「潰瘍性大腸炎・ヘルペス治療中間報告」
56歳2015年12月30日
56歳2015年12月30日
1.松本医院受診までの経緯
平成18年5月、私は職場で脳梗塞を発症し、入院しました。幸い軽度の梗塞であったため、3週間ほどで退院できましたが、以後、血圧降下剤2種類と抗血小板剤(血が止まらなくなる薬)を毎日服用することになりました。そして9年以上に亘り同じ薬を服用し続けました。
平成23年9月、人間ドックで便潜血が陽性であったため、大腸内視鏡検査を受けた結果、潰瘍性大腸炎(全腸型)との診断を受けました。診断を受けた時点(平成23年9月)で、ネット上で『松本医院』の存在を認知しましたが、当時の特定医療費(指定難病)制度によって薬代は無料でしたし、松本医院は県外(私は山口県に在住)の医療機関でしたので、近隣の医療機関で一般的な治療を受けることを選択しました。
幸い重症には至っておらず、ステロイドを使用する必要はありませんでしたが、ペンタサを1日8錠服用することとなり、以後4年近く服用を続けました。ペンタサ服用から1年を経過した頃から、排便異常(発作的な便意)が酷くなりました。長時間の会議や外出が苦痛となってきたので、主治医に相談し、平成25年2月からロペミン(強力な下痢止め)を会議や外出の前に服用するようになりました。
その後、排便異常が更に深刻(時に便失禁)となり、ちょっとした外出等も苦痛となりました。主治医に相談した結果、過敏性腸症候群を併発しているという診断を受け、平成25年10月よりコロネル(便の硬さを調整する薬)を1日に3錠服用しましたが、効果は十分でなく、平成26年1月よりコロネルをそれまでの倍の6錠服用するようになりました。以後、排便回数は多いものの、排便異常は想定の範囲内に治まりました。
平成26年10月下旬から平成27年2月中旬にかけて仕事が繁忙となり、ストレスが蓄積されていきました。その間、不思議と症状の悪化はありませんでした。ところが、仕事が一段落した2月下旬から出血が始まりました。以前は2~3日で止まっていた出血が、1週間以上続くため、やむを得ず過去に処方を受けストックしていた痔の軟膏(ネリプロクト軟膏)を使用し、出血を止めました。
勤務先の決算作業等が一段落した平成27年6月中旬より、症状が再び悪化しました。今度は腸にガスが溜まるようになり、頻繁にトイレに駆け込むようになり、トイレではガスとともに体液(リンパ液)が出ました。就寝中も2~3回トイレへ行くようになり、排便時の出血も始まりました。出血時は痔の軟膏を使用していました。
平成27年7月下旬、年1回の大腸内視鏡検査を受けました。これまでで最悪の状態(直腸からS字結腸まで連続したびらん)となっており、このまま酷くなるようであれば、強い薬(ステロイド)を使う旨、主治医より示唆されました。ガスと体液の件を相談しましたが、「腸の中がこのような状態では、ガスも体液も溜まるでしょう。」と一蹴されました。当初よりステロイド使用への強い抵抗があったこと、平成27年1月から薬代に自己負担(2割)が発生していたこともあり、ステロイドを使用せず完治させるという『松本医院』で治療することを決断しました。
8月2日よりペンタサの服用を自主的に止め、受診の前提である問診票の作成に取り掛かりました。問診票はB5サイズ4枚に及ぶ詳細なもので、作成に3日ほど要しましたが、薬剤の使用歴等、これまでの自分を振り返るとともに、現状を認識するのに良い機会となりました。問診票完成後、初診の予約(正確には、診療は予約制ではないため、診療の際に必須とされる鍼灸治療の予約)を入れました。
盆前の繁忙時期であり予約が取れるか心配しましたが、何とか8月12日(水)の正午から鍼灸治療の予約を取ることができました。勤務先に休暇届を提出し、初診までの宿題である『潰瘍性大腸炎の完治の理論と根拠』(以下、『松本理論』という。)を頭に入れながら、初診当日を待ちました。
2.初診・鍼灸治療
平成27年8月12日、家族の同行が条件となっていたので、妻を連れ始発の『のぞみ』に飛び乗って、一路、大阪府高槻市へ向かいました。JR高槻駅から迷わず徒歩3分程度で午前9時頃、『松本医院』に到着しました。平日の診療開始前にも関わらず、待合室はほぼ満席でした。漢方薬の匂いが鼻につきましたが、しばらくすると麻痺して感じなくなりました。
9時半になって診察が開始されると、診察室の方から大きな声が絶え間なく聞こえてきました。一人の診察時間が妙に長いなぁ?しかも途中で関係のない話が聞こえてくるのは何故だろうか?と妻と首をかしげながら待つこと1時間半、ようやく名前を呼ばれ、妻とともに診察室に案内されました。
案内された部屋は雑然とした感じであったので、診察室の前にもう一つ待合室があるのかな?と思っていたところ、白衣にGパンの年齢不詳の男性が突然現れました。そして椅子に座るなり、カルテを見ながら電話で話し始めました。これで先程の疑問が解決しました。対面の診察と並行して電話診療を行っていたのです。そのため、一人の診察時間が長く、途中で関係のない話が聞こえてきたのです。
電話診療が終わったのを見計らって、挨拶と自己紹介をしたところ、「わしが治したるから安心しなさい!」と激励を受け、握手を交わしていただきました。ただ、同席した妻のことを気に入られたようで、私より妻と握手をされていたように感じました???
