「ステロイド地獄から解放されて・潰瘍性大腸炎」
匿名希望 42 歳
中間報告 2016 年 1 月 13 日
完治一歩手前 2017 年 7 月 18 日
匿名希望 42 歳
中間報告 2016 年 1 月 13 日
完治一歩手前 2017 年 7 月 18 日
はじめに
私は西洋医学の治療で9年間に渡って72,000mgのステロイドを使用し、数多くの副作用が全身に現れました。それにより死の恐怖を感じるようになったため、その後、松本漢方クリニックで治療を始め、この大量のステロイドを止める事が出来ました。西洋医学ではステロイドを止める事は絶対に不可能なのです。今の私はステロイドを使わずに治療を続け、徐々に回復しております。この事実は、『松本理論がいかに正しく、完全な物であるのかを証明したに等しい』と思っております。そしてこの治療が何処でも受けらせる日が来る事を願います。この手記を、現在、私と同じ病気で苦しんでおられる方に、少しでも役に立てて頂ければ幸いです。※10年以上前の記憶は、思い起こせる範囲の事しか書くことが出来ませんのでお許し下さい。
1.診断~入院
私が潰瘍性大腸炎と診断されたのは、17年前の25歳の時でした。当時の私は両親とともに家業をしていましたが、仕事上の人間関係を上手く築くことが出来ず、将来跡を継いだとしても上手く営んで行けないのではないかと思い、自分自身もっと成長しなければいけないと考えていました。しかし、何をどうすれば良いのかなかなか答えを見いだせず、気ばかりが焦っていました。そんな毎日を繰り返しているうちにストレスが溜まり、仕事を終えると出掛けては深夜未明、時には朝方まで遊び回り、不規則な生活を繰り返していましが、ある日を境に腹痛と下痢が止まらなくなり、それが数ヶ月続くようになりました。
日が経つにつれ腹痛は強くなり、トイレの回数も多くなりましたが、まだ病院に行こうとは思いませんでした。そんなある日、いつものように腹痛が起き、トイレに行くと便器が血で真っ赤に染まりました。私は、流石にこれは病院に行かないとまずいと思い、胃腸科のクリニックに行きました。(この時の生活の中で、自分自身の副腎皮質からステロイドホルモンを毎日出し続け、免疫を抑え、遺伝子の働きを変えてしまい、腸を傷つけていたのだと思います)
そこで内視鏡検査を受けたところ、潰瘍性大腸炎と告げられましたが、初めて聞いた病名のため気楽に考えていました。その医師からは、「あまりこの病気を甘く見てはいけない」と言われましたが、“難病だ”との説明はなかったためか、少し休めばすぐ治ると思っていました。そこで出された薬は、プレドニン2錠とサラゾピリン6錠/日でした。この時はまだステロイドの知識もなく、処方された薬を飲めば良くなると思い、気にせず飲んでいました。
しかしなかなか良くならず、リンデロン座薬を使い始めました。少しの間は落ち着きましたが、次第に良くなるどころか症状が悪化していき、便の状態も水下痢になり出血もするようになりました。物を食べるとすぐに便意を催し、便の回数も1日10回以上になり、段々このクリニックに不信感を持ち始め、ここではもう治らないと思い総合病院に行くことにしました。
そして総合病院の医師に今までの事を話したところ、「即入院だ」と言われ、その日のうちに入院しました。その時、潰瘍性大腸炎は厚生労働省指定の難病である事を初めて聞かされましたが、入院すれば治ると思い安心していました。そして内視鏡検査を受けたところ、炎症は腸全体に広がっていて、とてもひどい状態でした。
その日から絶食をしながらステロイドの点滴を受けることになり、その治療が1ヶ月くらい続きました。下痢は少しずつ治まって行き、普通便が出るようになると、点滴のステロイドは無くなり、錠剤のステロイドであるプレドニゾロンを1日6錠、ペンタサを1日6錠服用する事になりました。しばらくすると出血も治まり退院することができました。(この時はまだステロイドが遺伝子にまで影響を及ぼす最悪の薬だと知らなかった為、初めから大きい病院に行っておけば良かった後悔しました)
2.9年間の通院
退院してから初めての診察の日に、主治医から「ステロイドは免疫を下げるから早く無くしたい」と言われました。この時初めてステロイドが免疫を下げる薬だと知り、免疫を下げてどうして病気が治るのか疑問に感じましたが、その時は症状も治まっていた事もあり、難病だから多少のリスクは付き物だと勝手に解釈し、治れば飲まなくて済むからと、あまり気にせず飲んでいました。
しかし、1錠減らすと出血や下痢をしてしまい、1年間は、ステロイドを5~6錠を繰り返していました。2年目になると再燃をしなくなり、普通の日常生活が送れるようになりましたが、食事だけは気を付けていました。2年半でステロイドを4錠までにしか減らせませんでしたが、このまま行けば順調に減らしていけると思っていました。
