くまモン依存症

先日届いた「自動車税納税通知書」の封筒の表に，「くまモン」が印刷されていた．

「子供だまし」のくまモン作戦も，ついに大人の世界にまで来たかと思って調べてみると．県はくまモンの力を借りて「自動車税納付期限内納付率1位」を狙っているとのことである．現在の全国順位はは42位，役人の力ではどうしようもなかったことを「くまモン力」で実現させたいという発想らしい．

くまモンは，2011年の第2回ゆるキャラグランプリを獲得した．この回からインターネットによる投票に一本化されたため，フリーメールを悪用した組織的な大量不正投票が相次いだ．そのめに，運営者側が不正とみなせる票を削除する措置を取ったことは有名である．最終的には，熊本県のPRキャラクターくまモンがグランプリを獲得、準グランプリは今治市観光大使を務めるバリィさんとなった．当時，熊本県は県民に投票を呼び掛けたが，どこもやっている範囲だったらしい．

それにしても，くまモンごときに県知事以下，大の大人が振り回されている現状は滑稽でもあると思いながら，私もついに巻き込まれてしまった．

シュタイフ社製「テディベア くまモン」が発売されるというマスコミ報道のためである．NHKおよび民放テレビ，新聞等によると，1500体の限定販売，12日午前0時にインターネットによる予約が開始されるというものであった．

さっそく，姉妹から予約購入を頼まれた．

この手のネット販売はクセモノであり，インターネット予約は不可能であることを説明したが信じてくれないので，とりあえず予約開始の1分前からアクセスしてみた．開始時はアクセスが多くすぐには繋がらなかったが，１〜２分後に繋がった時には「在庫切れ」になっていた．．

コレクターやオークション屋が殺到するので「純粋に欲しい人」には行き渡らないことは知った上での「仕掛け」であることは確実である．そういう意味では県知事をはじめ，県関係者は国営放送，マスコミをうまく利用して県費を使わず宣伝効果を上げていることになる．

街中，くまモン商品だらけである，その経済効果も何時まで続くか分からない．くまモンもそろそろ落ち目と噂されている時に，「ドイツの最高級ぬいぐるみブランド」を利用して延命を計るわけである．一方，シュタイフ社にとっては，広告費ゼロで全国的に宣伝できるという美味しい話になったはずである．

知人の話では，０時にアクセスしたが１０秒でダメだったそうである．また店頭でも受け付けるという報道のため，電話したが，まったく繋がらなかったとのことである．官民一体となって何も知らない人達に期待を抱かせるのは考えものである．いっそのこと抽選にすればよい．

注）１３日の報道では５秒で完売，すでに３倍の値が付いているらしい．このようなことが報道されるのも織り込み済みである．

それにしても，次々にこのような「仕掛け」を考えるものだと感心？する．幼稚園，小学校訪問等の子供向けのキャンペーンならともかく，「大人の幼稚化」（一億総白痴化）は「当り前」，大人も子供と同じ扱いでやっていけると思っているのだろう．そのうち，県立大学は「くまモン大学」に改称したらという話が出てくる可能性も否定出来ない．

参考資料

都道府県別平均年収ランキングは，熊本は３８位，３８９万円で，東京都より１１０万円低い．

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「ゆるキャラ」とは，「ゆるいマスコットキャラクター」を略したもの．イベント，各種キャンペーン，地域おこし，名産品の紹介などのような地域全般の情報PR，企業・団体のコーポレートアイデンティティなどに使用するマスコットキャラクターのこと (Wikipedia)．

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(2013.5.15)