その後、提出した問診票と過去の血液検査の結果等を見ながら問診を受けました。やはり誤った治療を受けてきた事により免疫がかなり落ちているとのことで、1年前の時点で既にリンパ球の(白血球に占める)割合が21%まで落ちているとのことでした。
「これから、免疫を上げる治療を行っていく、煎じ薬、お灸は奥さんの協力が必要や。病気を治すのは自分(の免疫力)やで、わしはその手伝いをするだけや。」と力強いお言葉をいただいた後、何か困っていることはないか確認されたので、腸にガスと体液が溜まり苦しんでいる旨伝えると、薬を出しておくと言われました。また、痔を持っているか尋ねられたため、潰瘍性大腸炎の発症以前から痔であったと答えると、それについても薬を出しておくと言われました。最後に9年前の脳梗塞のアフターケアで飲み続けている血圧降下剤2種類と、抗血小板剤の継続の是非について尋ねました。少し考えられた後、「わしが殺したと言われてもイヤやから、仕方ないかな?」と渋々了承しようとされましたが、その後の血圧測定で(最高)105mmHg(最低)55mmHgという数値が出たため「ほら見ろ、低血圧になっとるやないか!9年も同じ薬を飲ませて、そんな医者を儲けさせることはない!薬を飲むのを止めなさい!」ということに落ち着きました。
問診終了後、血液検査のための採血を行い、漢方風呂について説明を受けた後、待合室に戻って鍼灸治療を待つよう指示を受け、松本院長に再度挨拶し診察室を後にしました。
待合室に戻りしばらくすると名前を呼ばれました。お灸の仕方を説明するので奥様も一緒に施術室にお入りくださいとのことでした。鍼灸師の先生は意外にも若い女性でした。まず、これから自宅で行うこととなる、お灸のやり方について説明を受けました。体の前面6箇所、背面2箇所にお灸をするということで、マジックペンで目印を付けてもらいました。「目印が消えないうちにご自宅に帰られてからお灸をしてください、一度すれば跡が残るので、その次からは大丈夫です」とのことでしたが、念のため説明書もいただきました。
説明終了後、生まれて初めての鍼灸治療を受けました。若い女性の先生ということもあり、特に緊張もせず、心地良い施術を受けました。鍼灸治療終了後、受付窓口で院内処方の薬(保険適用外)と処方箋(保険適用分)を受け取り、料金を精算しました。精算の途中で、お灸(カマヤミニ)が目に入ったので追加で購入し、最も近い調剤薬局を教えてもらい松本医院を後にしました。松本医院から徒歩1~2分の調剤薬局へ赴き、窓口で処方箋を提出し、所定の手続きを済ませた後、処方された薬を受け取るとともに漢方薬の煎じ方を説明してもらいました。料金を精算し薬局を出たのは、午後2時半でした。近くのデパートの飲食店で、かなり遅めの昼食を摂り、家路につきました。
3.自宅での治療とその効果
1)治療スケジュール
私が日々行っている治療のスケジュールを説明します。
①平日
5:00 妻が漢方薬を煎じる(所要時間40分)
6:15 起床→血圧・体温を測定し記録
6:20 食前の煎じ薬を服用→朝食→食後の煎じ薬及び内服薬を服用
7:30 出勤(煎じ薬を入れた保温マグカップ2本を持参)
12:00 食前の煎じ薬を服用→昼食→食後の煎じ薬及び内服薬を服用
18:30 帰宅
18:45 食前の煎じ薬を服用→夕食→食後の煎じ薬及び内服薬を服用
19:30 入浴
21:00 お灸(入浴後1時間空ける必要あり・所要時間45分)
23:00 内服薬を服用後、就寝
②土・日・祝日
平日のスケジュールに漢方風呂が加わります。準備に1時間、入浴に2時間の合計3時間が必要です。
2)治療内容及び効果・感想等
①漢方薬(煎じ薬)
ⅰ食前の煎じ薬院内処方の漢方薬と調剤薬局の漢方薬を混ぜて煎じたものを1日3回の食前に服用します。説明書には『治りにくい下痢を止めることができる。』とあります。
<効果・感想等>
かなり苦くて飲みにくい感じですが、直ぐに慣れました。飲み始めた翌日には泥状の便が軟便となり、思ったより即効性がありました。その後、飲み続けていくと、徐々に便は固形化していきました。