2年半が過ぎた頃、急に主治医が他の病院に異動になり、その後の6年半は引き継いだ医師に担当してもらう事になりました。この医師は、ステロイドを長期間使用する事に何の抵抗もなく、症状さえ出なければ満足し、患者と真剣に向き合う気もない様に見えました。そしてこの6年半は、寛解と再燃を繰り返す生活が続くだけでした。良くなればステロイドを減らし、悪くなれば増やすだけで、いつまで経っても止める事は出来ず、年月が経つにつれ、副作用が徐々に増えて行き、5年も過ぎると顔つきも随分変わってしまいました。
この頃から私の家に、ネットが出来る環境が整い、私は病気について調べ始めました。しかし、どの治療法を見ても治せるものは無く、現代医学の限界を感じ、失望しました。同時にステロイドの恐ろしさも知った私は、何とか少しでもステロイドを減らしたかったので主治医に相談しました。すると、主治医は急に顔色を変え「そんな事を言ったって、減らせば悪くなるだろう!」と強い口調で言われたので、私はこの医者は駄目だと思いました。(この医師は、潰瘍性大腸炎や薬の知識は余り無かったに違い有りません。ただ、プライドだけが高く、自分の指示通りに患者がしていれば満足していたのでしょう)
私は、このような医者に無責任な医療行為をされて、犠牲になるのはいつも患者であり、自分自身が正しい知識を持たなければ、殺されてしまうと思いました。それからは体調に合わせてステロイドの量を自分で増減していましたが、3錠までは何とか減らせるものの、どうしても2錠にする事は出来ませんでした。
しばらくすると主治医から「白血球除去法と言う治療があるけどどうする?」と聞かれましたが、この治療法はやっても意味が無い事を知っていたので、「それはやりたくない」と言うと、「まあ、この治療をやっても治る訳じゃないしね」と言うのです。治らないと知りながら勧めて来たこの行為に、この人は本当に身勝手で無責任な医者だと改めて思いました。結局、他に治療法が無い以上、今まで通りステロイドを服用するだけの生活に戻りました。そして、年を追うごとに、いつも体がだるくなり、顔は浮腫み、皮膚や血管も脆くなり、髪や爪なども・・・、数え切れないほど副作用が増え、顕著に現れるようになりました。些細な事にイライラする様になりました。昼間はあれだけだるくて眠いのに、夜になると頭が冴え、朝方まで眠れなくなったりしました、冬になると必ず風邪を引くようになり、段々気が滅入るようになっていきました。
そしてステロイドを使い始めて8年が過ぎた頃、足を滑らせ机に脇辺りを強打した後、痛みが2、3日経っても治まらなかったので、病院でレントゲンを撮ってもらうと肋骨に少しひびが入っていました。その時ステロイドの副作用に骨粗しょう症がある事を思い出し、骨密度の検査をしてもらいました。結果は正常値ではありましたが、ギリギリの最低ラインでした。少しホッとしたものの、このままステロイドを使い続ければこの先どうなるか分からないと思い怖くなりました。この頃になると、外出もあまり出来なくなり、体は何時もだるく、寝てばかりいました。夢も希望もなく、何もやる気が無くなり、何の為に生きているのか分からず、絶望感でいっぱいでした。そしてこのままこの生活が続けば、いつかステロイドの副作用で死んでしまうのでは無いかと思うようになりました。
通院生活が9年目に入ると、日に日にステロイドの効きも悪くなり、死へのカウントダウンが始まり出したと思い、恐怖心でいっぱいになりましたが、同時に怒りも沸いて来ました。不治の病ならいざ知らず、何故、腸の炎症で、しかもその薬の副作用で死ななくてはならないのかと強く思い始め、とにかくステロイド以外の治療法が無いかネットで検索すると、『潰瘍性大腸炎には漢方が有効』と書いてあるサイトが目に留まり、漢方で治療する病院があるかと検索すると、松本漢方クリニックが出て来ました。
ホームページを見てみると、『当院ではステロイドを絶対に使いません』と書かれてあり、先生の強い信念みたいなものを感じると同時に、ステロイドの恐ろしさを本当に熟知されている方なのだと思いました。そして、そんな先生が書かれた理論はどのようなものかと読んで見ますと、病気の原因から、治っていくプロセス、『何故現代医学では治せないのか』などがとても詳しく書かれてあり、私がいつも疑問に思っていた事の答えが全てありました。そして、『この病気が治る!』と言う事に強い衝撃を受け、読み終えた時には高揚感でいっぱいになりました。つい先程まで絶望感でいっぱいだった私が希望に満ち溢れていました。そして『潰瘍性大腸炎を治すのは唯ひとつ、免疫を上げることしかありません』、この言葉に、“ここしか無い!”と思いました。
