「次世代デジタルライブラリー」は、国立国会図書館次世代システム開発研究室における研究成果を基に開発した機能を実装した実験的な検索サービスでである。
国立国会図書館デジタルコレクションで提供している資料の中から、著作権の保護期間が満了した図書及び古典籍資料全部(約35万点)が検索可能である。
ホームページに記載されている説明を以下に示した。
「次世代デジタルライブラリー」は、以下の機能を備えている。
「全文から検索する」では、OCRにより生成された全文テキストから資料を検索できます。 ヒットした部分はスニペット形式で表示されるほか、資料画像の上に一致箇所がピンで表示されます。令和4年11月1日現在の対象資料は次のとおりです。
令和3年度デジタル化資料のOCRテキスト化事業 (https://lab.ndl.go.jp/data_set/ocr/r3_text/) の成果物のうち、図書資料約28万点分
令和4年度古典籍資料のOCRテキスト化実験 (https://lab.ndl.go.jp/data_set/r4ocr/r4_koten/) の成果物である古典籍資料約8万点分
「画像から検索する」では、図書及び古典籍資料中から自動的に切り出された約860万点の画像・図版を検索できます。絵を選ぶことで、似たような画像を含む資料を探すことができます。
切り出された画像・図版には、機械学習により自動的にタグが付与され、タグを利用した絞り込み検索が可能です。
資料のビューワでは、従来通りの見開き表示のほか、自動的にのど元線で分割したページ単位の表示にすることが可能です。
スキャン時のノイズ等を取り除くような画像補正(白色化)を行いダウンロードすることができます。処理に時間(1画像当たり約15秒)が必要です。なお、主に文字部分の可読性向上を狙った機能のため、写真や図などの補正はうまくいかないことがあります。
収録データの二次利用については、当実験サービス案内ページ (https://lab.ndl.go.jp/service/tsugidigi/) の「ご利用に当たって」をご覧ください。
最新のFirefox及びChromeでの動作を確認しています。
国立国会図書館デジタルコレクション資料、書籍のスキャン画像
↓ OCR(光学的文字認識)処理 テキスト化
次世代デジタルライブラリー 文字
↓ 文字検索
検索結果
検索例1
熊本市西区島崎に三賢堂という建物がある。安達謙蔵氏によるもので、肥後の三賢人、菊池武時、加藤清正、細川重賢を祀ってある。昭和10年当時、それを知った播州のある政治家が郷土の三哲人を祀る計画を立て、新聞投稿で呼びかけた記事を紹介した書籍を見たことがある。しかし、政治家の名前、書籍名を忘れてしまった。そこで全文検索を行なってみた。
三賢堂だけで検索すると100件ヒットする。三哲人を加えて検索すると、一挙に1件に絞られる。書籍名は「時代を搏つ」である。著者は清瀬一郎である。
「時代を搏つ」をクリックすると表紙が表示され、閲覧可能になる。
「76コマ」をクリックすると該当ページが表示される。
OCRでテキスト化する。著者は清瀬一郎である・
以下はテキスト化した文章。〓はOCR認識できなかった文字のため、人間が目視で確認・修正する必要がある。珍しい人名・地名、旧字体、特殊な記号、汚れ、ルビなどに起因する。
本文
1 わが〓土の三哲人
昭和十年十月十七日、 熊本市の西部、 島崎町に三賢堂の開堂式といふ行事があつた。 曩に横濱
本牧に世界の八聖人を合祀せる八聖殿を建立せられた安達謙藏氏は、 其〓里たる熊本に、 〓土の
三賢人を祀る三賢堂を建て、 地方靑年修養の道場とせられたのである。 三賢人とは、 製作所 さくち お腹にし
加藤〓正、 細川重賢の三公である。 堂にはこの三公の像を安置し、 像前は集會場に充て、 百人迄
位の會合が出來るやうになつて居る。 地は幽邃、 閑雅、 室は重厚、 靜和、 しかも、 〓黨尊崇の三
偉人の尊像を置く、 靑壯年の精神修養には、 この上もない設備である。
地方人も亦この擧には 非常に賛意を表し、 靑年團は堂前迄の道路の開鑿に奉仕する、 市役所は
乘合自動車新線を設ける、 島崎町はアーチを作る、 非常なる賑ひであつた。 開堂以來三偉人の像
を拜せんとして、 來集する者每日數百人。 (像は今日の名匠が 各種の文献や、 〓像や木像を比較
〓究し、 偉人の人格を表顯せんと努力したる美術的大作なり)。また此の堂の本來の目的たる精神