ⅱ食後の煎じ薬
院内処方の漢方薬と調剤薬局の漢方薬を混ぜて煎じたものを1日3回の食後に服用します。説明書には『腸管の炎症をとる。』とあります。
<効果・感想等>
食前のものほど飲みにくくはありませんが、飲んだ後に口内が少しヒリヒリしました。香辛料が入っているような感じです。自分で腸の中を確認することができないので、もどかしいですが、出血もほとんど無くなっており、効いているものと思われます。
②内服薬
ⅰフラジール内服錠
腸管の悪玉菌であるウェルシュ菌を殺す薬(抗生剤)です。3食後及び就寝前に1錠服用します。服用中のアルコール摂取は厳禁です。
<効果・感想>
初診時に最も苦しんでいた腸にガスと体液が溜まる症状を改善するために処方されたものです。服用開始後、すぐに効果が現れ、2週間でほとんど症状がなくなり、3週間で服用を終了しました。
服用開始後、すぐにネットでウェルシュ菌について調べてみました。ウェルシュ菌には、A型菌、B型菌、C型菌、D型菌、E型菌の5種類があり、そのうちC型菌は腸炎を発症させ、腸管に壊死性病変、出血性病変を形成するとのことでした。更に、C型菌はα毒素とβ毒素を産生すること、α毒素は、ガス壊疽の際の毒素で組織破壊作用があり、生物兵器としてテロリストによる使用が懸念されている恐ろしいものであること、β毒素は、壊死性腸炎の際の毒素で組織破壊作用があるとのことがわかりました。
そして、ウェルシュ菌自らは移動できないので、便に潜んで移動するとのことでした。以上のことから、7月下旬に受けた大腸内視鏡検査の画像で見た“直腸からS字結腸まで連続したびらん”と不快な症状“ガスと体液(リンパ液)”の犯人がウェルシュ菌であったことが容易に想像できました。
初診から3週間後の電話診療で、「主治医に一蹴された症状が、あっという間に良くなりました。犯人はウェルシュ菌だったのですね。ありがとうございました。」とお礼申し上げると、「私の言ったとおりだろう。そこら辺の医者は何にも知らないからなぁー、ワッハッハ!」と松本院長は一笑に付されました。院長の的確な投薬により、当面の不快な症状が劇的に改善され、大いに感謝しています。
ⅱアシクロビル
抗ヘルペスウイルス剤。ヘルペスウイルスの増殖を抑える薬です。初診時の血液検査の結果、単純ヘルペスのEIA価が178.4(基準値2.0)、水痘帯状ヘルペスのEIA価が56.6(基準値2.0)と異常に高かったため、服用を開始しました。現在も1日12錠(3錠を4回)服用しています。前出のフラジールは保険適用されますが、アシクロビルは保険適用外であり、高価(1錠@100円)な上に全額自己負担です。
<効果・感想>
前出のフラジールが細菌を殺す薬であるのに対し、アシクロビルはヘルペスウイルスの増殖を抑える薬です。ヘルペスウイルスを殺す薬は無いようであり、自分の免疫で退治することになります。そのため、フラジールほどの即効性はないものの、服用を続けるうちにじわじわと確かな手応えを感じてきます。
1ヶ月ほど前、長期間服用を続けて本当に大丈夫なのか気になり、ネットで調べたところ、アシクロビルは、ヘルペスウイルスには毒性を発揮するが、感染した人には安全な画期的な薬であり、その発見はペニシリンの発見にも匹敵するとのことでした。アシクロビルを発見した研究者は、アシクロビルの開発を含む一連の功績により、1988年のノーベル医学生理学賞を受賞しているとのことでした。
これにより、アシクロビルの長期服用への不安は消失しましたが、松本院長のご努力にもかかわらず、このような素晴らしい薬に保険適用が認められないという現実に対し、ヘルペス感染者として強い憤りを感じました。
③灸
初診時の指導により、体の前面のツボ6箇所(天枢2、血海2、足三里2)、背面のツボ2箇所(大腸兪2)に灸(施術)をします。着火後6分で1回終了。これを3回行います。前面と背面は同時にできないので、前面18分、背面18分かかります。灸の取替え時間を含めると45分程度必要です。これを毎日行います。