しかし唯一気掛かりだったのは、今までに使用したステロイドの量でした。理論の中では、『15年間でステロイド30000mgを使用してこられた方がステロイドを止めることに成功した』と書いてありましたが、私は9年で70000mg以上使用していたからです。しかし『死なない限りは治る』とも書かれていたので、“やるしか無い”と思いました。それに、このままではいつか死んでしまうし、治せる治療をして、それで駄目なら諦めようと覚悟を決め、家族にその事を伝え、松本漢方クリニックへ行く事を決めました。
3.松本漢方クリニック(松本先生との出会い)2008年6月17日
私は、治るかも知れないと思いのため、行きの電車では気持ちが高ぶっていました。そして松本漢方クリニックに着き、受付を済ませ、問診票に記入し、順番を待っている時、手記の中に「絶対に治る、大丈夫」などの言葉を掛けてもらい、勇気づけられたと書かれていた事を思い出し、自分も「大変だけど、頑張ろう」くらいは言って貰えるのかもと思い、待っていましたが、大アマでした。順番が来て診察室に入ると、私の問診票を手にした先生は、初めて目にしたステロイドの量に、驚きと半分呆れているような感じで「72000!72000!」と繰り返した後、72000mgも使った医者に対して怒りが爆発していました。その後「何でここまで、ほっといたんや」「こんな量、聞いたこと無い」「世界一の量やで」「顔も変わってしまったやろ」「もう脳みそも内臓もグチャグチャや」など様々な事を言われました。そして、「なんで、来たんや」と聞かれ、私が「ホームページを見て、治せると書いてあったので」と答えると、先生は「治せるかどうか、わからへん」世界一ステロイドの危険性を熟知されている先生のその言葉に、私はもう取り返しのつかない事になっているのではと思い、とても落ち込むと同時に頭が真っ白になりました。
先生は「72000を止めるのは大変やで」「責任は取れんからな、なんかあったらすぐ大病院に行くんやぞ」と言われましたが、その後、治療をして下さる事になり、先生は自分の携帯電話の番号を私に教え、「何かあったら直ぐ電話するように」と言って頂きました。そして、食事は何を食べても良いということを聞き、これからは何でも食べる事が出来ると思うと嬉しくなりました。
その後は今飲んでいるステロイドの量を伝え、血液検査をし、漢方を貰い、松本漢方クリニックを後にしました。そして何の効果もない無駄な治療を9年間もしてしまった自分自身に後悔と悔しさでいっぱいになりました。治りもしない薬を出し続ける今の医療行為にも疑問を感じますが、その犠牲に為らないためには、自分自身が正しい医学の知識を持たなければ命を守れないと思いました。何はともあれ、治療を始められる事に安堵しました。
4.ステロイドを止めるまで
6月18日、ステロイド(プレドニゾロン5mg)4錠、ペンタサ6錠から、ステロイド3錠、ペンタサ6錠、に減らしました。この日から、漢方薬を1日4回、食前、食後、寝る前に飲み始めました。漢方薬は家族の協力を得て作ってもらいました。すると熱が38度くらい出始め、頭が痺れだし、脳が宙に浮いている様な感覚になりました。夕方から寒気が止まらなくなり、夜は眠れなくなりましたが、眠っていた自分の細胞が、急に目覚め動き出した様な感覚を身体中に感じました。ステロイドを減らしたにもかかわらず、便の回数は減り、再燃の時いつも緩かったお腹も安定したので、“漢方薬は本当に凄い、これは治せる”と確信しました。
そして3日後には、ステロイド3錠、ペンタサ6錠からステロイド2錠、ペンタサ3錠に減らしました。1週間後、先生から血液検査の結果を伺うと「あかん!免疫あらへん!」「君ぐらいの年やったら、本来リンパ球は50%くらいある」と言われました。リンパ球が僅か2.4%しかなく愕然とするとともに、改めてステロイドの恐ろしさを知りました。
