スギ(Cryptomeria japonica:クリプトメリア・ジャポニカ)は、日本と中国南部に自生する裸子植物の1種で、マツ綱ヒノキ科スギ属に分類される針葉樹です。ちなみにCryptomeriaの意味は「隠されたもの」で、若い雌球果が針葉で覆われていることから命名されたそうです。スギ属で現存している種は、スギだけです。大きくなると樹高40~60mにもなります。
第二次世界大戦後に植林が盛んに行われて日本の人工林の45%がスギ植林なのだそうです。奈良県の林の62%は植林地で、その大部分を占めるのがスギの植林です。生産地毎にブランド化された呼び名も多く、奈良県では、吉野杉(よしのすぎ)が有名ですね。吉野郡に広がる吉野美林は、長い歴史を持つ人工林で、三大人工美林のひとつに数えられています。
スギは、成長が速く、幹がまっすぐに伸びます。木材は軽くて加工もしやすく、調湿作用があって香りが良いため、建築材、家具や酒樽などの材料として重宝されています。
葉から抽出される精油(エッセンシャルオイル)は、化粧品の香料や医薬品に利用されたりもします。
スギの花季
スギの花季は、2月~4月で、実は秋に熟します。雄花と雌花があり、雄花は枝先に穂状に集まって付きます。受粉に風を利用する風媒花(ふうばいか)で、1つの雄花から16~40万個もの花粉が作られるそうです。
一斉に大量のスギ花粉が飛散するため「スギ花粉症」の原因になっています。
花粉症とは、植物の花粉が原因で引き起こされる、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの季節性アレルギー症状で、スギ花粉症は日本人の4~5割が罹患している国民病になっています。スギの花季には、天気予報でも花粉飛散予報が掲載されます。
政府はスギ植林の削減や無花粉スギへの植え替えなどにより「10年後(2033年度)までにスギ人工林を2割削減、30年後(2053年)までに花粉発生量を半減」という目標を掲げています。
枝先に集まって付く。小さな松ぼっくりのような、土筆の穂先のような姿です。
雄花に螺旋状に配列している鱗片には、花粉嚢があって、たくさんの花粉が作られます。
ドライマウント400倍で観察した様子。パピラと呼ばれる小さな突起が見えました。
水で封入して400倍で観察した様子。花粉が水を吸って膨らんでいます。スギ花粉のサイズとして表記されているものの多くは、水で膨らんだ時のサイズのようです。