<効果・感想>
施術後、お腹が温まった感じがし、お尻がピリピリとむず痒くなります。漢方薬と同様に劇的な効果はありませんが、体が温まり、免疫力が高まっていくことを実感できたため、最初の1ヶ月は頑張って毎日続けました。しかし、食後は1時間、入浴の前後は1時間空けてから行う必要があるため、早起きして漢方薬を煎じている妻に負担をかけるのも気が引けていき、1日置き、2日置きへと徐々にペースダウンしていきました。また、施術中は換気のため窓を開けるのですが、季節が秋から冬へと移ることで外気が冷たくなり、お灸をしているのか体を冷やしているのかわからなくなってきたこともあり、現在は土・日曜日の2日だけ行うだけに留まっています。
12月13日に3回目の鍼灸治療を受けた際、この事について鍼灸師の先生に相談しました。火を使わないお灸の併用等を含めて検討した結果、私の場合、特に足の冷えが気になるので、膝から下の施術箇所を2箇所から6箇所に増やして平日行い、お腹(天枢)と腰(大腸兪)は土・日曜日に行うということになりました。効果があることは十分理解できていますので、頑張って続けていきたいと思います。
③漢方風呂
院内処方された薬剤を布袋に詰め浴槽に入れ、50~80℃のお湯を浴槽の3分の1まで注ぎ、蓋をして1時間蒸らします。1時間後、適温になるまで水で薄めて2時間入浴します。事前に説明があった通り、入浴後の浴槽は薬剤の色(茶褐色)が染み込んで落ちません。
<効果・感想>
8月15日、初めての入浴。脱水状態になってはいけないと、スポーツドリンクで水分を補給しながら、湯船に入ったり出たりしました。私は比較的長風呂ですが、さすがに2時間は長いと感じました。体重は、入浴前69kgだったのが入浴後66.5kgになり、2.5kg減少しました。翌日は若干湯温を下げて抑え目に入浴したつもりでしたが、入浴前67.5kg、入浴後65.2kgでした。
最初の土・日曜日の入浴は苦行に近いと感じられました。その後の電話診察の際に松本院長に「漢方風呂は結構きついですね。2日で体重が4kg近くも減りました。」と伝えると、「アホやな。無理するな。ゆっくりリラックスして入れ。」と怒られてしまいました。
その後は、2時間の入浴にもすっかり慣れ、湯船に浸かって軽い筋トレをしたり、ツボ・マッサージをしたりしながら、ゆったりとした時間を過ごしています。
④塗り薬
ⅰ紫雲膏
赤紫色の軟膏で、皮膚病に効果がある漢方薬。独特の匂いがあります。主な効能は、しもやけ、うおのめ、あせも、ただれ、外傷、火傷(熱傷)、かぶれ、痔核による疼痛、肛門裂傷、等です。
<効果・感想>
初診時の鍼灸治療での指導に従い、主にお灸の際の接着剤として使用しています。アトピー症状が現れたら、塗ってやろうと思っていますが、残念ながら、漢方風呂で軽快する程度の症状に留まっています。
ⅱ中黄膏
黄色の軟膏で、皮膚病に効果がある漢方薬。主な効能は、いぼ痔、切れ痔、痔核、痔ろう、脱肛、疼痛、かゆみ、出血、おでき、ただれ、あせも、湿疹、とびひ、等です。
<効果・感想>
痔の調子が悪い時、就寝前と出勤前に患部に塗り込んでいます。即効性はあり、1~2日で痔の症状が軽快します。松本院長から、痔には紫雲膏も併せて塗るよう言われていますが、本剤だけでも十分な効果が得られています。
⑤その他
ⅰ鍼治療
自宅周辺で一番大きい診療所で週1回、1ヶ月ほど治療受けてみましたが、松本医院で受ける鍼灸治療ほどの効果は感じられず、費用対効果を考えて通わなくなりました。
ⅱ血圧・脈拍・体温・体重等の管理
初診時に松本院長の指導を受け、脳梗塞のアフターケアで服用していた(させられていた?)血圧降下剤2種類と抗血小板剤(血が止まらなくなる薬)を止めています。ただし、止める条件として毎日血圧、脈拍、体温を測って記録し、異常があれば相談するよう言われたため、以後、起床後と就寝前の1日2回血圧と体温を測定し記録しています。また、体重、BMI、体脂肪率等は以前よりある程度管理してきましたが、測定器具が古かったため、今回併せて新しいものに買い替え測定しています。近時の状況は以下の通りです。