2週間後には、ペンタサを止めました。この頃は毎日体調の報告をしていましたが、その都度「何かあったら、大病院へ行くんやぞ」と言われたため、いつか生死に関わる様なリバウンドが起こり、この治療が出来なくなってしまうのではと思い、とても不安になりました。そして、ステロイド2錠に減らし、それを3週間続けましたが、腸へのリバウンドはまだ少なく、下痢便ではあったものの、お腹の緩さもなく、便の回数も1日2~4回程度でした。ただ、胃の調子が悪くなったため、胃の働きを良くする漢方を処方してもらい飲んでいました。この頃は、喉の詰まりが強く、食べ物が急に呑み込めなくなったり、頭がボーっとしたり、腕が強烈にだるくなったりと、体の至る所に症状が現れました。今思えば全てヘルペスの症状が出ていただけで、気にする事も無かったのですが、当時は知らなかったため、次々起こる症状に恐怖心が強くなり、精神的に不安定になっていました。その為、ただの鼻づまりを息苦しいと思い込み、鼻づまりが酷くなるにつれ息苦しさを強く感じる様になり、このままでは呼吸困難で死んでしまうと思い、先生に電話で相談しました。先生は検査を受けるように言われ、病院で検査を受けましたが、何処にも異常は無く、パニック障害みたいなものだと告げられました。これで心臓疾患ではない事が分かり、また治療が続けられると安心しました。その後、少し鬱状態にもなりましたが、先生に電話しその都度励まして頂き、何とか乗り切ることが出来ました。
8月からは、ステロイドを1日置きに2錠と1.5錠(1錠+1錠の半分)にしました。治療を始めて3ヶ月が過ぎた頃、2度目の受診をしました。その日は、先生から「よう来たなぁ~もう死ぬことはないから大丈夫や」と言われ、安心しました。そして、「怖い病気なんかないんや、全部悪い医者どもが病気を作っとるんや、その悪いことした医者の後始末をわしがしとるんやで」と言われました。それを聞いて、確かに私はその典型的な患者の一人だと思いました。また、「難病は初めから治らないと断定しているため、治せなくても医者に責任は無く、やりたい放題やっている事も聞き、納得がいきました。そしてその裏で製薬メーカーが永遠に儲かるシステムになっている事を知ると、医療業界の闇は本当に深いと思いました。
9月18日から10月1日はステロイドを1.5錠だけにしました。そして、10月2日から11月13日はステロイド1錠と1.5錠を1日置きに服用しました。ステロイドを1錠にするまでは、腸へのリバウンドはあまり出ませんでした。11月15日ステロイド1錠にしました。この頃から、お腹が緩くなり始め、一日2~4回だった便の回数が急に増えだし、1日10回くらいになり出血する様になりました。この頃から、1日にアミノバクト4本、たんぱく含量約80%のプロテインを63g、水分補給にポカリという栄養療法を先生の指示で始めました。私はステロイド72000mgのリバウンドが、遂に来たかと思いました。
11月23日、10日後には、1日置きに、ステロイド1錠と0.5錠(1錠の半分)にしました。この頃から下痢止めの漢方を飲み始めましたが、下痢は止まらず、便の回数もさらに増え、一日15~20回が毎日続くようになり、1日中トイレに時間を取られて睡眠不足なりました。そして段々全身の関節が痛みだしました。特に肩、肘、手の指、膝、足首の痛みが激しくなり、足首から下が強烈に腫れ上がり、足の甲の皮膚が裂けてしまうのではと思う程でした。そのため靴が履けなくなりました。次第に痛みで歩行が困難になっていき、杖を使わないと歩けなくなりました。この頃から部屋にポータブルトイレを置くことにしました。熱も39度を軽く超えるようになり、体重も身長180cmの私が46~7kgにまで減りました。裸になると肋骨が浮き上がって骨と皮だけになり、重度の拒食症のような体型でした。全身の痛みのため、ベッドに横になる事も出来なくなり、ベッドの上に布団を何枚も重ねました。10枚くらい積み上げた所でようやく横になる事ができましたが、痛みで寝返りを打つ事は出来ませんでした。さらに普通の掛け布団では重く息苦しくなるため、軽い羽毛布団に変えてもらいました。12月だったので寒いのは当たり前ですが、異常なほど寒く感じるため1日中ストーブをたいていました。
それでも栄養不足にならない様に食事だけは必死に食べていました。食事中、何回もトイレに行きながら食べていました。この状態が15日程続くと、先生から今の状態が分からないと適切な治療が出来ないから血液検査を受けて欲しいと言われました。しかし今の私はほぼ寝たきり状態で、1日中トイレに時間を取られている生活なのに、外出など無理だと思いましたが、先生は「わしんとこ来るか、どっかの病院で検査するかどっちかにせい、それが出来んかったら、もう治療できへんで」と言われました。確かにそうですが、これは困った事になったと思いました。この状態で他の病院へ行って、素直に検査なんかしてくれる訳ないと思い、松本漢方クリニックに行こうと決めました。しかし今の状態では公共交通機関を使って行けないので、家族と話し合い、車で行く事にしました。
