「潰瘍性大腸炎手記」
30歳2014年4月14日
30歳2014年4月14日
<病気発症~入院まで>
発症した頃は、精一杯続けてきた営業の仕事もなかなか軌道に乗らず、疲れ果てた頃だった。ストレスはものすごく、胃の痛みが増していた。それが25年5月に我慢しがたいほどになり近くの個人病院へ。高校の時から胃が痛いのは日常茶飯事であった為、胃炎やひどくて胃潰瘍か何かだろうと思っていた。しかし実際は「胃は綺麗だ」と医師から言われ、原因が分からないまま痛み止めの薬を処方されたきりであった。その後処方された薬で痛みは和らいだが、今度は便に血が付くようになった。そこでもう一度同じ個人病院に行ったが、今度は処方された薬を飲んでも改善せず、次第に血便で便器が血に染まるようになった。一日に何度もトイレに駆け込むようになり、最終的には何を食べても、何を飲んでもトイレに走るようになり、25.6.21思い切って地元の総合病院へ。即入院と言われてしまった。
<入院~退院まで>
絶食と点滴の日々が始まった。数日後、主治医から「おそらく潰瘍性大腸炎だろう」と話をされた。難病であること、薬を一生飲み続けなければならないこと、そして食事制限が加わること…。それまで体を酷使し、食事もかなり偏っていたそのつけが来たのだと思った。しかし難病とは言っても世の中には治っている人もいるのではないか?そんな小さな期待から、インターネットで情報を探し始めた。まぁまぁ思うようなものがなく諦めかけていたとき、幸運にも松本漢方クリニックのホームページに辿り着くことができた。先生の理論をわかる限り理解し、ステロイドの怖さを知った。その日から、それまで飲んでいたアサコールの数を減らし、プレドニンは完全に飲むのを止めた。完全に飲まないことも考えたが、退院が遅くなるのでは、という不安があったからだ。その後は比較的順調に改善していき、一ヶ月半後の25.8.6無事退院の日を迎えた。
<退院後~松本漢方クリニック受診まで>
退院後は経済的余裕がなかったため、他の方法として見つけた断食療法を試してみた。しかし食事制限が上手く行かず、結局挫折してしまった。退院して約一ヶ月後に出血が再開し始めた。ひどくなる場合には入院もありうると主治医から言われてしまった。困っていたときそれまで忘れかけていた松本漢方クリニックのことを思い出し、親に援助を頼み松本漢方クリニックでの治療を受けることにした。
<松本漢方クリニックへ>
25.11.1、新幹線に乗り母親と松本漢方クリニックを目指した。群馬~大阪までは遠い道のりだと思っていたが、意外とあっさり着くことができた。中に入ると患者さんがたくさんいた。受付の女性から、それまで飲んできた薬の量を書く紙を渡されたのだが、これにはずいぶん時間がかかった。それだけたくさんの薬を飲んできたのだなと感じた。その後、尿検査、針治療、お灸をしてもらい、最後に先生の診察と血液検査を受けた。先生はとても気さくな方で、「病気は自分で治すものということを忘れるな」「必ず治るから安心しなさい」と言っていただき何度も握手をしてくださった。遠方ということで配慮していただき、電話で注文し郵送してもらう形となった。
<家での治療開始>
家での課題は、①処方されたのは食前・食後・食間の漢方を毎日煎じて飲むこと、②週二回処方された漢方を煎じ漢方風呂に入ること、③毎日三カ所のツボに灸を据えること、近所の鍼灸院で週一回ほど針治療をしてもらうことの4つだった。漢方は、毎食前に下痢を治す漢方、毎食後に出血を止める漢方、食間(お茶代わりに飲む)用にアトピーを治す漢方の3つが処方された。これらすべてをやるのは大変そうだったが、病気は自分で治すものという先生の言葉を思い出し、できる限り頑張ろうと心に誓った。
翌日(11/2)から早速治療(課題)をスタートした。漢方は食前用が非常に苦く、飲むのが大変だったがすぐに慣れることができた。漢方風呂はとても体が温まり、家族が喜んでくれた。お灸は痛みに耐えられるか不安だったが、これも時間とともに慣れることができた。
<治療開始から現在までの病気の経過>
漢方を飲み始めて3日目から便に明らかな変化が出た。それまで便秘気味でほとんど出なくなっていたのだが、トイレに行くたびに(汚い話だが)大量にするりと出る感じで、まさに快便という感じだった。それも次第に回数も落ち着き、今は普通便(たまに軟便)に落ち着いている。また退院後から始まった出血もしばらくひどかったが、少しずつ減っていき、今では全く出ることがなくなった。先日受けた大腸カメラではとても綺麗になっていて、入院中の赤黒い大腸の面影はまるでなかった。それまでは、「本当に自分も治るのだろうか」という不安がどうしても消えなかったのだが、漢方で病気は治るのだという確信を持つことができた。
<これまでを振り返って>
漢方での治療を始めて約半年が経った。ここまで大きなリバウンドもなく来られたことは幸いであった。自分の努力も確かにあったが、家族、特に母親の協力無しにここまで来ることはできなかったと思うとても感謝している。振り返ると、長い間体をいじめ続けてきたように思う。ストレスに弱い自分を強くするためあえてつらい道を選んだり、食事も添加物過多のファーストフードやお菓子、特にチョコレートやコンビニのデザートなどを食事のようによく食べたりしていた。ひどいときは食事をお菓子で済ませることもあった。また、科学物質である薬も体に良くないとは思いつつ多用していた。行きつけの病院で処方された薬は約10年間飲み続けてしまった。体に入れるものは選ぶべきだということを松本先生から学んだ。
病気のおかげでいろいろなことを学んだ。入院して、退院して、松本漢方クリニックにお世話になって…この一年は本当にかけがえのない年であったと。松本先生、そして松本漢方クリニックの皆さんには本当に感謝している。