血圧は、起床後の方が低く、(高)130mmHg前後(低)75mmHg前後、就寝前は(高)140mmHg前後(低)85mmHg前後です。脈拍も起床後の方が少なく、70(回/分)前後、就寝前は70~90(回/分)で時々不整脈があります。不整脈の原因はヘルペスではないかと思われます。体温は、起床後の方が高く、36.3~36.7℃、就寝前は35.8~36.3℃です。体温は36.5~37.0℃が良いとされています。就寝時間が遅めなので体温が下がってしまっているのかも知れません。早寝を心がけたいと思います。
体重は、一時65kg前後まで落ち込みましだが、最近は67kg前後で落ち着いてきました。身長は175cmなので、BMIは22前後、完全な標準体重です。ちなみに、昨年の今頃の体重は73kg前後であったと記憶しています。
体重の維持に漢方風呂が大きな役割を果たしています。ここ数カ月は、月~金曜日で68kg前後へと増えた体重が、土・日曜日の漢方風呂入浴を経て、月曜日の朝食後には66k前後後に減るということを繰り返しています。
3)血液検査
4年前に潰瘍性大腸炎が発覚して以降、食生活をある程度コントロールし、適度な運動も継続していたこともあり、一昨年、昨年の人間ドックの血液検査の結果は『全項目基準値内で異常なし』とのことでした。また、年1回、特定医療費(特定難病)受給者証更新のため、CRP、白血球分析等の検査を受けましたが、主治医は結果を見ても、いつも「CRPも正常だし、特に検査結果に異常はない。」と言って首をひねるばかりでした。
そういったことから私は、血液検査の結果に異常がないのに何故潰瘍性大腸炎なのだろう?という素朴な疑問をずっと抱えていました。そして、その疑問は松本医院で受けた血液検査によって払拭されることになりました。普通の血液検査では表示されない項目に問題があったのです。
①CRPC反応性蛋白。体内で炎症反応や組織の破壊が起きているときに血中に現れるタンパク質とのことです。基準値は0.3㎎/dl以下。私の場合、1回目(8月12日の採血)0.12㎎/dl、2回目(10月12日の採血)0.08㎎/dlでした。1回目は過去最悪で、ステロイドの使用を示唆されるような病状でしたが、検査結果としては基準値以下でした。2回目は、かなり症状が改善された状態であり、1回目より0.04㎎/dl下がっています。この項目には、やはり大きな問題はないようです。
②リンパ球(比率)白血球(WBC)中のリンパ球の割合。白血球は顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)とリンパ球と単球で構成されており、リンパ球は20~40%を占めているが、健康な人のリンパ球比率、いわゆる理想値は35%~41%といわれています。松本院長は、初診時に提出した過去の血液検査のデータを一瞥したけでリンパ球比率が低く、免疫力が下がっていることを指摘されました。ご指摘の通り1回目の結果では17.0%と基準値以下で、2回目も21.6%と低水準でした。このリンパ球比率の低さこそ、私の体調不良の元凶であり、この後で説明する項目にも大きな影響を与えているのです。松本院長はリンパ球比率40%以上を推奨されています。加齢によりリンパ球の産出は減っていくので、比率を上げるのに時間がかかるといわれています。40%への道は長くて険しいと思われますが、『病気を治すのは自分の免疫である』を肝に銘じて精進していきたいと思います。
③血沈赤血球沈降速度(単位㎜/1H)のことで、一般的な基準値・正常値は男性1~10、女性2~15とのことです。数値が高いことを亢進、低いことを遅延といい、50を超えるようなケースは「高度亢進」と呼ばれ、関節リウマチ、自己免疫性溶血性貧血、SLE(全身性エリテマトーデス)などの自己免疫疾患、膠原病の可能性を検討する必要があるとのことです。私の検査値は、1回目12と基準値をオーバー、2回目は2となり基準値に納まりました。数値が改善したのは、初診後の治療により症状が改善したことによるものと考えています。