12月24日、松本漢方クリニックへ行く前に先生に今から行く事を伝えると「気を付けてな~まっとるで~ゆっくり来ればいいからな~」と言って頂きました。車にポータブルトイレを乗せ、私はオムツを履き、1日分の漢方を水筒に入れて家族と行きました。大阪に向かっている道中、先生から度々私のケータイに電話を下さり「大丈夫か?気を付けて来るんやぞ~」と声を掛けて頂きました。私は、こんなに心配してくださり信頼できる先生に出会い、本当に松本漢方クリニックに来て良かったと思いました。
5~6時間後、松本漢方クリニックに着くと他の患者さんでいっぱいでしたが、私が着いた事を先生が知ると気を遣って下さり直ぐ診てもらいました。そして私が腫れ上がった足を見せると「大丈夫や、治らん病気なんか無い」と言われ、安心しました。その後も私の家族と色々な話を沢山されていましたが、私は疲労困憊しており、あまり耳に入りませんでした。帰る際には先生と固い握手をして、無事診察を終えました。
12月25日から、腸の漢方、下痢止めの漢方、アミノバクト1日6本、プロテイン1日12杯(水分補給にポカリ)を飲む事になりました。この日から毎日、電話で先生からアドバイスを受けました。先生の身の上話なども色々と話して下さり元気づけられていました。その後、リバウンドも少しずつ治まって行き、1ヵ月後の2009年1月25日には、便の回数も1日6回(下痢便)くらいになり、2ヶ月後にはリバウンドが治まって来ました。熱は37.5~37.3度まで下がり、便も少し固まりだし、回数は5~6回になりました。体重は51kgまで戻りましたが、この頃から腸に狭窄が出来たのかガスが溜まり、お腹の張りが辛くなり、便の出が悪くなり、3~40分掛かる様になりました。その後、1日のステロイド量0.5錠(1錠の半分)までは、大きなリバウンドは起きず下痢便が1日5~6回でした。
治療を始めてから9ヶ月後、ステロイド0.5錠と0錠(なし)を1日置きにすると便の回数が多くなり始め、1週間後には1日20回以上の下痢が1週間以上続き、熱も39度近くまで上がり、睡眠も出来ない状態になったため、流石に体力の限界を感じた私は先生に相談し、ステロイドの量を0.5錠と0.25錠(1錠の4分の1)を1日置きにする事にしました。すると直ぐ便の回数が10回程度に減り、熱も38度くらいまで下がり、こんな微量で変わってしまうステロイドの恐ろしさを改めて思い知らされました。
その後も少しずつ量を減らし、その都度リバウンド症状に耐え、治療を始めて1年5ヶ月が経った頃の2009年11月7日、漸くステロイドを止める事が出来き、長年に亘り私を苦しめ続けた毒薬から解放されました。ただこれで終わった訳ではなく、漸くスタートラインに立つ事が出来たかと言う感じでした。9年間で72000mgもステロイドを使い続けた事で、どれ程遺伝子に影響を及ぼしているかは計り知れず、遺伝子の働きを元に戻すにはまだまだ厳しい道のりが続くと思いました。そして、免疫を抑え続ける事がいかに愚かで間違いであるのかと言う事を、身をもって知りました。(関節の痛みはリバウンドが治まるにつれて弱くなり、ステロイドを止めると完全に無くなりました)
5.ステロイドを止めてから[2010年~2015年]
ステロイドを止めて約6年が経ちますが、ステロイドを止めて以降は、ステロイドを減らしている時の様な激しいリバウンドは起こりませんでしたが、中・小程度のリバウンドを何度も繰り返しました。体力的にも精神的にも疲れてしまい、諦めかけた事もありましたが、そのたび家族に励まされ何とか乗り越えて来ました。
初めの4年間は特に辛い日々が続き、外出はほとんど出来ませんでした。便意を催すとあまり我慢が出来ず、よく漏らしていました。(食後は必ずお腹が緩くなり便意を催しました)そして1回の排便に時間が掛かる様になりました。[1時間~1時間半位](初めの方はすぐ出ますが、その後はお腹をマッサージしないと出なくなりました)そして下痢が酷くなるほど長くなり、2~3時間は当たり前、酷い時は5時間くらいトイレに居た事もありました。それでも出切らないため、1日中、残便感に悩まされていました。トイレを済ませた後は何時も疲労困憊し横になっていました。そのため便の回数が減っても生活はあまり変わりませんでした。
2014年の10月頃になると、少し便意を我慢出来る様になって来ましたが、排便時間と残便感は良くなりませんでした。しかし便の回数は1日3~4回程になり、体力的には少し楽になり始めました。そして今現在は、便の回数は2~3回程で落着いていますが、排便時間はあまり良くはなっていません。(1日2食なので3食にしたら、どうなるか分かりません)便の状態は、良くて軟便で下痢便もまだ出ます。腸の何処かで出血しているため、貧血にもなっています。残便感もまだあります。腸にガスがよく溜まりますが、抗生物質のフラジールを服用するとある程度良くなります。腸に狭窄がある可能性があります。(内視鏡で確認していないので断定できませんが、先生に症状を話したところ、多分、狭窄ではないかと言うことです)
