らしたりすることも1週間に一度程度となりました。パンツの替えを持っているだけでは厳しくなり、女性用ナプキンをパンツに付けて出社するようにしていました。この時は膝にお灸をした後に大きな水ぶくれができる状態でした。そんな中、腹痛まで始まりした。急所にボールが当たった時のようなキリキリとした痛みが断続的に出るようになりました。そのことを松本先生に伝えたところ、「それはヘルペスの仕業」ということでした。ヘルペスの薬を処方してもらい、飲み始めて3日くらいで腹痛は治まりました。漢方で体の免疫力が上がってきたことで、ヘルペスとの戦いが始まったからなのです。それ以上に嬉しかったのは、ずっと続いていた下痢が治まってきたことでした。ヘルペス薬を飲み始めて1か月程で下痢が治り、1年ぶりの快便となりました。
<治療>黄色の漢方薬(煎じ薬)4袋分 毎日
お灸 毎日
鍼 1~2週間に1回
漢方風呂 1週間に1回
抗ヘルペス薬 毎日2錠×4回
9.進捗(2015年9月)
検査項目 結果 基準値
CRP 定量0.80(0.30以下)
リンパ球 29.1(18~59)
状況は寛解状態となっています。詳しくは下記の通りです。
・トイレは1日2回程度、快便
・へその中が化膿しているような黄汁が出て、痒みが出る。
・へその回りが赤くなる。
・風呂等で体が温まると膝や膝裏に痒みが出る。
<治療>黄色の漢方薬(煎じ薬)4袋分 毎日
お灸 毎日
鍼 1~2週間に1回
漢方風呂 1週間に1回
抗ヘルペス薬 毎日2錠×4回
少しずつ免疫力は上がってきていますが、リンパ球が20台なのでまだ弱い状態です。へその回りが赤くなり、へその中が化膿しているような黄汁が出て、周りが赤く痒みができてきました。先生は「あとは一時的に便秘になる。便秘になったらクラススイッチした証拠になる」と仰っています。私自身、今まで便秘になったことがないので、どんなものなのかというワクワクもあり、その2重の楽しみを待っているところです。ここまでが私の中間報告となります。
10.最後に 潰瘍性大腸炎の患者様へ
この病気を罹った人しかわかりませんが、我慢できない便意、トイレが空いていない時の焦り、将来への不安等、たまらないものがあります。一般の医学見解であれば、完治できない難病だと夢も希望もない言葉が躍っていますが、松本先生は「自分自身、自分の遺伝子が治すことができる病気」と仰っています。私はそれを信じます。そして、その日が来たら改めて報告させて頂きます。皆様の病気もよくなることを祈り、結びとさせて頂きます。
以上