④コルチゾール「糖質コルチコイド」と呼ばれる成分の一種で、副腎皮質から分泌される「副腎皮質ホルモン」の一つです。主要栄養素の代謝に関与する人体にとって欠かすことのできないホルモンですが、副腎皮質ホルモンとしてはかなり強い作用を発揮するステロイドホルモンであり、強い抗炎症作用をもたらします。検査値は、血液中のコルチゾールの含有量(単位μg/ml)を表すもので、検査報告書に表示された基準値は6.2~19.4です。ストレスの影響を受け、分泌量がコントロールされており、検査値が高い場合は、クッシング症候群(慢性の糖質コルチコイド過剰による症候群)、過度のストレス状態、うつ病などを発症している可能性が考えられるとのことです。私の検査値は、1回目19.8と基準値をオーバー、2回目は9.8となり基準値に納まりました。1日の中で分泌量が大きく変化するホルモンのため、数値の変動が大きく、あくまで参考ではありますが、1回目は症状が悪化していたことや、初診による不安等からストレスがあり、2回目は症状が改善し2度目の受診ということでストレスも下がり、数値が向上したとポジティブに解釈しています。
いずれにしても、人間は強いストレス状態が長く続くと、過剰に糖質コルチコイド(ステロイドホルモン)を分泌し、外部からステロイドホルモンを取り入れたのと同じような状態になるということです。私の潰瘍性大腸炎が発覚したのが、子会社に出向して間もなくのことでした。親会社でストレスを抱え仕事をしていた間は、体内で過剰に分泌されるステロイドホルモンの抗炎症作用により発症せず、子会社に出向したことによりストレスが減り、ホルモンの分泌が減ったことから発症したものと思われます。外部からステロイドは取り入れていませんでしたが、長期間体の内部で必要以上に分泌していたようです。ステロイドホルモンは、免疫力の源であるリンパ球を殺すといわれています。私は、自分(のステロイドホルモン)で自分の免疫力(リンパ球)を低下させていたのです。
⑤TARC
アトピーの重症度を知るための検査項目。TARC値=皮膚の炎症の強さということで、ステロイド外用薬の選択、変更の時に参考にされる数値のようです。基準値450未満のところ、私の検査値は、1回目297、2回目333となっており、特に問題はありませんでした。
⑥非特異的IgE
アレルギー、アトピーの血液検査の代名詞になっている検査項目で、血液中のIgE抗体の総量のことです。スギ、ヒノキ、ハウスダストなど個別のアレルギーの起こりやすさではなく、全体的なアレルギーの起こりやすさを表すものです。検査報告書に基準値は表示されていないため調べてみたところ、個人差があるので参考基準値ですが、170(IU/ml)以下ということでした。私の検査値は、1回目478、2回目398と、かなり高値でした。ちなみに特異的IgE(個別のアレルギー抗体)は全て基準値内でした。
⑦単純ヘルペス(HSVIgG)
単純ヘルペスウイルスに対するIgG抗体を、EIA法によって測定したものです。基準値2.0未満のところ、私の検査値は、1回目178.4、2回目126.1と、異常な高値でした。松本院長は、「貴方の免疫力(リンパ球比率)が低下していくのに乗じてヘルペスウイルスは増殖していったのであろう」と言われました。白血球は、生体防御に関わる免疫担当細胞で、外部から体内に侵入した細菌・ウイルスなどの異物の排除、腫瘍細胞・役目を終えた細胞の排除などを行いますが、ウイルスなどの小さい異物や腫瘍細胞については、顆粒球(②参照)ではなく、リンパ球が中心となって対応します。ということは、リンパ球比率が低いとウイルスや腫瘍細胞を排除することができず、ウイルスや腫瘍細胞が増殖してしまうということです。そして、ヘルペスウイルスを排除するには、前出のアシクロビルで増殖を抑えながら、リンパ球比率(免疫力)を高めていく以外に方法はないということになるのです。依然高値ではあるものの、2回目の検査値は1回目に比べ50ポイント以上低下しています。リンパ球比率が17.0%から21.6%に向上したことが検査値の低下につながったと、ポジティブに解釈しています。