現在、血沈やCRPは正常値の範囲内ですが、リンパ球が19%しかありませんのでまだまだです。ヘルペスや鼻炎などのアレルギー症状が出るたび辛いものの、免疫が上がっていると思うと嬉しくなります。手の甲にアトピーが3回程出ましたが、今は出ていません。まだ長時間外出する事が出来ないため、松本漢方クリニックへ行く時は朝から絶食し、下痢止めの漢方を多めに飲んで行っています。
今も普通の日常生活には戻れていませんが、確実に良くなってきています。限定的ではありますが外出も出来る様になり、この時間を上手く利用して鍼治療も始めようと思っています。治すためには、[免疫を上げる事]しかない訳ですから、上げる努力を完治するまで続けて行きたいと思います。
6.感謝
松本先生、長年に亘り本当にありがとうございます。8年前に、72000mgのステロイドを使ってしまった私が突然現れ、先生がとても驚かれていたのを今でもよく覚えています。そのような私を引き受けて下さり、治療を始めることが出来、命を救って頂いた事を本当に心から感謝しております。もし、この世に先生がいらっしゃらなければ、今頃、ステロイドの副作用で廃人になっていたか、死んでいたかもしれません。長年に亘り繰り返すリバウンドも、理論の中に、『死なない限り治る』と書かれてある言葉を胸に刻み、ここまで踏ん張ってきました。病気を治すのは自分の免疫の遺伝子ですが、治す事が出来る理論をお持ちの先生がいらっしゃったからこそ、ここまで回復する事が出来たのです。もちろん家族のサポートが無ければ絶対に不可能でした。本当に多くの方々に支えていただき、心から感謝しています。まだ完治するまでどれ程かかるか分かりませんが、松本先生を始め、松本漢方クリニックに関わるすべての皆様にはお世話になりますが、これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
*平成24年、腸からの出血のため極度の貧血になりました。
*平成25年、痔ろうになった事と腸の状態から、先生は、潰瘍性大腸炎ではなく、クローン病だとおっしゃっていました。(炎症の範囲の違いだけであって、2つとも同じ病気で治療法も変わらないので気にする事は無いです)
*大量のステロイドを使用しましたが、他の治療法や手術は一切しておりませ
ん。
「潰瘍性大腸炎 完治一歩手前」
匿名希望 43 歳
2017 年 7 月 18 日
以前提出した中間報告では、2008~2015年までの事を手記にしましたので、2016年からの事を書きたいと思います。
<2016年>
中間報告にも書いた通り、一日の便の回数は2~3回程度になりましたが、排便に時間が掛かり(約1時間)終わっても何かスッキリしなくて残便感が一日中続くためになかなか気軽に外出する事が出来ない事が、1番のストレスの原因になっていました。勿論ストレスは免疫抑制してしまうので、今の現実を受け止め、出来るだけストレスに思う事を止める努力はしていました。そして便の状態は、良くて軟便で下痢便も出ていました。狭窄かは分かりませんが、詰まる感じがする箇所が二か所あります。腸にガスがよく溜まるので、抗生物質のフラジールを服用していました。血沈や CRP は正常値の範囲内でしたが、貧血のためフェルムカプセル(鉄剤)とメチコバール(鉄の吸収を高める効果がある)を服用していました。リンパ球は19%しかありませんでした。ヘルペスや鼻炎などのアレルギー症状が時々出ていました。アトピーは手の甲にたまに出ては消える程度でした。
2016年になり(正確には2015年の12月頃からの事ですが)冬になり気温が下がり始めると下半身の冷えが気になる様になり、特に足先の冷えが酷くなり、足の指、足の甲、足の裏の感覚が鈍くもあり、敏感でもあり、何か違和感が出て来ました。地面に足を着けた時に、足の裏が分厚くなった様な感覚になる事と、足の指が曲げづらくなりました。この時は冬の寒さで血流が悪くなって起こっていると勝手に解釈し、暖かくなれば良くなるだろうと思っていましたがあまり変わりませんでした。
4月に松本漢方クリニックを受診した際に足の事を伝えると、EBウイルス(エプシュタイン・バール・ウイルス)と単純ヘルペスが感染して起きているとおっしゃいました。血液検査の結果でもEBVの抗体価は9.7と、とても高い値が出ました。このEBウイルスは、B細胞に感染し免疫が落ちると異常増殖し、正常なプロセスを経ずに抗体(IgM)を作り、その抗体をクラススイッチ(IgM→IgG、IgE、IgA)させるのです。その抗体が血中にどんどん流れて、体のあらゆる部分でクロスリアクションが起きて、あらたな膠原病の原因になるのです。また、EBウイルスに感染したB細胞は、不死化(ガン化)するものもあるので、ヘルペスウイルスの中でもとても恐ろしく厄介なヘルペスウイルスです。