修養の會合に用ゐらるゝ機會も甚だ多い趣である。 しうやう おもむさ
思ふに〓土に對する愛着は人情の自然である。 愛着する〓土の先人の行狀功績如何は靑少年の
先づ知らんと欲する所である。 之を知り、 之を讃啖する間に、その感化を受くる事は當然である。
安達氏が島崎に三賢堂を建てられた本旨の奈邊に在つたかは、 未だ 審 に之を聽くの機會を得て
居らぬが、 私は、 恐らく以上の教に出られたものであるまいかと思ふ。
我が播磨國は或は武將、 或は政治家といつた方面では其人を出したと誇る事は出來ないが、 〓
學の方面では實に第一流の人物を出して居るのである。 之を〓里の靑少年に知悉せしめ、 その感
466に依り彼等を導き、 彼等を奮起せしむる爲めに播州三哲堂といつたものでも成立せしめる事が
出來ぬであらうか。 これがれが昭和十一年の新春勢頭の中國日目謝罪の紙面を拜借して
先輩や、 友人諸君に提案する一事項である。 然らば播州出身の三哲人とは誰ぞ。
検索例2
渡辺玄察日記(拾集物語)に記載されている「高来温泉山」を検索した結果を示した。
崩字の「高来」を「音来」と解釈する人もいる問題の箇所である。
寛文三年(1663) 十一月廿三日之夜寅卯の刻に高(音)來温泉山動揺して翌朝煙見ゆる。
「音が来る」または「高来(郡地名)」の違いになる。
玄察の著書であることは分かっているので、「玄察日記」で検索してみた。
ライブラリー全体で52件ヒットする。最初に表示されている肥後文献叢書に該当する語句があるので、最上段の肥後文献叢書 第四巻をクリックする。
本文で検索すると4コマヒットする。
肥後文献叢書について説明しておきたい。
肥後文献叢書について 折りたたみ文書です。
肥後文献叢書
編纂者: 武藤厳男、宇野東風、古城貞吉らの手によって編纂された。
手書きの写本しかなかった貴重な郷土史料を活字としてまとめたことで、研究者だけでなく一般の歴史愛好家も肥後の歴史に容易に触れられるようになった。
主な収録文献(各巻の構成例)
全6巻(および後年の別巻など)に分かれており、以下のような著名な文献が含まれています。 [1, 2]
第1巻: 『銀台遺事(ぎんだいいじ)』、藩校の規則である『時習館学規』、制度を記した『官職制度考』、城郭の由来をまとめた『古城考』など。
第2巻: 加藤清正の一代記や業績を記した『清正記』『読撰清正記』『藤公遺業記』など。
第3巻: 肥後の歴史や事跡をまとめた『新撰事蹟通考』や、南朝方に尽くした菊池氏の歴史を描く『菊池風土記』など。
第4巻: 赤穂浪士のお預かりを担当した藩士の記録『堀内伝右衛門覚書』や『御家人記録』『渡辺玄察物語』などの記録・日記類。
第5巻: 『渡辺玄察日記』や、藩士たちの詩文集である『四時園詩集』など。
肥後文献叢書第四巻の内容
目次
標題紙
肥後孝子伝前編三巻
肥後孝子伝後編三巻
同附録孝経賤が枝折一巻
旦夕覚書四巻
堀内伝右衛門覚書一巻
御預人記録一巻
拾集昔語三巻
拾集物語二巻
拾集記一巻
渡辺玄察日記一巻
渡辺先祖以来今事記一巻
早川故事一巻
孚斉存稿三巻
孚斉存稿拾遺一巻
肥後文献叢書第四巻に渡辺玄察関連の史料が翻刻されて収載されている。
渡辺玄察日記は五番目にあるので、「260コマ」をクリックする。
ページをめくっていくと527ページに該当する項目が見つかる。目で追っていく必要があるので、いきなり検索を行ってみた。
いきなり検索
最初から、本文中の語句を用いていきなり検索することも可能である。「全文から検索する」で「高来温泉山」で検索してみた。
肥後文献叢書の1件がヒットする。
肥後文献叢書を選択すると、その本文中に3箇所記載があり、三番目が該当する個所である。
右側の527ページの3行目に青いマークが付いている個所である。
テキストモードで表示(横書き)
範囲を選択してコピーが可能である。
ページ移動は右下で実行する。
テキストモードで画面をクリックすると対応するページが表示される。
次世代デジタルライブラリと国会図書館デジタルコレクションとの相違点は、キーワードによる全文検索ができる点である。活字印刷された書籍は、スキャンしてページイメージの画像データとして保存されている。次世代デジタルライブラリでは、OCR(Optical Character Recognition 光学式文字認識)技術を利用してテキスト化して保存されているので、文字検索が可能である。現在は試用版であるので、崩字を翻刻するところまでは進化していない。しかし、AIを利用すれば近い将来実現できるものと思われる。