⑧水痘帯状ヘルペス(VZVIgG)
水痘帯状ヘルペスウイルスに対するIgG抗体をEIA法により測定したものです。基準値2.0未満のところ、私の検査値は、1回目56.6、2回目45.4と、かなり高値でした。こちらも単純ヘルペスウイルスと同様に依然高値ではあるものの、2回目の検査値は1回目に比べ10ポイント以上低下しています。初診以降の治療によりリンパ球比率が向上したことが検査値の低下につながったと、ポジティブに解釈しています。
⑨ACTH
副腎皮質刺激ホルモン。視床下部-下垂体-副腎皮質系の疾患の診断と病態の解明に不可欠な検査で、副腎皮質機能低下症の原因検索やステロイド長期服用患者の副腎皮質の委縮状態を推定するのに有用とのことであり、常にコルチゾール値と対照して異常を考える必要があるとのことです。基準値7.3~63.3のところ、私の検査値は、1回目10.2、2回目7.3と、少し低めですが基準値の範囲内でした。コルチゾール値との対照においても、問題ないと思われます。
4.現況(治療開始から4ヶ月半経過)
1)潰瘍性大腸炎
初診時の不快な症状(腸内のガス、体液)は大幅に改善され、腹部の膨満感、痛みはほとんどありません。便の形状は固形中心で、前日の食べ物や、当日の体調により軟便、泥状便が混じります。出血は、ほとんど無く、月に131~2回の微量の出血は、痔によるものと思われます。排便回数は治療開始前に比べ半減したものの、食事を摂ることにより不安定になり、1度の排便を数回に分けて行っています(朝3回前後、昼2回前後、晩1回前後)。潰瘍性大腸炎によるものか、過敏性腸症候群によるものか、はたまたヘルペスによるものなのかはわかりませんが、腸の動きを正常化させることが残された課題です。初診時より飲み続けている煎じ薬(食前のもの)は、正常な人が飲むと便秘すると聞いています。つまり、腸が正常になれば、便秘気味になるということであり、それから考えると、今しばらく時間を要するものと思われます。
完治への道標である、クラススイッチ(免疫抗体の形態移行)は、まだ発動していないようです。1ヵ月ほど前に、後頭部から耳の後ろに湿疹ができ、「ついに始まったか」と期待しましたが、漢方風呂に入るときれいに消えてしまいました。
2)ヘルペス
初診時の自覚症状は、気になる順番で、肩痛、耳鳴り、寝汗、異常な汗かき、倦怠感などでした。アシクロビルを服用し始めてから4ヶ月経過した現在、激痛が走っていた肩痛は、多少違和感がある程度にまで改善しています。耳鳴りは、多少気にはなるものの、以前と比べ半減したと感じています。寝汗、汗かき、倦怠感も、かなり改善されてきています。
3)全般
潰瘍性大腸炎、ヘルペスとも順調に改善しています。血圧降下剤を服用していませんが、若干不整脈はあるものの、血圧、体温に問題はありません。体重は、BMI22前後で推移しており、一般的には理想的な状態と思われます。倦怠感等も軽減し体調全般が改善されてきていると実感しています。
5.今後の課題・目標
1)リンパ球比率を40%まで高めること。当面の目標は30%。
2)腸の動きを正常化させ、潰瘍性大腸炎を完治させること。
3)自分の免疫でヘルペスウイルスを制圧し、健康体を取り戻すこと。
6.最後に
8月12日の初診から、早いもので4ヶ月半が経過し、もうすぐ新しい年を迎えようとしています。中間報告ではありますが、何とか年内に手記を書き終えることができ、ホッとしています。初診からこれまでのことをネット等からの情報も織り込みながら、好き勝手に書き連ね、思わぬ長文になってしまいました。
最後まで読んでいただいた方には、感謝いたします。松本院長並びに松本医院のスタッフの皆様、そして鍼灸師の先生、旧年中は大変お世話になりました。来年も健康体復帰を目標に精進いたしますので、引き続きご指導ご鞭撻お願い申し上げます。