治療としては、ヘルペスの漢方(治打撲一方湯)で免疫を上げ、アシクロビルで増殖抑制し、ヘルペスウイルスは、リンパ球のNK細胞とキラーT細胞でしか殺せないので、自分の免疫でしか治せないと言う事です。あとEBウイルスは、神経細胞よりは上皮系細胞に感染しやすいと言う事です。そしてこの時点では、アシクロビルや漢方は飲まず、とりあえず様子を見る事になりました。
この時の血液検査で、CRP・血沈が正常値、貧血も改善した事で、炎症の漢方とフェルムカプセル(鉄剤)は無くなり、下痢止めの漢方(断痢湯)だけになりましたが、リンパ球は19%から14%に下がってしまいました。この下がってしまった原因には自分に思う節があり、いくら免疫を上げる努力をしたとしても、精神面が不安定になれば免疫を抑制してしまい、この様に下がってしまうので、精神面の安定がいかに重要かと言うことを改めて感じました。
そして10月に松本漢方クリニックへ受診した際に先生と色々と話し、とりあえずヘルペスの漢方だけ飲む事になりました。この時の血液検査でも、CRP・血沈ともに正常値、度々繰り返していた貧血も今回も正常値の範囲内でした。リンパ球も14%から18.6%へと少し上がりましたが、まだまだ全然足りないです。そして、単純ヘルペス抗体価は83.1、EBウイルス抗体価は9.7と、とても高い値です。
そして2016年の腸の状態は、1日の便の回数は2~3回ですが、ほぼ2回に治まって来ました。便の状態は、基本軟便ですが下痢便も出ます。ふつう便ではありませんが固形便も出る様になって来ました。排便時間も日によって差はありますが、少しずつ短くなって来ました。残便感は少しましになりましたが、まだまだ気になります。ここが改善しない事には自由に外出する事も出来ないので辛いです。あと、便をした後にお腹が緩くなる感覚や、腸管が引っ張られる様な感覚と言うか、言葉では表現しづらいのですが、妙な違和感が出ますが、ガスが出ると治まります。あとガスが溜まると腸管を圧迫するのか便意を感じますが、これもガスが出れば治まります。足の状態は平行線と言う感じです。あと耳鳴りが1日中する様になりましたが、酷くはないのであまり気になりませんし慣れました。
<2017年から現在>
2017年の2月頃からヘルペスの漢方+アシクロビルを 1 日8錠飲み始めました。すると少しずつ排便時間が短くなり始めた事で、腸にヘルペスが感染しているために様々な不快な症状を起こしているのでは無いかと思う様になりました。これは嬉しい誤算でした。もともと足に感染した EB ウイルスの為に始めた治療で、長年苦しんでいた腸の症状が少しずつ良くなり始めたからです。そして時々拝見していた Naoki さんのブログにも、IBD とヘルペスの関係性が書かれてあり納得しました。腸管の周りには、1億以上の神経細胞が張り巡らされ、蠕動運動や粘液の分泌などの調節をしていて、HSV や VZV が腸管の神経細胞・神経叢(アウエルバッハ神経叢・マイスナー神経叢)に感染し、神経から出て来た HSV や VZV を免疫が殺す時に、腹痛や蠕動運動異常、下痢や便秘の原因になると言う事。SV・VZV は、交感神経や副交感神経にも感染し、特に交感神経に感染すると、排便異常をきたすと言う事です。この事から長年苦しみ続けていた腸の問題は、ヘルペス(HSV・VZV)も原因の一つだったと言う事が解りました。そしてリバウンド時に、下痢が酷くなる程排便に時間が掛かっていた事も、腸管に感染していたヘルペスと免疫が戦っていた時の症状だったんだと思います。
今現在は、排便時間は正常では無いもののある程度良くなりました。残便感も少しずつ良くなっていますがまだあります。(原因はヘルペスとリバウンドを何回も繰り返したので、酷くは無いものの狭窄があるのかも知れません。)1日の便の回数は、基本2回でごく稀に1回の時と3回の時があります。便の状態は、普通便では無いものの固形便が出ます。まだ軟便や下痢便も出ますがヘルペスが原因で起こっているか、アレルギー性の物だと思います。ガスがよく溜まりますが、これはウェルシュ菌が増殖時に大量のガスを放出するためで、免疫の低い私はどうしても殺しきれ無いのでガスが溜まって仕舞うのだと思いますが、抗生物質のフラジールである程度改善します。
EB ウイルスが感染している足は平行線です。EB ウイルスには、アシクロビルの効きがとても弱い事と、私の免疫が低いのが原因でなかなか減りません。ここであのアシクロビルの2000~3000倍の効果があると云われるソリブジンがあればと思いますが、今は例の事件で製造されなくなってしまいました。とても残念な事ですが、どちらにしてもヘルペスを殺せるのは自分の免疫だけなので免疫を上げるのみです。
他には耳鳴りが1日中続く事と、1日中身体の怠さがあります。鼻炎(特に鼻づまり)によくなります。時々、色々な症状が出ますが、殆どヘルペスが原因の事ばかりです。松本先生が何時も、「最後に必ずヘルペスウイルスが残るとおっしゃっています」が、まさにその通りです。私は、愚かにも9年間に72000mgのステロイドを使用してしまい、初めて松本漢方クリニックを受診した時の血液検査では、リンパ球が2.4%しか無かったのです。そんな私の身体は、ヘルペスにとっては天国の様な場所です。そのため、リバウンドもとても辛く厳しいものになってしまいました。
潰瘍性大腸炎自体は、完治まであと1歩の所まで来ているにも関わらず、なかなか普通の生活が送れないのも、すべてステロイドを大量に使用し免疫抑制し遺伝子の働きを変えてしまった事と、ヘルペスや腸内細菌(悪玉菌)を大量に増殖させてしまった事が原因なのだと思います。しかし、これだけ免疫を抑制したにも関わらず、松本漢方クリニックでの治療中に緊急事態に至らなかったのは、腸管にサイトメガロウイルス(CMV)がいなかったからだと思います。血液検査でも6.0未満の陰性でした。EB ウイルスは分かりませんが、殆どが足先の方に感染しているだけなのかもしれません。とにかく病気は自分の免疫でしか治す事が出来ないので、そのためには精神面がとても重要だと思いました。
当たり前の事ですが、どんなに免疫を上げる努力をしていても、精神面が不安定になれば免疫は全く上がらないからです。私は、2014年まではこの治療だけに専念出来ていましたが、2015年頃から治療だけに専念する生活が出来なくなり、ストレスから情緒不安定になり免疫が上がったり下がったりを繰り返す様になってしまったからです。松本漢方クリニックの治療は簡単に言えば、“免疫抑制せず免疫を上げて免疫の働きを正常に戻し病気を治す”と言う治療法ですから、日常生活のストレスをいかに少なくするかと言う事がとても大切になります。
そして、免疫を抑制せず免疫を上げ続ければ病気は治るのです。それは数多くの患者さんの手記が物語っていると思います。しかし、私の様に標準治療で免疫抑制しすぎた方は、とても激しいリバウンド症状が起きますから家族のサポートが必ず必要になりますし、いつ終わるかも分からないリバウンドが繰り返しますのでとても精神的にも辛くなります。人によっては体力的にも、もたない場合も出て来ますので、相当の強い覚悟が必要です。(現に、途中でリタイアする方もいらっしゃるようです。)金銭面も大きな負担が掛かりますから、治せる治療だからと言って簡単に考えては行けませんが、治す事が出来るのはこの治療だけなので、松本理論を良く理解し、納得した上でやるかやらないかを決めればいいと思います。
標準治療の期間が短かったり、IBD が初期の方は、短期間で治る方がいらっしゃいますのでやった方が良いと思いますが、全ては本人の自由ですので、自分が納得した物を選べば良いと思います。しかし、治す事が出来るのは、松本理論に則った治療法だけです。
<感謝>
最後に、この治療をするに当たり、家族の有り難さや大切さを本当に感じました。リバウンドも長期に亘り何回も諦めかけましたが、その都度励まされ、また頑張る事が出来、何とか乗り切る事が出来ました。家族のサポートが無ければ、途中で諦めていたと思います。本当に家族には感謝しています。また、IBD やヘルペスの事を解り易く書いて下さっている Naoki さんや、素晴らしい手記を書いて下さっている皆様にも、とても感謝しています。そして何よりも、長年に亘り治療をして下さった松本先生に、感謝、感謝です。私は、72000mgのステロイドを使用した為、この治療中に様々な症状が出ましたが、その都度迅速に対応して頂きとても助かりました。そして今の医療業界において、強い信念のもと真実の医療を追究し続けている先生がいらっしゃる事は、誠に有り難い事です。先生がいなければ私は今、生きていなかったかもしれません。松本先生、本当にありがとうございました。しかし、まだヘルペスの治療が残っていますので、これからも松本先生を始め、松本漢方クリニックに関わる全ての皆様にはお世話になりますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。